元ライターの小説家への道

僕もまだ本気を出していません。

終の信託を見た

2012年10月30日 23時45分22秒 | アレコレ鑑賞
「米大統領選 ハリケーン影響は」

 まさか俺の仕事がハリケーンの影響を受けるとは。

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 周防正行監督の「終の信託」を見た。周防監督は好きな監督なので、評判なんてどーでもいーやと、どんな映画か知らずに見に行った。

 この作品は尊厳死に関して語った作品。と思われがちな気がするが、僕は検察官のあり方に重きをおいた作品だと思っている。周防監督の「それでもボクはやってない」では痴漢冤罪を通して、裁判官のあり方を描いていた。「終の信託」も、そんな位置づけの作品だ。

 所詮、現場を知らない検察官が判断を下すのは酷なことなのかもしれない。恐らく検察官もそれを分かった上で捌きを行っているという辛さ。じゃあどうすれば良いのかとなった時に、被疑者本人が気をつけるしかない。どう気をつけるのか?この映画を見て学びなさいよ。というメッセージを僕は受け取った。後味が悪い映画だけど、僕は好き。それによりメッセージが強くなる。

 観客の多くはあの尊厳死をどのように見たのだろうか。呼吸器を外して楽に死んでいくのかと思いきや、患者は大暴れ、結局薬殺のような事が行われた。患者は医者が好意でやったことを知っているから、医者に同情するかもしれない。しかし、家族の立場からすれば医療ミス、もしくは殺人行為と思うよな。

 好意があれば人の命を絶って良いのか。どんな状態であれ、人が殺されたのだ。あれ、あの嫌な検察官と同じ考えになってきたな。どの立場に身を置くかは好き嫌いに任せようか。

 ちなみにこの映画はPG-12だが、あってもなくても良い草刈民代の性描写が引っかかったんだと思う。普通なら年齢制限がない方が観客動員数を見込めると思うのだが、あえてPG-12にすることにより、宣伝効果を狙ったのではないだろうか。
 


終の信託 (光文社文庫)
クリエーター情報なし
光文社
コメント
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