元ライターの小説家への道

僕もまだ本気を出していません。

一通のメール-中篇-

2007年06月15日 00時51分40秒 | 日々雑感
 毎日会社で

をムシャムシャ食べている。将来、禿げなければ良いなと思い、美味しいなと思い、白髪が減ればなと思いながら食べているが、四六時中口の中に入れているせいか虫歯になった。
 ハゲか虫歯かどちらが嫌だ!と聞かれれば、僕はハゲの方が嫌だと言うと思います。

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 スパム評論家として名を馳せつつある僕のメールアドレスには、誇張なしに日々100通を超えるスパムが舞い込む。



 このスパムを削除するのを日課とし、面白タイトルを漁っては削除、漁っては削除を繰り返していたある日、一通のタイトルに目が止まった。

「インド旅行記、拝見しました。」

 僕が以前書いていた旅行記を読んでくれた人からのメールだ。メルマガで発行していた時も多くはなかったが、時々ファンメールをもらった。今はメルマガを発行していないので、ホームページに載せているインド旅行記を読んでくれた人からだろう。

 僕は久しぶりのファンメールにマウスカーソルを重ね、クリックした。するとメールの本文と共に、画像ファイルが2枚添付されている。僕はメールの本文に目をやる前に、1枚の画像ファイルをクリックした。

 するとそこには芝生の上で足を伸ばし、苦々しい顔をした外国人男性が写っていた。誰だろう…。中東系の顔付きに見えるが、定かではない。メールの送り主?僕は本文を目で追った。

 本文にはインド旅行記を読んだことと、実際にインドに行ったこと、そしてコンノートプレイスでトルコ人と出会い、スリナガルに行ったと書かれていた。これは僕がスリナガルに騙されて連れて行かれ、ハウスボートに軟禁されたのと同じ手口だ。

 そのトルコ人とは僕を騙したディンではなかろうか?僕は自分の旅行記に載せた写真を眺めた。



 僕のイメージするディンは整った顔立ちをしており、人に気遣いもできるナイスガイだった。この写真とメールで送られてきたトルコ人は顔が違うように見える。いや、しかし…。

 メールには、こうも書かれていた。そのトルコ人と一緒にスリナガルに行ったため、騙されて連れていかれたと言う確証がなかった。名前がディンかは定かではない。だが決定的な出来事が書かれていた。これはディンに間違いない。

 僕はスリナガルに監禁され脱出したのが2000年2月22日、メールをくれた方がトルコ人と出会ったのが2000年2月22日。そして一緒にスリナガルに行ったのが翌日。これは偶然ではないだろう。ディンよ…やはりお前は俺を騙していたのだな。僕はもう一度、メールに添付されていた写真を見た。



 顔のイメージが異なる気がするが、服装とサングラスがほぼ同じだ。間違いない。僕はメールをくれた人に返事を書いた。これはディンではありませんか?と…
コメント (6)
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