ほんわか亭日記

ダンスとエッセイが好きな主婦のおしゃべり横町です♪

「千八十円の謎」

2017-05-22 | エッセイ
2017年5月22日(月)

咳がなかなか止まらない。薬が切れかけたころに、ゴホッ、ゴホッっと出る。
どのくらい直ったのか、良く分からない。それで、また、お医者さんへ
行った来たんだ。
でも、マンションの外に出たら、うわ~、真夏日のよう。
上着も着ずに出てきたウィステ。でも、向こうから歩いて来る人達は、
帽子を被ったり、日傘を差したり、日焼け防止に、長袖、綿のマフラーと、
完全防備・・。
しまったわ・・。
強い日差しの下、とぼとぼと歩いていたら、歩道の日蔭で、友人が、
誰かとおしゃべりをしていた。ウィステは、手を振って、お医者さんへ。
又、咳止めをもらいました。
スーパーへ寄るのを止めて、マンションへ帰る途中で見たら、友人は、まだ、
楽しそうにおしゃべりをしていました。(^^)
さて、今日は、先週のエッセイサークルに出したエッセイを・・・。
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「千八十円の謎」

 新年から「英語でポップスを歌う会」に入会した。若い頃うろ覚えで口ずさんだ憧れのポップスを習えると、
月二回の練習日を心待ちしている。だが、二か月ほどたった練習日に、会場の公民館のロビーで
開室時間を待っていると、やって来た役員さんに、
「あら~、あなた~、やっと会えたわ~」と、声を掛けられ、私が、会費袋に、二月分の会費二千五百円と
一緒に入れた、千八十円について、「これ何でしょう?」と、尋ねられた。私は、なんで聞かれるのと、戸惑い、
「えっ?それは、一月三十一日の合同サークルの交流会の会費ですが……」
 と、答えた。先生が指導されているコーラスグループ、三サークルの発表会が、市の音楽ホールの一室であり、
私は、入会したばかりだったが、お仲間とお知り合いになりたくて、参加したのだった。ところが、役員さんは、
「あの交流会と、こちらの会は、会計はまったく別だから」
 と、おっしゃる。確かに、自由参加とは、言われていた。
「そうだったんですか。あの日、椅子利用料二百円というのは、その場で集めたんです。
それで、先生の説明で、当日の会費の千八十円は、それぞれの会に戻ってから、払って下さいって
ことだと思ったんですけれど……」
 と、事情を説明したが、役員さんは、
「私は、欠席したから、なんとも……。それに、その日の会計報告は、もう回っていますよ。
〆ているから、もういいんじゃないの?とにかく、お金は、お返ししますね」
 と、袋に入った千八十円を渡された。
 役員さんのほうは、これで余分なお金が手元から無くなって、すっきりしたようだが、私は、
納得が出来ないままだ。バッグのファイルに入れておいた当日のパンフレットを取り出してみると、
表紙には、ちゃんと、「千八十円」と、私の字で、書き込みがある。
 それを見せても、役員さんは、「さあ、分からないわ」と、取りあってくれず、さらに、
「それに、留守電に、お金の件で、連絡下さいって、入れたのに、電話をかけてこないから、
どうなっているのって、思っていたのよ」
 と、付け足された。ご迷惑をおかけしたようなので、私は、
「すみません。私、留守電って、チェックしないんですよ。いつも子機を使っていて、親機は、
棚の高いところに置きっぱなしで……」
 と、急いで、謝った。
 とにかく、この千八十円は、どうしたら良いのだろう?
 これは、先生に直接お支払いするものだったのかしらと思いながら、
「う~ん、当日参加された方たちに、どうされたのか、聞いてみます」
 と、話を終わらせた。
 利用時間が来て部屋に入り、椅子に座ると、隣に、あの日、一緒に参加したAさんが来たので、
パンフレットの「千八十円」の字を示しながら、聞いてみた。だが、返事は、
「当日二百円円、払っただけ。千八十円って、聞いてないですよ」と。
 そうなのか……。では、私は、なんで千八十円払うと思い込んでしまったのだろう?
 いや、あの時、八十円分の消費税もかかるんだと、思った記憶がしっかりある……。
 先生の言葉の何を、脳内で、千八十円と、変換してしまったのだろうか……?
 千八十円と、似た言葉って、何?
 なんか、訳が分からない!
 メモを取ったり、カレンダーに書き込んだりと、物忘れ対策を取っている事に、どこか安心して、
「書き込んだことを見ることも忘れてしまったなら」と、先々の仮定として、友人たちと笑っていたが、
その前に、意味不明な書き込みをするようになるのか……?
 私は、これから降りていく長い長い下り坂が目に浮かび、自分が思っていたより、遥かに下りて
きていたのかと、胸がざわついた。
 千八十円は、私の勘違いと、財布に戻した。
 家に戻り、すぐ、固定電話の親機を見てみた。だいたい、留守録があると、ランプがぴかぴかするので、
高い所に置いておいても、けっこう目立つ筈なのに、それにも気づかなかったのかと、思ったが、
留守録があるというランプが点いていない。つまり、留守録は、無い。しかし、役員さんは、
留守録に入れたと言っていた。すると、彼女の音声は、いったいどこのどなたの番号に吹き込まれたのだろう?
 お互い、少しずつキテイルお仲間だなあと、私は、会に、もう一歩馴染めた気がした。
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物忘れは、もうしょうがない。
でも、記憶を”創作”していっているのかと、ぞぞっとしましたね・・。(^^;)





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