下の文は何んと読むという嵯峨天皇の質問に、
子子子子子子子子子子子子
小野篁(おののたかむら)が即座に答えた。
「ねこのこ こねこ ししのこ こじし」
という話は様々な書物に書かれていて有名だ。
同じようなものとして、江戸時代に流行った地口狂歌の一つに、
山王の桜に猿の三下がり合の手と手と手手と手と手と
というのがある。
「三下がり」は猿が三匹、手をつないでぶらさがっている様子と三味線の弾き方の名称とが懸けられている。
加えて、下の句の「手と手と手手と手と手と」は三味線のリズムになっている。
NHK教育テレビで放送中の「いないいないばあっ!」の中で歌われる『おててとてとて』。
おててとてとててとてとて
みてみておてててとてとて
ぷくぷくおててふわふわおてて
ごつごつおてて
みんなので みんなので
(作詞:小峰公子 作曲:吉良知彦)
同音の反復は子どもにとっては親しみやすい。
小さいころ唄った「からかい歌」の一つ。
みかん きんかん 酒のかん
親のいうこと 子がきかん
親父の折檻(せっかん) 嬶(かか)きかん
相撲取り裸で風邪ひかん
橋の欄干 屋根葺(ふ)かん 犬は糞して 尻ふかん
同音の反復は不思議なリズムを生み出す。
ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なるひとひらの雲 /佐佐木信綱
「~の」の反復によって、カメラがクローズアップしてゆくように、大きな景色から塔の上の一片の雲に焦点があてられる。
晴れわたった明るい秋の情景だが、一片の雲は流れ去り、秋は過ぎゆき冬となるのだなあという寂しさもある。
それが薬師寺と融合して「寂滅為楽(迷いの世界から離れた心安らかな悟り)」の境地に達する。
心は「空」。
さわやかな秋になった。
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