速攻対策（その４・・・守備体制を考える時の基本）

はじめに
昨日までの記事で、速攻対策に関する相談内容と、説明を行う上で使用する図面を御紹介してまいりましたが、概ね御理解いただけたでしょうか。

これを御理解いただいた上で、本日から速攻対策に関する話をしていきたいと思いますが、自分たちのチーム事情と見比べて、この記事で提示した対策案が自分たちのチームに使えるのか使えないのかを検討できるようにするため、まず最初に一般的に考えられる速攻と守備の関係について少しお話しておきたいと思います。

守備を考える時の基本
相手チームのスパイクやフェイントに対応するということになると、攻撃がなされる場所がセンターなのか、ライトなのか、レフトなのかということやアタッカーのタイプがどうかということを考えながらブロックやレシーブのポジションを調整していかねばなりません。

例えば、簡単な例でお話しますと、中衛のレフトの選手は相手がライト攻撃を仕掛けて来る時はブロックに参加しますが、レフトからの攻撃の時はクロススパイクに備えてレシーブに下がるというようなポジションの切り替えを行うわけです。
このように相手チームの攻撃パターンに対応して、守備側はポジションを、パッ、パッと切り替えて対応していくわけなのです。
そして、これがうまく行くがどうかで、ブロックやレシーブの成功率は左右されます。

どの攻撃に対しても同じ態勢で守るというのは、やはり無理があるわけでして、そのことは、速攻に対しても同じであり、時間差のＡクイックとセミでもポジションンを切り変えないといけませんし、セミもライトとレフトでは異なり、また、レフト平行やライトオープンについても切り替えが必要なのです。

そして、この切り替えは守備側の皆が意識を合わせ、タイミングを合わせて、行うのが理想であり、ここがずれると、隙間が空いたり逆に二人以上が重なったりと、効率のよくない守備体制となってしまうわけなのですね。


速攻で得点する仕組み
上記の述べたように、守備側としては相手チームの攻撃パターンに対応させてポジションの切り替えをして守りたいところですが、攻撃側としてはその準備に揺さぶりを掛けて、守備側が十分な体勢を整えていない状況下で攻撃し得点しようとします。
ここに、速攻の狙いがあるわけです。

オープン攻撃にはある程度対応できるのに、速攻をされると対応できないという原因の多くは、やはりトスアップからスパイクまでの時間が短いため、守る側として攻撃パターンを認知し、ポジションを整える等の準備ができないというところにあります。
実際にどのくらいの時間差があるのかといいますと、まず、
オープン攻撃だとトスアップからスパイクまで２秒くらい
はあり、ブロックやレシーブの守備隊形を整えるための判断やポジション調整の時間はある程度確保されていると言えます。

しかし、速攻ということになると、トスアップからスパイクまでの時間は
Ａクイックの場合０．２秒
という高速なものがありますし、ポテ吉さんが対戦しているチームの
リードブロックで対応できそうなＡクイックと言えども０．４秒～０．６秒
くらいであると考えられます。
また、それをおとりとして使った時間差の
セミや平行については、１．４秒前後
でスパイクされていると思われます。

このテンポと攻撃箇所が異なる複数の攻撃が、短い時間の間に重なって仕掛けられ、守備側としてはこの攻撃を認知してブロックやレシーブの守備位置を調整する暇がないまま、対応しなければならないことから、失点を重ねてしまうわけです。
言わば、速い攻撃に負けないスピードで守備体制を整えられるかどうか・・・・この競争に勝てるかどうかで、相手の攻撃に対応できるかどうかが決まって来るわけなのです。

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