ぶらつくらずべりい

短歌と詩のサイト

大橋麻衣子「シャウト」真夏のディズニーシーで

2011-06-28 05:48:39 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
生きていた時よりも距離は縮まりて手の平にのる蝉を見ている

死んだ蝉にこそ、自分に近いと感じる。もはや、がなり立てるように鳴く時間は終わり、死んだように生きるのか。どちらにしても悲しい。

短歌人7月号

2011-06-28 05:47:59 | 平成23年短歌人誌より
渦巻ける言葉をよそに色褪せたカーテンのよに立っていただけ

全身の羽を毟った鶏のようなあなたを煮込んで食べる

冬物のコートにあったどうしても渡したかった遅延証明

海であり雲になり川だった水。製氷機から落下している

過ぎ去っていった君との歳月をティッシュのように記憶している

春近き朝の山では頂上の木だけはっきり姿が見える

短歌人6月号「君ははるかな」森谷彰、同人2

2011-06-27 04:55:17 | 平成23年短歌人誌より
苦しむだけかわいそうだったか、弟の死を諦める理由をさがす

死は諦める理由がいる。受け入れるしかない事実なのだが、理由がなければ次の過程に進めない。特に苦しんだ場合は後悔してしまう。私は「弟」に特別な思いがあるから、個人的に感情移入してしまう。

大橋麻衣子「シャウト」真夏のディズニーシーで

2011-06-27 04:54:43 | クンストカンマー(美術収集室)短歌
次々と暗き排水溝めざすシャワーの水にためらいはなし

この一首も前々日と同じで中途半端がキーワードだ。暗い排水溝は怖いはずだが、躊躇いはない。その姿に憧れている。水を擬人化していることからも自分に引き付けていることが明らかだろう。