中山道ひとり歩る記(旧中山道を歩く)

旧中山道に沿って忠実に歩いたつもりです。

・芭蕉の道を歩く
・旧日光街道を歩く

草津宿本陣と立木神社(旧中山道を歩く 322)

2012年05月09日 10時01分26秒 | 7.近江(滋賀県)の旧中山道を歩く(285~3


(草津宿高札場の案内)

(草津宿 2)
トンネルを抜けると草津宿であった。トンネルの上は草津川で、
トンネルの天井は、草津川の川底に当たる。
トンネルの出口左手に追分道標があり、右手に高札場が置かれている。
草津宿の入り口に当る。

左手の追分道標には
「左 中仙道みのみち、右 東海道いせみち」
(京都側から見る道標)とある。
ここで中山道と東海道は合流する。
この後は東海道を歩くことになる。


(復元した高札場)


(左手の追分常夜灯)

道標の先の草津市民センター「公民館」がある。
お手洗いに御用の方はここで済ませよう。
東海道を進むとすぐ右に本陣らしき古いが立派な家がある。
「史跡 草津宿本陣」である。
寛永12年から明治3年の本陣廃止にいたるまで、大名、幕府役人、
勅使などが、小休止や宿泊を担った。
江戸期の姿をほぼ残し、公開されているので、
是非見学されたい。
入館料は草津宿街道交流館と合わせて320円である。


(草津宿本陣)


(本陣の入り口、細川越中守宿の関札が目に付く)

本陣げんかんへ向うと、入り口に関札(細川越中守宿)が目に付く。
玄関まで玉砂利を踏んで進むと、
途中元気よく「いらっしゃいませ」の声がかかる。
入館料を払うと、案内をしてくださる。
うるさいほど詳しくも無く、そうかといっていい加減でもない。
玄関の広い式台を上がると、関札が沢山並べてある。
宿泊者が持参する自分の名乗りである。
「松平出羽守宿」「細川越中守母休」「毛利安房守宿」
「出雲少将宿」「近衛殿御休」などなど。
赤い絨毯(レッド・カーペット=国賓級の最高のおもてなしを表現)
が敷かれた中央の畳廊下を進むと、
途中で一段、段を上がる所に御簾が巻き上げてあり、
ここから奥になる。
御簾が下げてあると、本陣の主人といえども奥に進めない。
一番奥の左手に「上段の間」があり、
その奥の左手に上段用雪隠(おてあらい)が、
右手に御湯殿がある。
本陣の裏手には、敵に襲われたときのことを考え、
脱出できる裏門が用意されている。

(島崎藤村「夜明け前」に、
書かれた本陣としての要件の一つ、裏からの脱出口。)


(草津宿本陣、江戸時代に思いを馳せて・・)


(沢山ある関札。本来は一枚だけを掲げる。この本陣には沢山あるといいたいのだ)


(畳廊下にレッド・カーペット(最高のもてなしを意味する)


(一番奥にある上段の間、一段高くなっている)

東海道を進むと左に草津観光物産館の「脇本陣」があり、
その先草津宿街道交流館がある。
料金が払ってあるので入館する。
草津宿がわかる歴史館になっている。
その先左手に問屋場跡がある。
草津宿は東海道と中山道の追分宿になっているので、
荷物の量も多く、仕分けも大変だったと思われる。
人足や馬に積む荷物の重量も決められていたので、
重量オーバーにならないか、重量検査を行う貫目改め所があった。
他に中山道では板橋宿と洗馬宿に、
東海道では品川宿と府中宿に設置されていた。


(脇本陣跡、草津観光物産館になっている)


(草津宿街道交流館)


(問屋場、貫目改め所跡)

東海道を進むと程なく(立ち木神社前)の信号があり、
道路を渡った右向こうに赤い鳥居が見える。
近づくと、赤い鳥居の前に川があり、橋が架かっているが、
その橋に赤い旗が風になびいている。
旗には、「初宮まいり」「安産祈願」「交通安全」「厄除け開運」祈願と、
書かれている。およそ人の願いを全て網羅した祈願、
全部叶えて下さるのなら、賽銭も安いものだ。


(立木神社前の信号)


(欲張りな四つのお願いの旗がはためく)


(狛犬に替わって鹿、「御神鹿」とある)


(御神鹿2)

立木神社に入る。狛犬の代わりに鹿がいる。始めてみる鹿の狛犬である。
浦和宿には、調(つき)神社に、ウサギが狛犬の代わりをしていた。
とても珍しい、始めてみた。御神鹿と書いてある。

滋賀県の指定自然記念物に指定された立木神社のウラジロガシがある。
神社も立派なもので、
これならいろんな願い事を全て聴いてもらえそうである。
狛犬に替わる鹿が神殿前や門前に建っている。


(天然記念物のウラジロガシ)


(本殿とその前の御神鹿)

境内に石の道標がある。草津市の指定文化財になっている。
石の道標は、風化して文字がよく読めないが、
説明によると、(以前草津の追分にあった石造り道標らしい。
「ひだりは中せんどう をた加みち 京みぶ村 万宝院 あしだの行者」と
書いてあるようだ。
道標の建立年代は、「延宝八庚申年」と刻銘にあり、
滋賀県下で最も古いものです。 ――後略)(草津市教育委員会)

立木神社を出て東海道を行くと、「矢倉橋(やぐらばし)」にでる。


((滋賀県下最古の道標)


(立木神社西門)


(矢倉橋)