2010年12月26日(日)
そろそろ年末の大掃除なんだけれど・・・明日出来ることは明日にして、
とりあえず、年末年始の巣篭もり準備っと。
ウィステのお正月は、巣篭もり正月だね。寝正月とも言う。
そこで、必需品を用意しに、図書館へ=本を8冊借りてきたよ。(^^)
帰りにスーパーに寄ったら、お正月のお節関係が沢山並んでいたけれど、
買うのは、もう少し待って、お野菜類を買ってきたわ。
外は寒いし、早速、ぱらぱらと読み出したけれど・・
救急救命センターの話は、・・・なんか重くなってきた。
林真理子の軽いエッセイ集で、お口直しね・・。(^^)
そこで、今日は、昨シーズンの寒い朝のエッセイを・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「懸念」
厚いコートを羽織り、首筋はしっかりマフラーで守った。
「おまえさんの散歩じゃなければ、こんな朝に外を歩くなんて、ごめんだわ」
ぼやく飼い主をよそに、ポチはいさんで電信柱や石垣の角へ飛んでいく。
家の前の坂を上がった所の公園に沿って左手に曲がると、座りながら上体をベンチに
横たえている男性が見えた。地面が白く光っている寒い公園で、朝の七時から寝ているとは、
いったい何事だろう。ベンチの回りをさっと見るが、荷物はない。それならホームレスでは
なさそうだ。まだ若そうだし、学生かもしれない。
――もしや、酔って公園で寝込んで、凍死した……?
一昨年亡くなった父の臨終の顔が浮かんだ。血の気が抜け白く固まったあの顔をまた目の当たりに
してしまったらどうしよう。親の顔だから見詰められたけれど、通りすがりの他人の顔だったら……と思うと、
ベンチに近寄って確かめるのが怖い。
立ち止まって公園の中を覗う私の手のリードをポチが引っ張った。早く先に行きたいのだろう。
どうしたらいいかと迷いながら、歩き出したが、公園の端を右に曲がったところにある入り口から、
再びベンチのほうを見てみた。男性は同じ姿のままだ。ますます「凍死」という言葉が心に引っかかる。
「もしもしと声をかけに行けば良い」と自分の背中を押す声と、
「やっかいなことに係わり合いになりたくない」と怖気づいた気持ちが交差する中、
――もしかしたら、虫の息かもしれない。助けられるかも……。
というか、私、防犯パトロール隊員なんだから、やっぱり見過ごせない。
と、踏みとどまった。
私は、自治会の防犯ボランティアの中の「わんわんパトロール」に参加している。といっても、
特に決まった活動は無く、「わんわんパトロール」という腕章を腕にするか、バッグに下げるかして、
朝晩の犬の散歩をするだけなのである。私たちがうろうろすることが防犯になると聞いて気軽に
引き受けたのだが、とにかく、ここはなんとかしなくてはと思いだした。とはいえ、男性に近づいて
「第一発見者」になったなら、警察に追及されるかもしれない。一応、誰かと一緒が良さそうだと
見回してみるが、いつもならゴミ捨てがてらにおしゃべりをしている人たちがいるのに、生憎のこの寒さ、
さすがに誰もいない。犬の散歩中の人もいない。
〈そうだ民生委員の中山さん(仮名)がいいわ!〉と、私は道を戻り、公園の向かい側の中山さんのお宅の
呼び鈴を押した。
すぐに出て来てくれた顔見知りのご主人に吠えかかるポチを片手に抱え、片手で公園の方を差しながら、私は、
「男の人が公園のベンチで寝ているんです、この寒さに。なんか変で……」
と、話すと、中山さんがキッとした顔になった。私と同じ懸念を持ったに違いない。中山さんはすぐに、
公園のベンチにずんずん歩み寄っていったが、私は何が待ち構えているかと足が進まず、申し訳ないが
道路に突っ立ったままだった。
中山さんが上から覆いかぶさるように声をかけると、男性がむくりと起き上がった!
――生きているんだわ!
ただ、寝ていただけだったのか……。
若者はそのままベンチから動かずにいたが、中山さんはにこにこと戻ってきた。
「本人が大丈夫って言っているから、大丈夫でしょう」
「朝まで飲んで、公園のベンチでごろっとしてしまったのかな?若いですねえ」
そして、中山さんと、
「何事もなくて、良かった、良かった」と、言い合ったけれど、私の空回りに朝から中山さんを
巻き込んだ気恥ずかしさが残った。待ちかねたポチを連れ、私はそそくさと歩き出した。それでも、まだ気になって、
――こんな寒いのに、朝から公園で寝ないでよ……。
でも、本当に大丈夫なのかしら?
と、むかっ腹と心配が綯い交ぜになった視線を公園の若者に送ったが、彼はまるで籠っているかのように
俯けた顔をコートの襟に埋め、背中を丸めてじっとベンチに座り続けていた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夜は、真央ちゃんと美姫ちゃんの対決を見たよ~。
美しい~。(^^)
そろそろ年末の大掃除なんだけれど・・・明日出来ることは明日にして、
とりあえず、年末年始の巣篭もり準備っと。
ウィステのお正月は、巣篭もり正月だね。寝正月とも言う。
そこで、必需品を用意しに、図書館へ=本を8冊借りてきたよ。(^^)
帰りにスーパーに寄ったら、お正月のお節関係が沢山並んでいたけれど、
買うのは、もう少し待って、お野菜類を買ってきたわ。
外は寒いし、早速、ぱらぱらと読み出したけれど・・
救急救命センターの話は、・・・なんか重くなってきた。
林真理子の軽いエッセイ集で、お口直しね・・。(^^)
そこで、今日は、昨シーズンの寒い朝のエッセイを・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「懸念」
厚いコートを羽織り、首筋はしっかりマフラーで守った。
「おまえさんの散歩じゃなければ、こんな朝に外を歩くなんて、ごめんだわ」
ぼやく飼い主をよそに、ポチはいさんで電信柱や石垣の角へ飛んでいく。
家の前の坂を上がった所の公園に沿って左手に曲がると、座りながら上体をベンチに
横たえている男性が見えた。地面が白く光っている寒い公園で、朝の七時から寝ているとは、
いったい何事だろう。ベンチの回りをさっと見るが、荷物はない。それならホームレスでは
なさそうだ。まだ若そうだし、学生かもしれない。
――もしや、酔って公園で寝込んで、凍死した……?
一昨年亡くなった父の臨終の顔が浮かんだ。血の気が抜け白く固まったあの顔をまた目の当たりに
してしまったらどうしよう。親の顔だから見詰められたけれど、通りすがりの他人の顔だったら……と思うと、
ベンチに近寄って確かめるのが怖い。
立ち止まって公園の中を覗う私の手のリードをポチが引っ張った。早く先に行きたいのだろう。
どうしたらいいかと迷いながら、歩き出したが、公園の端を右に曲がったところにある入り口から、
再びベンチのほうを見てみた。男性は同じ姿のままだ。ますます「凍死」という言葉が心に引っかかる。
「もしもしと声をかけに行けば良い」と自分の背中を押す声と、
「やっかいなことに係わり合いになりたくない」と怖気づいた気持ちが交差する中、
――もしかしたら、虫の息かもしれない。助けられるかも……。
というか、私、防犯パトロール隊員なんだから、やっぱり見過ごせない。
と、踏みとどまった。
私は、自治会の防犯ボランティアの中の「わんわんパトロール」に参加している。といっても、
特に決まった活動は無く、「わんわんパトロール」という腕章を腕にするか、バッグに下げるかして、
朝晩の犬の散歩をするだけなのである。私たちがうろうろすることが防犯になると聞いて気軽に
引き受けたのだが、とにかく、ここはなんとかしなくてはと思いだした。とはいえ、男性に近づいて
「第一発見者」になったなら、警察に追及されるかもしれない。一応、誰かと一緒が良さそうだと
見回してみるが、いつもならゴミ捨てがてらにおしゃべりをしている人たちがいるのに、生憎のこの寒さ、
さすがに誰もいない。犬の散歩中の人もいない。
〈そうだ民生委員の中山さん(仮名)がいいわ!〉と、私は道を戻り、公園の向かい側の中山さんのお宅の
呼び鈴を押した。
すぐに出て来てくれた顔見知りのご主人に吠えかかるポチを片手に抱え、片手で公園の方を差しながら、私は、
「男の人が公園のベンチで寝ているんです、この寒さに。なんか変で……」
と、話すと、中山さんがキッとした顔になった。私と同じ懸念を持ったに違いない。中山さんはすぐに、
公園のベンチにずんずん歩み寄っていったが、私は何が待ち構えているかと足が進まず、申し訳ないが
道路に突っ立ったままだった。
中山さんが上から覆いかぶさるように声をかけると、男性がむくりと起き上がった!
――生きているんだわ!
ただ、寝ていただけだったのか……。
若者はそのままベンチから動かずにいたが、中山さんはにこにこと戻ってきた。
「本人が大丈夫って言っているから、大丈夫でしょう」
「朝まで飲んで、公園のベンチでごろっとしてしまったのかな?若いですねえ」
そして、中山さんと、
「何事もなくて、良かった、良かった」と、言い合ったけれど、私の空回りに朝から中山さんを
巻き込んだ気恥ずかしさが残った。待ちかねたポチを連れ、私はそそくさと歩き出した。それでも、まだ気になって、
――こんな寒いのに、朝から公園で寝ないでよ……。
でも、本当に大丈夫なのかしら?
と、むかっ腹と心配が綯い交ぜになった視線を公園の若者に送ったが、彼はまるで籠っているかのように
俯けた顔をコートの襟に埋め、背中を丸めてじっとベンチに座り続けていた。
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夜は、真央ちゃんと美姫ちゃんの対決を見たよ~。
美しい~。(^^)