旧暦で、今日が五月一日(皐月のついたち)。久々の晴天!
五月雨の降りのこしてや光堂 /松尾芭蕉『奥の細道』
旧暦の四月末に江戸を旅立った芭蕉が、五月十三日に平泉の金色堂(光堂)に拝観して詠んだ俳句である。
五月雨(さみだれ)はちょうど今自分に降る雨だから梅雨ということになる。
【解釈】激しい五月雨に耐えて金色堂がなんと美しく輝いていることよ。
昔と変わらず美しく輝く金色堂を観て、芭蕉は藤原氏三代や源義経主従の「榮耀一睡」の夢に思いを馳せる。その時に詠んだ俳句が、
夏草や兵どもが夢の跡
五月雨や上野の山も見あきたり /正岡子規
明治三十四年、死の前年の作。身動きもままならない病床にあった子規は、降り続く五月雨と上野の山を毎日のように見ていた。
じめじめとした梅雨は体調にも差し障ったのだろう。
それだけに、五月雨の合間のからりと晴れた青空=五月晴れはうれしかった。「五月晴れ」を詠んだ句が実に多い。
五月晴や窓をひらけば上野山
見えそめて青雲うれし五月晴
花札で五月は「菖蒲に八橋(やつはし)」。
「菖蒲」は「しょうぶ」と読まずに「あやめ」と読む。
しかし、花札に描かれているのはアヤメではなくカキツバタである。
なんともややこしい。「ショウブ・アヤメ・カキツバタ」の花はよく似ている。
花びらの付け根が白いのはカキツバタ。黄色いのはショウブ。黄色と白がアヤメ。
三つの花は梅雨の時期に咲くのだが、この「柳に蛙」の方が梅雨にびったりの絵柄のように思える。
しかし、これは十一月の花札。
傘をさしている人物は書道の名人の小野道風。
なぜこれが十一月なのかは謎?
五月晴れのようには、スカッとしない!
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