座敷大人-その３-

「＜南海トラフ地震被害想定＞「揺れたら逃げて」和歌山・静岡」

　どこに？

---

　これは座敷童子とはちがうものだと思う。夜中に自分の部屋でパソコンをパチパチやって、さぁ寝ようと思った時のことだ。隣の真っ暗闇な寝室に行こうとすると、部屋の中央に身長180センチくらいの透明な男が立っていた。ような気がして、思わず「おわっ！」と声を上げてしまった。

　感覚としては、誰もいないなぁと思っていたら、実は背後に人がいて「おわっ！いたのかよ。あー驚いた」という感じ。もちろん我が家にそんな人はいない。透明な男と書いたが、あまり的確ではないな。何もないんだけど、輪郭と言うか存在感だけがそこにある感じ。年の頃は三十代で濡れていたような気がする。

　確かに何かを見た気がするけど、今では僕の気のせいだと思っている。恐らく、そういうのを信じている人は「霊を見た」と大騒ぎしたり、お祓いしてもらったりするのかなぁと思った。座敷大人を見たのはその一回だけだ。