地方政治新聞「新いわて」の「山クジラ男料理」の欄に投稿するために、「おっきりこみ」をつくった。「おっきりこみ」は群馬県の郷土料理で、幅広く打った麺を具の入った汁にじかに入れて煮込み、熱いうちに食すものだ。
私の生まれた群馬県(渋川市)は、今住んでいる岩手県(洋野町)と比べれば気温が高く(夏はかなり熱い)、水田も夏だけの物でなく秋に麦を蒔いて田植え前に刈って、それから稲を育てる「二毛作」ができた。それで、大麦や小麦をつくるので、独自の「粉もん」料理が発達している。伊香保温泉の近くの「水沢うんどん」も日本三大うどんの一つに数えられる位だし、「焼きまんじゅう」というのもある。
群馬の実家は、私が子どもの頃は「自給自足」体制であったので、昭和20年代に幼少年期を過ごしたが、「ひもじい」思いをしたことはなかった。中でも、「おっきりこみ」や自家製のホットケーキである「じり焼」などは、懐かしい「おふくろの味」である。竹藪を背にして、父と母が必死で竹の根を掘り起し家族を食べさせてくれていたことに、感謝しなければならないだろうと思う。