ウラ技・バレーボール技術・戦術研究会

実際に使って来た9人制バレーボールの技術・戦術のウラ技。ママさんバレー、一般のクラブチームではかなり通用しますよ。

ネットプレーの裏ワザ(ブロックの付き方を見て、攻撃場所を検討した。)

2011年01月14日 11時31分11秒 | 速攻中心のチームを作る

はじめに
9人制バレーボールのフォーメーションを見ながら戦術を考えるのですが、そのひとつに相手のブロックのつき方を見るというのがあります。
鹿児島のママさんチームの場合、相手のブロックは当方のキャプテンであり、レフトオープンである選手を徹底的にマークしてくるのですね。
ブロックは最低で2枚(平行を打っても2枚)くるのですね。


オープントスになると3枚、2段トス等場合によっては4枚のブロックがついてきます。
キャプテンでエースが止められれば、チームの士気は下がります。
しかし、これほど徹底したマークをしてくる状況を見た時、昔練習した裏ワザの一つ(次の記事で紹介します。)が使えるのではないかと考え、昨日までに紹介したネットプレーからの切り返しをやってみようと思い立ったわけなのです。

ただ、問題は、相手ブロッカーを外すには、どのポジションで使うかっていうことになります。

ポジションの変更を検討した
そこで最初に検討したのが、ポジションの変更でした。
これは、相手がサーブ権を持っている時のサーブカットを固めるというのと、プレーする上で、うまい選手にたくさんボールに触らす機会を作ったほうがいいだろうというコーチの意見もあったからなのです。
実は、このレフトオープンのキャプテンは、チームでは技術体力に他の選手の誰よりも優れている、真の中心選手だったのです。
彼女を中衛のセンターに持って来ようという話には私も大賛成でした。

元々の中衛センターもプレーはうまいのです。
スパイクの技術は中衛の3人は同じくらいのレベルでした。中衛センターの選手は、片足ジャンプでCの後ろに回る時間差(打ち方はブロードを打つような感じです。)を打っていて、このスパイクはなかなかのものでした。
しかし、ハートがいまいちなのですね。
人がいいというかおとなしいというか、プレーがうまいだけにちょっとミスすると「ごめん」と謝ります。
ボールが上がってるんだから「ごめん」と言わずに「カバー!」と叫び、自分もカバーした選手のカバーに動けというのですが、サーブカットがちょっと乱れても「ごめん」と謝りますし、トスが合わなくても「私が悪い・・・」と遠慮して、調整のための発言をしようとしないのですね。自分に厳しく、責任感も強いのですが、他を指示するようなキャラクターではないのです。
で、
キャプテンを務める中衛レフトの選手のハートの熱さや、プレーのうまさを見ると、私もこの選手を中衛センターに持って来るのがいいと思いましたし、実は、ほとんどと言っていいほどネットプレーができなかった鹿児島のチームの中にあって、唯一このキャプテンだけが、円滑にネットプレーをこなしていたものですから、私は将来、ネットプレーから切り返すこの攻撃を覚えさせる絶好のチャンスであると思ったのです。
ある程度のレベルにある選手の個人技で点数を取る戦術も随所に見せて、相手を翻弄しようと考えたのでした。

攻撃とブロックの付き方
このキャプテンを中衛センターに
持ってきた上で、時間差のセミを打たせることを考えたのですが、下図を見て下さい。
手前のチームが我チームで向こう側が相手チーム
黒シャツはレフトオープンで平行を打ちます。
ピンクシャツは前衛レフトですが、この選手にBクイックを教えます。
赤シャツは、中衛レフトからコンバートした中衛センターで、B前のセミを打ちます。
オレンジシャツは前衛ライトでCクイックに入らせます。
グリーンはライトオープンですね。


黄色のシャツは相手チームのブロッカー5人ですね。
で、この中で、きちっとスパイクが打てるというのは中衛の3人(黒シャツ、赤シャツ、グリーンシャツ)なのですが、何と言っても、打点が高くないので、パンチはあってもしっかりブロックにつかれると苦しくなります。
ただ、これまでにも厳しいマークに合いながらも、この3人はゆるく打ったり、コーナー狙ったり、体の向きを見せた上で逆サイドに切り返して打ったりとなかなか器用に対応し、勝負強く打ち続けていた選手なのです。

このような状況下で下図のとおり、B前のセミを上げるのですね。
このトスは、ほんとの時間差になっていない若干高めのトスでも良しとします。

すると、相手チームは5人のうち真ん中の3人がブロックに来る可能性が十分考えられるのですね。

そこで、このようにしっかりと時間差のセミをマークしてくるような長身のブロッカーに対して使う裏ワザを練習させることとしました。

色々考えましたが、やはり、真ん中の3人を最初のブロックに跳ばせるには、新人の前衛レフトにBクイックを打たせ、中衛センターにはB前を打たせようといういう結論にたどり着きました。
レフト側で時間差をやるという状況を見せて行くと、上記図のとおり、5人のブロッカーのうち、4人のブロッカーはレフト側をマークして、真ん中より左側に寄ってくるのですね。

ミスってもいいからと言ってまで、新人にBを打たせる理由
新人選手にBクイックを打たせるのは大変だろう・・・・という声がありました。しかし、この選手はパワーはありませんが、身長が168くcmらいあって、腕も長いのですね。こういう選手にBクイックを打たせる方法はあるのです。
そのクイックはビシッと決まる必要はありません。フェイントでも、ねじ込む感じでも良いのです。さらには、最悪ミスってもいいから練習するよう指示しました。
私がBクイックをミスしてもいいというのはですね、この攻撃があるということを相手チームのブロッカーに認識させることができれば、それでいいと考えるのです。

例えばセットの始まりに1本このBを使っておきます。で、失敗してもですね、使うという姿勢があればブロッカーとしては、次はマークしようと考えて、ジャンプしなかったとしてもBクイックのアタッカーの前に一人のブロッカーがつこうとします。

っとなりますと、当方の平行をマークするのは、相手チーム中衛ライトのブロッカー。
そして当方のBをマークしながら、平行や時間差のB前のセミにもブロックに行こうとするのが相手チーム前衛ライトのブロッカー。
当方の時間差のセミ(B前)をマークしブロックに行くのは相手チームのセッター。
当方のCクイックと時間差のセミ(B前)をマークしブロックに行くのが相手チームの前衛レフトということになるのですね。
この相手チームの前衛レフトを一番最初に仕掛けるB前のセミトスに対してブロックに来させるというのが大事なのですね。

このブロックをさせるべく、敢えて、このプレーではB前を使おうということなのです。

リスクがあっても、立ち上がりにBを見せ、このBクイックのトスに相手チームの前衛ライト(黄色シャツの3番)がマークしてくれるようにするのが一つのポイントなのです。
 
こうして鹿児島のチームでは、中心選手であるキャプテンの選手を中衛レフトから中衛センターにコンバートした上、B前のセミを打たせながら、「ネットプレーから切り返しの術」なる裏ワザで勝負してみようという戦術に取り組むこととなったのでした。



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2 コメント

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Unknown (せれまま。)
2011-01-14 15:37:52
確かに。
相手チームは自然とレフト側を開けてブロックしやすいように、寄っていきますよね。
それに、技術やセンスも大事ですが、気持ち!
これは、切り替え時でも大事ですよね!
努力してれば、自信もつき、自然とプラス思考になれるんですよね。。
悔しさも、ばねになりますし!
明日の試合、振り回し攻撃したいです!!!
こういう戦術を見たりすると、わくわくしますね^^
バレーボールってやっぱり、おもしろいです。
返信する
朗報をお待ちします。 (磯野)
2011-01-14 17:29:39
明日の試合、頑張ってください。
格上の目標としているチームとの対戦でしたよね。
せれママさんが攻撃の起点となるのでしょうから、そのハートの熱さで、他のプレーヤーを助けるべく、クイックを打っていただきたいものです。
朗報をお待ちしております。
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