はじめに
サーブで狙われた、あるいは、どうにも相手のサーブがよく、ほとんどの選手が太刀打ちできないという状況が生じた経験はないでしょうか?
連続失点して、相手はますます厳しいサーブを打ってきますし、点差が離れて来ると思い切った攻撃まで仕掛けてきます。一方攻められる方はというと、レシーバーはますます緊張し、他の選手まで動きが硬くなったり、慌ててしまい、傷口をますます大きくして自滅への道をたどってしまいがちです。
実は、私もそういう苦い経験をしたことがあり、そこから、その対策と考えることにしたのです。
もちろん、この方法は私が最善と思っている方法に過ぎず、他にもっといい方法があるかもしれませんので、参考程度にお読みいただき、そこから自分たちのチーム事情に合った方法を採用していただくといいかと思います。
スカウティング
先般平行のブロードや縦の時間差をご紹介した「動画・・・・ブロックされないセミクイック」「動画・・・・9人制バレーで平行をブロード気味に打つ戦術」に出てきたチームですが、実はあの試合に対する周囲の予想は、相手チームのほうがやや上であるというものでした。
あの試合は職場内の対抗試合なのですけれども、当時私は福岡に勤務し、決勝で当たったのが沖縄のチームだったのです。
沖縄チームは、一般のクラブチームで県代表になった選手やインターハイでMVPを取った選手を中心に、とてもまとまりのいいチームに仕上がっており、予選、決勝とも破竹の勢いで勝ち上がってきました。特に、準決勝では五回の優勝経験を持つ鹿児島を退け決勝に上がってきたということで、勢いがありました。
沖縄の仕上がりが良いという話は大会前から聞いておりましたので、当方も優勝を目指すべく秘策を考えました。
そのひとつがスカウティングです。
コーチとマネージャーには、予選の間我チームのベンチに入らせず、鹿児島と沖縄に予選から付きまとってサーブの種類とコースのスカウティングを行わせました。
要は、相手チームの選手のサーブを記録していくだけでなのです。当時の記録を写真でアップしようと思いましたが、どうしても見つからないので、似たようなものを作って、明日にでもアップしてみようと思います。
そういうメモを作り、そのチームと対戦する時に、そのメモを元にどの辺にどのようなサーブが来るかということをコーチが選手に伝えるのです。
確率を伝えるだけ、最終的には選手が判断
コーチは、スカウティングの結果に基づき、サーブの種類とコースを選手に伝えます。
しかし、人間がすることですから、統計どおりにサーブが来ない場合もあります。
相手チームが裏を突いてくる場合もありますし、狙ったとおりのコースにサーブが飛ばないときもあります。
伝達する情報そのものが「どこに来るか分からん!ジャンプサーブ。」なんていうのもあります。
後は、情報を聞いた選手が判断してプレーします。
ただ、かなりの確率で当たるんですね。
特に、このスカウティングが威力を発揮するのは、相手のすごいサーバーに対する守備方法なのです。
私は、6人制のフォーメーションで「マンダウン方式」というブロックのワンタッチを追いかける選手を1名配置するという方法をこのサーブカットにも採用して、強烈なジャンピングサーブに対応することとしたのです。
では、図面と動画の準備をして、明日から、簡単なスカウティングの方法と、それを利用したサーブレシーブの方法についてお話してみたいと思います。
試合前でよかった~!
私も苦い経験ありますから^^
だからこそ!チームメンバーもいいサーブにこだわってるんですよね~。1点は大きいですし、必ず、空きだけでなく、失敗した選手をいいサーブで狙うんです。
帰宅後が楽しみ~。
福岡では、なんとか習得に成功しました。
沖縄では、一般のクラブチームの中に最初から、一人をエンドラインより後ろに4~5m下げた上、レシーブミスして落ち込んだ選手を敢えてコートのライト側の外に出して、ライトオープンを打たせるというチームを見たことがあります。この二人は最初からサーブカットに参加せず、ワンタッチボールを追いかけるのと、スパイクに集中するという役割を担うのですね。
大会によって、レシーバーが揃わない場合の対応だと思うのです。
チームによっては、5人でサーブレシーブしていたところもありますが、サーブが2本あって、第一サーブを力任せに打って来る9人制で5人は厳しかろう・・・・という気がするのですが、監督の方針で場面によってそのようなフォーメーションを使っているところもあります。
確率の問題ですからね。色々試してみる価値はあると思います。おもったより簡単に行く場合がありますからね・・・。