北多摩の森は木々が葉を落とし、だいぶ見通しが良くなりました。
ハナミズキ
サンシュユ
そんな木々の梢に赤い実。
ハナミズキ
サンシュユ
どちらも春に花を咲かせ、半年かけて種子を作ります。赤い実は鳥に種子を運んでもらうため。
鳥のお腹の中で、果肉は消化され栄養になりますが、種子はそのまま排出されます。
歩けない植物が、種子を広範囲に運んでもらう手段の一つ。鳥が喜んで食べてくれるように、夏の間たくさんの栄養を作り出し、この赤い実にためています。
そして同時に次に咲く花の準備もしています。冬の寒さに耐えられるよう、厚い苞葉でしっかりと内部を守っています。
花の中でいちばん重要なのは雌蕊と雄蕊。花弁は虫を誘うため。そして萼や苞はそれらを守るため。
ハナミズキは春になると、苞葉が開き、中からたくさんの花を咲かせます。
↑ハナミズキ
ピンクの部分は苞葉。
サンシュユも同じような蕾と花です。
冬までには蕾が作られ、春が来るのをじっと待っています。
冬はそんな植物たちの芽を探すのが楽しい季節でもあります。花になる蕾(花芽)だけでなく、葉になる芽(葉芽)もあります。合わせて「冬芽」と呼ばれます。
葉を落とし、枯れてしまったように見える木々ですが、春が来れば、一気に葉を広げ花を咲かせてくれます。