ほんわか亭日記

ダンスとエッセイが好きな主婦のおしゃべり横町です♪

「点滴」

2012-06-26 | エッセイ
2012年6月26日(火)

今日、カットに行こうと思ったけれど、土曜日のパーティで頭をお団子に
しようかと、行くのをやめ、一日、端布でシュシュを作っていた。
黒いのとか、赤いのとか・・。(^^)

さて、今月提出したエッセイは、先日の救急車騒動のこと・・・。
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「点滴」                               
 月曜日の朝、起きると喉がからからだった。お茶を飲むが、すぐトイレに
行きたくなる。体が水分を欲しているのに、体に吸収される前に外に出てしまうようだ。
十日ほど前からひいた風邪で、ここのところずっと咳が激しく、食欲もなかった。
特に昨晩は、一時間に一回くらいトイレに行くという頻尿状態で、体が干からび、
おそらく、脱水症状を起こしていると、見当はつく。時計を見ると、七時前。
かかりつけの医院が開くまで二時間、待てるだろうか。またお茶を飲み、トイレに行く
と、少しふらふらとし、手も震える。昨年末に娘婿さんが風邪から脱水症状になった時
には、突然体が動かなくなったという。娘が救急車を呼んで対処できたそうだが、
私は……。家の中で動けなくなったら、誰にも気づいて貰えないのだと、一人暮らしの
現実が突きつけられる。まだ動けるうちにと、携帯電話で一一九と番号を押した。
 近づいてくるサイレンの音を聞き、私は居間のシャッターを下ろし、玄関に鍵をかけ
歩いて救急車に乗り込んだ。車内の少し固いベッドに横になると、保護されたという
安心感が湧いた。けれど、救急隊員からかけられる質問に答えながら、
「こんなにしっかりしているなら、救急車を呼ぶほどでは無いと思われないかな」
とか、「いや、きっと肺炎までいったろう。このまま入院になったら、着替えとかどう
しよう」と心はふらふらしていた。救急隊員に、「ご家族は?」と、聞かれ、
子供たちは他県だし、こんな時にはと、弟宅に連絡を入れ、
「今、救急車で病院に向っている」と伝えると、
「え?おふくろじゃなくて、おネエが!」と驚いた様子で、すぐ来てくれるという。
病院の救急センターで問診を受けると、レントゲン、尿検査、血液検査の準備をするの
で廊下で待つように言われた。椅子にへたり込んでいると、じきに弟夫婦が着き、
義妹の紀子さん(仮名)の「お義姉さん、大丈夫ですか?」という声や、弟の
「おネエ、もう年なんだから無理するなよ」という声に囲まれ、
私は付き添う人が居てくれる安堵感に、余計体がぐったりしてきた。長椅子に横に
なっていると、このまま入院になってしまうような気がする。となると、今週会う
予定の方たちにキャンセルの連絡を入れなくてはと、紀子さんに頼んで、
私の携帯のアドレスから、火曜日の人、水曜日のサークルの人、木曜日の洋裁の人、
そして金曜日の人には鍵当番が出来ないとの連絡を入れてもらった。これで
ご迷惑をかけないで済むとほっとしたのに、弟に、
「おネエは遊びすぎ!もっと家に居なさい」
と、ここぞとばかり言われてしまう。どれも大事な私の生活のリズムなので、
「一人暮らしだから、出かけないと、鬱になってしまいそうなのよ」
 と低めの声でいちおう応戦してみた。
レントゲン、尿検査、血液検査の後は、救急センターのベッドに寝ることが出来、
弟たちも一旦家に引き揚げた。だから、若い研修医を連れた落ち着いたセンター長が、
ベッドサイドにきてくれたときには、私は一人で診断結果を聞いた。
レントゲンの結果、問題なし。
尿検査の結果、問題なし。
血液検査の結果、赤血球、白血球、血小板などの値が高い。これは、脱水症状の影響と
見られる。
肺炎や気管支炎は大丈夫ということでほっとした。脱水症状は覚悟していたが、
数値として示されると、つまりは血液がどろどろだったんだと実感し、血栓が飛ぶか
どうかだったんだろうかと恐ろしい。医師は、
「多分、これの副作用でしょう」と、近所の医院で貰っていた四種類の薬のうちの
一つ、気管支炎を防ぐと言われた薬を示した。
「量は少量ですが、まれにこれで副作用を起こす人がいます。あと、薬の飲み合わせで
吸収が……」と、説明を受けたが、私の頭は、「副作用」という言葉のところで
止まっていた。
土曜日から、朝、昼、晩と、合計七個飲んだ小さなカプセル。これが、こんな騒ぎを
起こしてくれたのか。いや、風邪で体調を崩していたし、年ということもあるし、
飲まなくちゃ気管支炎になっていたかもしれないしと、カプセルの味方をしてみたり、
犯人はこのカプセルで私は被害者ですと言いたくなったりと、セットされた点滴の袋を
見上げながら、気持ちはうろうろとし続けていた。
 二時間の点滴を終え、紀子さんに付き添われて家に戻ってきて、朝っぱらからの
救急車、さぞ近所迷惑だったろうと、お向かいさんに電話をした。彼女は心配して、
救急車に、何か手伝うことは無いかと申し出てくれたそうだ。お隣にも挨拶に行くと、
お隣は念のためとブロック長さんにも連絡をしてくれそうだ。私は、ご近所のふんわり
したネットワークに包まれている実感を胸に、ブロック長さんへご挨拶の電話をかけた。
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今はもうすっかり元気・・・。(^^)
でも、そろそろ来月のエッセイの宿題を書かなくちゃならない。
エッセイの種、ないかなあ・・・。種、や~い・・。

コメント
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