中山道ひとり歩る記(旧中山道を歩く)

旧中山道に沿って忠実に歩いたつもりです。

・芭蕉の道を歩く
・旧日光街道を歩く

願興寺と愚渓寺(旧中山道を歩く 236)

2011年04月03日 11時29分45秒 | 6.美濃(岐阜県)の旧中山道を歩く(210~2
2011/3・11の東日本大震災で被災された方々にとって、
春はまだ遠いかもしれません。
避難生活をされている方々に、
 少しでもお役立てたらという願いを込めてお届けします。





(商家竹屋)


(本陣跡)


(中山道みたけ館)


(願興寺)

(御嵩宿 4)
2010/11月30日 ホテルを出て快晴の秋空のもと、
今日も一日絶好のハイキングの日である。
名古屋鉄道(通称 名鉄)「御嵩駅」を降りる。

道路を挟んで目の前が願興寺である。
お寺の向こう側が「中山道みたけ館」その隣が「御嵩宿本陣跡」。
そしてその横に「御嵩宿商家竹屋」がある。

残念ながら本日定休日の看板が掛かっている。
朝が早い所為だろうか? もう9時になっているのに・・・
そうだとすれば、昨日入っておくべきであった、と悔やまれる。

やむを得ず「大寺山 願興寺」に入る。
朝早いせいであろう、お寺はがらんとしている。

願興寺によれば、
(815年伝教大師(最澄)によって創建されたという天台宗の古刹である。
二度にわたる兵火により本堂等は消失。
幸いにも本尊・薬師如来像をはじめ諸仏像は焼失を免れた。
本堂も地頭・纐纈源吾盛康(こうけつげんごもりやす)によって再興され、
二度目の焼失後も近在の農民・玉置与次郎と市場左衛門太郎らの発願により、
素朴な造りであるものの、
板一枚、柱一本を持ち寄って見事再建される。
この辺りでは通称「蟹薬師」で呼ばれている。)(大寺山願興寺)

そのいわれは、その昔一条天皇の皇女である行智尼(ぎょうちに)が、
ここに庵を結んで間もなく庵の西南にある大池から、
蟹の背に乗った金色の薬師如来仏が池の面に浮かばれた。
これを薬師如来像の胎内に納めて、
本尊蟹薬師として願興寺を建立した、と言う。

願興寺には本堂を取り巻くように広い回廊があるが、
東山道を旅する人々に夜露をしのげる場所を与えたであろうと推定されている。
本堂は国の重要文化財に指定されており、
古刹とは言うものの、回廊は床が抜けそうに感じた。
また、鐘楼門は県の重要文化財に指定されていて、
周りの紅葉に囲まれて、見るからに荘重な鐘楼門であった。


(願興寺本堂の回廊)


(本堂の回廊2)


(本堂の回廊3)


(本堂の回廊4)


(紅葉に包まれた鐘楼門)

中山道は、願興寺が枡形の角になり、
道路は右にそしてすぐ左へと曲がる。
辺りは宿場らしい古式豊かな家が点在して、
すこし進むと突き当たる形となり右折する。
道路を郵便局があるところまで入ったら、
行き過ぎになるので引き返すこと。

ここが第二の枡形で、
次の信号で国道21号線を左折するのが旧中山道である。
しかし、京都の龍安寺の石庭のもととなった庭で知られる愚渓寺を訪ねるので、
この信号を右折する。


(願興寺の枡形)


(宿場らしい古い家)


(次の枡形)


(国道21号線の信号に出る手前右側に常夜灯がある)


(国道21号線を右折した最初の信号愚渓寺の案内が小学校の看板の下のほうに見える)

右折後最初の信号の角に、「御嵩小学校」の看板があり、
その下に小さく「大智山 愚渓寺」の案内があるので、
左折し急な坂を登ると、右手中腹に愚渓寺が見える。

石柱に「大智山 愚渓寺」と大書してある。
東海地方では名だたる名刹であるという。
この石柱の反対側には、大きな石灯籠があり威圧感を感じる入口である。
愚渓寺は大変美しいお寺で、手入れが行き届いていて、
沢山の参拝客があるらしく、
門前には駐車場があり、
その先に御嵩町が見渡せる。


(愚渓寺の入口)


(門前の駐車場から見た御嵩宿)

入口となる門の前にも二基の灯籠が控えている。
門の内側には、観音立像が手招きしているように待っている。
中に入ると、龍安寺の石庭の原形となった庭園(枯山水)が、
観るものの気を引き締める。
掃き清められた白い砂の中に、
九個の臥龍石が残されている。

この庭は一体何を表わしているのだろうか?
心が求める真理を表わしているのだろうか?
心を慰める豊かさを表わしているのだろうか?
あるいは極楽浄土を表わしているのだろうか?

石庭の横の庭に、菩提樹の木が植えられていたが、
お釈迦様が悟りを開いた菩提樹を意味するものであろう。
健康と安寧をお祈りして退出した。


(愚渓寺の山門)


(観音立像)

0060
(愚渓寺の臥龍石庭)

(菩提樹)

愚渓寺を出て、国道21号線をひたすら西に急ぐと、
右手に幟旗がひらめく場所に出る。

「鬼の首塚」である。


(鬼の首塚)



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2 コメント

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調べ物をしていて辿り着きました。 (庭や)
2012-09-14 19:29:55
調べ物をしていて辿り着きました。

いきなり失礼いたします。

愚渓寺を参拝された時にはすでに本堂も新しく新築されていたと思います。

その中庭も枯山水の庭ですが現代感覚で造ったものでまた行く機会があれば是非覗いてみてください。

ご住職無もお喜びになると思います。

当方、作庭に関わったので手前味噌ですが、当寺ににあった既存の材料で作り、味があるものに仕上がったと思っております。
返信する
庭屋さん (hide-san)
2012-09-15 10:32:14
庭屋さん

コメントを有難うございました。
枯山水の庭を現代感覚を取り入れて、
作庭されたとのこと、機会がありましたら、
拝見させていただきます。

父の実家が岐阜県にあり、折を見てお邪魔させていただきます。
有難うございました。
返信する

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