社長輩出率ナンバーワン 「山形の強さ」の秘密
(日刊ゲンダイ2010年9月9日掲載)
社長に向いているのは「山形県人」?
民間調査大手の東京商工リサーチにより、社長を輩出している確率が最も高いのは、意外にも山形県であることが分かった。フツーは、東京や大阪と思うだろう。実際、東京都出身の社長の数は8万383人と全国1位。2位は北海道(4万7359人)で、大阪府(4万5279人)は3位。ちなみに山形(人口約118万人)は人数では1万5201人で24位。
しかし、出身地別の社長数が各都道府県別の総人口の何割を占めているかを表した“輩出率”で見ると、山形が1.28%と、香川県の1.21%、徳島県の1.19%を抑えてトップに躍り出た。
山形を代表する社長は、ブリヂストンの荒川詔四氏、共栄火災の杉山健二氏、東北電力副社長を務めた総合電気工事のユアテック(東証1部)の大山正征氏、パチンコパーラー全国3位「ガイア」の荒井晃広氏、伝統工芸で世界が認める天童木工の加藤昌宏氏などがいる。それにしても、なぜ山形がという疑問がわく。おしんのような辛抱強くて、忍耐力が武器になっているのだろうか。
●関西的な“ノリのよさ”
東京商工リサーチ経済研究室の関雅史氏の分析はこうだ。
「山形は実直、勤勉という県民性に加えて、“伝統工芸品の宝庫”と称されるほど家内工業が盛んです。江戸時代は北前船交易で、酒田などが栄え、物資が行き交う要衝になった土地柄だけに、東北地方に共通した“じめじめした暗い”感じがなく、むしろ関西的なノリのよさがあるといわれている。人口が少ないにもかかわらず、企業トップが多いのはこの明るい気質によるのかもしれません」
政界では自民党の加藤紘一元幹事長が鶴岡出身だが、いまでもトップになれていない。
2位の香川県出身のトップには、九州電力の眞部利應氏、三菱UFJ信託銀行の岡内欣也氏、四国電力の千葉昭氏らがいる。3位の徳島県では、船井電機の林朝則氏、東亜合成の橋本太氏、博多大丸の森川善博氏らだ。
「香川県の気質は“へらこい”といわれ、要領のよさにある。だから他の地域ではやったものをすぐに取り込んでビジネスに結びつけるのが得意。“目先が利く”という商売上手な気風が経営者向きの人材を育てていると思われます。徳島県人は、元手を増やそうとする気質が経営者に向いているのではないでしょうか」(前出の関雅史氏)
●首都圏3県は全国ワースト3
一方、もっと社長の輩出率が高くてよさそうな神奈川県は45位(0.36%)、千葉県46位(0.28%)、埼玉県47位(0.26%)と全国でワースト3。
どうしてこうなるのか。これら3県は東京のベッドタウンであり、サラリーマンが圧倒的に多いため、社長の比率が下がっている。
東京都は37位(0.62%)と、こちらも下位。首都圏は地方と比較して人材的に豊富だから、社長輩出率がもっと高くていいはずだ。
日本経済の落ち目の原因に、こうした事情が深く影を落としているのではないだろうか。
へぇ~、とおもしろい記事だったので紹介してみました。


(日刊ゲンダイ2010年9月9日掲載)
社長に向いているのは「山形県人」?
民間調査大手の東京商工リサーチにより、社長を輩出している確率が最も高いのは、意外にも山形県であることが分かった。フツーは、東京や大阪と思うだろう。実際、東京都出身の社長の数は8万383人と全国1位。2位は北海道(4万7359人)で、大阪府(4万5279人)は3位。ちなみに山形(人口約118万人)は人数では1万5201人で24位。
しかし、出身地別の社長数が各都道府県別の総人口の何割を占めているかを表した“輩出率”で見ると、山形が1.28%と、香川県の1.21%、徳島県の1.19%を抑えてトップに躍り出た。
山形を代表する社長は、ブリヂストンの荒川詔四氏、共栄火災の杉山健二氏、東北電力副社長を務めた総合電気工事のユアテック(東証1部)の大山正征氏、パチンコパーラー全国3位「ガイア」の荒井晃広氏、伝統工芸で世界が認める天童木工の加藤昌宏氏などがいる。それにしても、なぜ山形がという疑問がわく。おしんのような辛抱強くて、忍耐力が武器になっているのだろうか。
●関西的な“ノリのよさ”
東京商工リサーチ経済研究室の関雅史氏の分析はこうだ。
「山形は実直、勤勉という県民性に加えて、“伝統工芸品の宝庫”と称されるほど家内工業が盛んです。江戸時代は北前船交易で、酒田などが栄え、物資が行き交う要衝になった土地柄だけに、東北地方に共通した“じめじめした暗い”感じがなく、むしろ関西的なノリのよさがあるといわれている。人口が少ないにもかかわらず、企業トップが多いのはこの明るい気質によるのかもしれません」
政界では自民党の加藤紘一元幹事長が鶴岡出身だが、いまでもトップになれていない。
2位の香川県出身のトップには、九州電力の眞部利應氏、三菱UFJ信託銀行の岡内欣也氏、四国電力の千葉昭氏らがいる。3位の徳島県では、船井電機の林朝則氏、東亜合成の橋本太氏、博多大丸の森川善博氏らだ。
「香川県の気質は“へらこい”といわれ、要領のよさにある。だから他の地域ではやったものをすぐに取り込んでビジネスに結びつけるのが得意。“目先が利く”という商売上手な気風が経営者向きの人材を育てていると思われます。徳島県人は、元手を増やそうとする気質が経営者に向いているのではないでしょうか」(前出の関雅史氏)
●首都圏3県は全国ワースト3
一方、もっと社長の輩出率が高くてよさそうな神奈川県は45位(0.36%)、千葉県46位(0.28%)、埼玉県47位(0.26%)と全国でワースト3。
どうしてこうなるのか。これら3県は東京のベッドタウンであり、サラリーマンが圧倒的に多いため、社長の比率が下がっている。
東京都は37位(0.62%)と、こちらも下位。首都圏は地方と比較して人材的に豊富だから、社長輩出率がもっと高くていいはずだ。
日本経済の落ち目の原因に、こうした事情が深く影を落としているのではないだろうか。
へぇ~、とおもしろい記事だったので紹介してみました。


