ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

阪森郁代「ランボオ連れて風の中」弾むかなしみ

2012-12-09 06:00:37 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
空の中より湧き出づるかな鳥のこゑ消えゆくところはた空の中

この「はた空の中」の「はた」は「あるいは」とか「はたまた」とか他の可能性を残す言葉だ。つまり作者にも答はない。鳥のこゑは神の声だ。だからこそ、空の中より湧き出づるし、はたと空の中に消えるのだ。ミモザの坂を下った家族。その家族の中にいる作者はこのこゑに強く祈っただろう。