はじめに
サーブのボールを、その軌道の下側から見るということが御理解いただけたでしょうか
それぞれボールがどの方向に進もうとしているかによって、ボールの見る場所が異なるということを理解しておいてほしいのです。
サーブレシーブに悩んだら、まずボールの下側を見るという意識で対応を図ってみてください。それがまず、始まりだということを理解しておいていただきたいのです。
それを御理解いただいたところで、今日はいよいよ実際のサーブレシーブをする時どのように意識して対応するかというお話をします。
サーブの軌道をいち早く察知して対応する方法
下図を見て下さい。
今、サーブが打たれ、ボールがH Mと進んできます。
これを右側にいる黄色シャツの選手がレシーブうしようというわけです。
選手はボール全体を見ているのではありません。
ボールの底になるh及びmをしっかりと見ています。
この辺までは、割としっかりと見ることができますよね。
さて、その次くらいから少し問題が出てきます。
ボールの底が見えにくくなったら要注意
上記図のとおり、選手はボールの底になるh及びmを凝視していくわけですが、この辺りからボールの底が見えにくい状況になったら要注意です。
例えば下図のようにMからLにボールが移動する間に、ボールの位置が変化し軌道が低くなってくると、少しずつボールの底が見づらくなってきます。
その状況が生じたとき、レシーバーにボールの底を見ようという意識があれば、mやlを見ようとし、レシーバーは、自然と膝を曲げて腰を落とすか、前に移動する等してmやlが見える位置に目の高さをキープします。このことが、サーブの軌道に対する下から目線をキープしたこととなります。
図を拡大しますとLにあるボールの底lが見えにくくなって黄色シャツのレシーバーの目線からすると●部分を見るのがやっとで、lはその陰となって見えないというわけです。
この状況は、ちょうど、地球の水平線の向こうの海上にいる船が見えないような感じだと思っていただければいいと思います。
そこで、黄色シャツの選手は下図のようにピンクシャツの位置へと
前に一歩出するわけです。
ピンクシャツ選手の位置からの目線は←で示しましたが、ピンクシャツの位置に移動することで、●の陰になっていて見えなかったlの位置が選手の視線に入るようになります。
すると、レシーバーの目線はサーブの軌道を下から目線で見ていることになります。
その後の展開
ピンクシャツの位置まで移動しても、その後ボールはさらに下のほうに落ちてきますので、結局、ピンクシャツの選手からしても、その後はボールの軌道を下から目線で見ることはできなくなります。
そして○のとおりその進む方向がR→になっているとき、この場合の軌道の底となるrを、レシーバーはどう頑張っても見ることはできません。
でも、それでいいのです。なぜなら○の部分はすでにアンダーでサーブをレシーブする場所だからです。
サーブレシーブの成功率を上げるに大事なこと
この原理を理解した上で、サーブレシーブの成功率を上げるポイントの一つと思われるのは、ボールの軌道に対して、どの辺りにボールが近づいて来るまで下から目線をキープするのかということです。
ある一定の場所まで頑張って、下から目線をキープし、その後はボールの底が見れなくなるようにすれば、きちっとアンダーで構えている腕のレシーブ面にボールが命中してくれるのです。
で、大事なのは、この下から目線をキープしておかなければならないボールの場所と、上から目線に切り替える場所、これを感覚として掴んでおくことなのです。
上記図で言うなら、L→付近が最後に下から目線をキープした場所になるわけですね。
この場所まで下から目線をキープでき、その後上から目線になる状況になった時、あらかじめ練習していたアンダーレシーブのフォーム、すなわち目から一定の位置関係をキープした所にレシーブ面が来るようなアンダーレシーブのフォームで構えていれば、ボールは自動的にレシーブ面に○のとおり当たってくれるということになります。
バレーボールの雑誌の写真等で下図のピンクシャツの選手のようなレシーブの瞬間見たことありませんか?
レシーブ面をきちっと作り、
首を肩にうずめるようにすくめてアゴを引きつつ、
ボールを下から覗きこむように凝視している
こんなシーンです。
これ、正に最初に目とレシーブ面との位置関係をしっかり決めたフォームを作り、
後は、とにかく下から目線をキープして、ボールが一定の場所に来た所で上から目線に切り替えられる、そういう場所に目線を合わせているわけです。目線を合わせることができればボールは自然とレシーブ面に飛んで来るという仕掛けになっています。
慣れて来るとこんな難しいこと言わなくてもボールの軌道を読めるようになり、身のこなしも巧みになって、色々なフォームでレシーブすることもできるようになりますが、初心者に対しては、ボールの正面に移動させ、体と一定の距離感を保った場所にボールが来るよう体を移動させ、そしてレシーブさせるという基本を守らせたほうが成功率が上がります。
ただ、漠然とそれを練習させても難しいという選手もいますので、そのような場合はこの原理を説明し、まずは、フォームを固め、その次に軌道上のボールの見方を教え、反復練習させるのです。
では、次の記事では、下から目線と上から目線を切り替えるボールの場所の探し方についてお話します。
もう少しですので、この話へのお付き合いをよろしくお願いします。
おわりに
読み返してみましたが、なんとなく分かり辛いですかね・・・。不明なところがあったら、また、質問でもしてください。
それでは、本日はこの辺で失礼します。
分かりづらくないです
絵も文章もとってもよくわかります!
なるほど~~と思いました。
目線と腕を固定して自分の正面にボールの下側が見える場所に移動して構えて待つ。
こんな感じで理解していますが
間違ってますかぁ?
そのとおりで、間違いありません。
明日の記事もよろしくお願いします。
いつも、いつも、これで通じるかな~・・・と不安を抱きながらの記事アップです。
文字で伝えるってのはほんとに難しいです。
きちっと伝わっているのが分かって、実に嬉しく思います。
今後ともよろしくお願いします。
コーチにも、ボールの下を見てプレーするように言われています。
図解説明が、とってもわかりやすかったです。
(特に下から二番目の図)
そこで、ひとつお願いがあります。(^_^;)
ボールの下を見ることは大切だってことを
チームのメンバーにも伝えたいのですが
チームのHPに、磯野さんの図(下から二番目)を転載させていただけないでしょうか?
磯野さんのHPも参考にさせてもらっていることも掲載します。
HPにシェアの仕方など、わからないので(^_^;)すみません。
了承していただけたら嬉しいです。
よろしくお願いします!!!!
図面の件ですが、稚拙な図ですけど、お役に立てていただくということになれば、こちらのほうが光栄に思います。
どうぞお使いください。頑張っていただきたいと思います。
図解、絵、上手ですよね。
とってもわかりやすいです。