2022年1月2日(日)晴れ
私たちは、宿からゆっくりと歩き出した。二人してどこに行くか決めていないていたらく。まぁ、広島市内の爆心地中心部ならば大概分かっているつもりだが、歩きながら決めるのも悪くない。平和大通りを東へ。ひとまず比治山公園をめざす。京橋川にかかる鶴見橋を渡ると、やや奇妙な柳が私たちの視界に飛び込んできた。
爆心地から1700mで被爆したとある。被爆後にここに移植された。9:48
樹影を写す。影を見れば、分かるよね。9:48
下から。樹洞が抜けている。穴が開いている。尖端はぶちぎられている。9:49
原爆の熱線と爆風を受け、破壊されたが生きている柳。
こうだ。樹木とは凄い生命力があるのだ。半端じゃない。ぶち切られても生命体として無事な部位があれば、生きていく。感服に値する。9:50
生きている側はこうだ。格好が「ストレンジ」とか、「いびつ」とか言わせない迫力を備えている。
9:55 天下の樹木をなめんなよ!!!
米国の核軍事態勢を許さないと洞が叫んでいる。
原爆遺構よりも、生きものの価値は高いだろう。被爆以降、77年間生きてきたのだ。
被爆者たちは、こうした被爆樹木にも励まされて生きてきたのだろう。
◎「青桐の下でー『ヒロシマの語り部』沼田鈴子ものがたり」広岩近広著 明石書店(1993年刊)参照