昨日から入ってきていた中部方面隊の射撃演習場での「暴発」事件。18歳の自衛官候補生が、射撃演習中に3名を撃ち、2名が亡くなった。1名は、不正常な射撃を止めようと、割って入ったようだ。要は、室内の射撃演習場で起きたことだが、新隊員を教育する初歩の初歩の過程で起きたようだ。第35普通科連隊の「新隊員教育隊」で起きた事件だ。
自衛官だから、体力作りと射撃は基本の基だ。この2つを避けて通れないのが自衛官だ。第35普通科連隊と言うが、英語に直せば、「歩兵連隊」。この国は、これを意訳して、「普通科」と称してきただけだ。彼らのHPに出ております。“35th Infantry Regiment“とね。第35歩兵連隊。
この事件についてコメントしたいのだが、個別の事情がわからない。今、これを深く掘ることはできないが、室内での「暴発」だったから一般住民が撃たれることはなかっただけだ。撃った人は、無差別にやったのではないだろう。教官を狙ったのだろう。
銃を持つと言うことは、人(他人・自身)や生物を殺める能力を獲得するということだ。軍隊は多くのこれまでの戦場において、無差別に発砲し、殺害を繰り返してきたのだ。日本が戦争する国に向かう今、極めて象徴的な事件が起きてしまったようだ。
亡くなられたお二人に、私も哀悼の意を表するが、それだけで済む問題ではあるまい。新隊員教育課程の問題、銃器の扱い、上下関係、そもそも軍隊のあり方など、深く掘っていけば、1冊の本が書けるだろう。
また、被疑者への取り調べは、どうなるのだろうか。自衛隊内(空間的に)の問題であり、自衛官同士の問題であり、自衛隊の警務隊の仕事だろう。彼らも司法警察官のはずだ。一方で、岐阜県警も動いているようだ。
防衛省・自衛隊は、個別案件として、起訴して終わりではないだろう。戦闘部隊を強化していくこの国の動きの中で、私たちは到底看過できないことがおきたのだ。私は、自衛隊も殺害を本務とする軍隊だと考えている。
何事にも、銃器で一件落着はないのだ。浅すぎる近頃の気分の表白を私は憂慮している。