CM見てて気になっていたアメリカン・スナイパーを観て来ました。
ズッシリ来る映画なんやろな…と思ってたのですが、想像以上にズッシリ来ました。
見終わった感想としては、やはり戦争なんてしないに越したことはないな、戦争してる連中はみんなコレを観ると良い。
だからといって、反戦映画かというとそうとも言い切れない、不思議な映画でした。
クリント・イーストウッドって爺さんはスゲェな。
以下、いつものようにネタバレ的な事を書いてますので、まだ観てない方は観るのを止めましょう。
あと、観に行く前に色々調べるのも止めておいた方が良いと思います。
事前情報が少ないほど、映画として楽しめると私は思います。
映画はCMにも出てきた子どもを撃とうとする場面から始まります。
で、引き金を引こうとしたところで、主人公クリス・カイルの幼少期から青年期、シールズに入るまでが描かれていきます。
その後はイラクへの4度の派兵の様子が描かれるのですが、ここからがかなりヤバい。
心臓が弱い方は止めといた方が良いんじゃないかというくらい手に汗握る戦闘場面が描かれています。
※この辺りがR-15指定の原因なのかな。
観てる方もヤバいのですが、主人公のクリスもどんどんヤバくなっていきます。
血圧とかが普通に座ってるだけの状態でも170-110とかになってたり、車運転してて後ろの車が異常に気になったり、生まれた娘が新生児室で泣いてるだけで取り乱したり…。
所謂、PTSDですね。
パンフの中でも書かれてたのですが、クリント・イーストウッドはこういうPTSDに悩まされる主人公を結構描いてますよね。
彼の映画で描きたいテーマの一つなのかも。
最後の従軍を終えて、奥さんや子どもの元に戻り、傷痍軍人や同じ様にPTSDを患った人を助ける活動をクリスは始めるのですが、皮肉にも助けようとした人に銃で殺されてしまいます。
映画を撮る直前での事件…、恐らくですが当初撮ろうとしてた方向とはかなり変わったんでしょうね。
そして、こんなことを言うと不謹慎だとは思うのですが、クリスが亡くなったことでこの映画は素晴らしいものになった気がします。
エンディングロール前の映像、無音のエンディングロール、私は観る前にクリスが亡くなっていることを知っていたので、そうでもなかったと思うのですが、コレ知らなかったら席からはなかなか立ち上がれない、それくらいの衝撃を受けるのではないかと思いました。
そういう意味で素晴らしい映画だったと思います。
これがアカデミー賞の作品賞とかにならないのは、アメリカで論争になっているからでしょうね。
そういう状態でも良い映画は良いと言えないといけないんじゃないかと思うのですがね。