北朝鮮は16日38度線そばにある南北共同連絡事務所を爆破したと、共同通信が報じた。これは、13日に予告されていたことだが、朝鮮半島の和解に向けた動きをまったく逆に向けることであり、北朝鮮の軍事冒険主義を警戒しなければならぬ段階に舞い戻ったと私は考える。
これは米朝の交渉が行き詰まり、米国などによる経済制裁が強化されたところに、コロナ禍が及び、中国・朝鮮との国境も2020年1月から封鎖されるなど、経済的な悪化が激しさを増していることを背景にしているようだ。
このところ、金正恩朝鮮労働党委員長の出番が激減しているとの報もあり、今回の爆破の発表も妹の金与正(よじょん)党第1副部長による。
それにしても南北対話の象徴として韓国政府が造った南北連絡所が爆破された意味は大きいだろう。今後どうなるか予断を許さない事態が続くだろう。
昨日朝(2020年6月16日8時過)、米国空軍RC-135(電子偵察機ー肉眼での視認なので、RC-135の何型か不明)が嘉手納に帰還したと推察されるが、米軍が朝鮮半島情勢を監視していた可能性を否定できない。今後こうした動きを察知していくことも問われているだろう。
朝鮮半島を巡る戦乱は、如何なる事があっても止めなければならない。南北両政府に自制を求めたい。米国政府も日本政府も対話の復活に全力を尽くすべき時だ。