ヤマヒデの沖縄便りⅣ 歩き続けて 歩き続ける 再び

「基地の島」沖縄を歩き続け35年、気ままに綴ります。自然観察大好き。琉球諸島を戦場に据える「島嶼防衛」は愚の骨頂。
 

香港のこと。これは他人事ではない。(20200702)

2020年07月02日 | アジア地域
 昨日の新聞に「中国、香港安全法が成立」とでていた。とうとうここまできてしまったのか。中国政府は香港の民主化運動に牙を向けてきたが、壊滅を図る算段だ。
 2020年7月Ⅰ日は英国の植民地だった香港が中国に返還された記念日の23回目にあたる。むこう50年間、一国2制度とし、民主的な余地を残すことになっていた23年前。香港の民主化運動が大きく激しくなって、香港の親玉だと自認している中国政府は、これを煙たがっていた。こうした流れを放置したら、中国が独裁国家であるおかしさがばれてしまうと感じたのだろうか。弾圧を香港行政府に命じてきた。逃亡犯送還条例を制定し、弾圧を強めるはずだったが、反対の声に押し返されてうまくいかなかった。
 とうとう中国政府が直接弾圧に乗り出してきた。6月30日、香港国家安全維持法を中国政府が制定し、香港に押しつたのだ。これでは英国の植民地から23年経ち、中国の植民地になりましたなのだ。昨日7月Ⅰ日、同法適用の初日から300名余りが逮捕されている。
 香港国家安全維持法は4つの犯罪類型を定めている。①国家分裂罪(香港独立派への資金援助)、②国家政権転覆罪(議会や警察の建物包囲、共産党の一党支配の終結の提唱など)、③「テロ活動罪」(信号や地下鉄施設等の破壊。破壊行為のネットでの呼びかけ)、④外国勢力と結託し国家安全に危害を加える罪(中国や香港への制裁を外国に訴える)だ。詳細を掴んでいないので、明確な批判をしずらいが、中国政府が中国政府のために邪魔になる表現活動等の民衆の行動を全面的に押さえ込むものだろう。この影響は香港内に留まらない。中国国内外に及ぶだろう。
 昨日、街頭に集まるなどした人々300名余りが暴行を受けながら逮捕されたようだ。同時に、中国国内でも民主派・人権派の人達が逮捕されている。沖縄タイムスには民主活動家の許志永氏が「国家政権転覆煽動」容疑で逮捕されたことをつたえている。
 私はこうした中国政府を容認できない。我慢ならぬ。人が生きる社会において、国家が制圧してくるのは(理由を色々付けてのことだろうが)、人権弾圧であり、生きるということを冒涜している。「国家」を掲げれば、何でも正当化できるかのようなありかたは独裁体制ではないのか。だから香港の人々は自治を求めてきたし、いよいよ追い詰められて、独立を叫んできた。あたりまえだ。
 昨日の街頭での弾圧に香港警察は催涙ピストルを使った。至近距離から人に催涙弾という化学兵器を打ち込むのだ。この催涙弾がどのていどなものか分からぬが、私は恐ろしさを覚える。私は日本で、催涙弾の直射攻撃を経験しているのだ。この一例だけでも中国政府の香港行政府の徹底した弾圧ぶりがよくわかる。しかしもっと怖いのは、人々の間の情報の徹底した監視であり、利敵行為を煽り、人をおとしめながら弾圧するスパイ活動の広がりだ。
 香港衆志(デモシスト)などの民主活動団体も解体されていくだろう。香港国家安全維持法に団体規制が入ったからだ。厳しい弾圧の時代がやってきた。
 やっかいなことは、こうした中国の悪政に乗じて、米国などが介入をはかることだ。まってましたとばかりに様々なレベルで身構えてきている。米国は別件で中国大陸を取り囲むかのように、米空母3隻を徘徊させている。「新冷戦」なるものが造られようとしているのだ。
 香港の民主活動家たちは、これまでにいくつものグループが辺野古にきている。その度に私は米国の介入にも中国の介入にも反対していると、香港の人々と連帯のエールを交わしてきた。何処の地域でも国でも、余所からの介入はお断りだ。これが民主であり、自治の鉄則だ。今、香港で起きていることは、昔、大日本帝国が朝鮮半島や中国東北部などでやっていたことに通じる(植民地支配)。今、沖縄でやっていることにも通じている。なんでこんなことをされなければ、いけないのか。
 それから沖縄から香港の距離が近いのだ。石垣島から香港は1052km。石垣島から羽田は1940kmだ。那覇から香港は約1400km。那覇から羽田は約1500kmだ。こう考えたら、もっと親近感をもって、あたりまえだ。

香港エクスプレス航空機が到着した石垣空港。2019年11月12日
飛び立った同機。2019年11月12日
香港と沖縄の近さを想起した。
この日は中国の航空機(手前)が石垣島に来ていた。2020年1月25日



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。