小生、一生の不覚

私の職場での天敵は、地獄王子である。
上司であるので唯々諾々と従っているのであるが、日々遣る瀬無い思いである。
今年の正月明けに恫喝されてからというもの、青菜に塩である。
とまあ、常在戦場の舞台にいるようなもんじゃよ。

それがな、この前のことじゃ。
仕事でバイクで配達に行ってな、帰ってきてからのことよ。
おいどんがヘルメット置き場に返そうとしたらよ、すでにヘルメットがそこに置かれてあるんよ。
あれれれ～～、おいどんの場所に、なぜかあるやんけ～～、はっ、？
間違えて人様のかぶってもうたわ。ワハハッ。(^0_0^)　
となると、このヘルメットは誰のもんかいな？　(?_?)

夕方になり、地獄王子もバイクでの配達から帰ってきた。
開口一番、「私のヘルメット使いましたね」。冷汗三斗。　(T_T)/~~~
出たーっ、虎の尾を踏むとはこのことかーっ。
万事休す。

おいどんは瞬時に、「どうもすみません、間違えました」と、平謝り。
固唾を呑んで次の言葉を待つ。
地獄王子、「いえ、いえ」
おいどん、「どうもすみませんでした」、さらに謝る。
（あれっ、怒ってないみたいね、ほっ）

ほっとしたら今度は、頭が気色悪くなってきた。
汗だくで配達やってるのである、よりによって地獄王子のヘルメットでかよ。
おいどんは、天敵のをかぶり仕事をしてたのであった。
敵のふんどしで相撲を取るに近い。

帰宅と同時にシャワーを浴びたのは言うまでもない。
ああ……。