今日は朝から雨で農作業もできないので、この間気になっていた映画「少年H」の鑑賞のため青森県のおいわせ町(旧下田町)の東宝シネマズ下田・おいらせまで出かけた。盛岡へ行けば2時間以上かかるが、おいらせ町へは南郷インターまで行って八戸道に入ると1時間弱で到着するのである。まあ、我が洋野町はいわば八戸経済圏にあるといっても過言ではない。
8時10分からの映写である。私は現在64歳なので「シニア」料金で、1,000円で鑑賞できる。わずかの差であるがこれは大きい。
さて、「少年H」という映画は、1997年に発表された妹尾河童氏の同名のベストセラーの自伝的小説「少年H」を実写化したものである。昭和初期の神戸。洋服仕立て職人の父・盛夫(水谷豊)とキリスト教徒の母・敏子(伊藤蘭)の間に生まれた肇(吉岡竜輝)は、胸にイニシャルの入ったセーターを着ていることからエッチとあだ名がついていた。第2次世界大戦を前に、特高警察が近所の青年を逮捕し、外国人と付き合いがあるということでスパイの疑いで父・盛夫も連行される。そして昭和16年12月8日の開戦。神戸の大空襲で家を焼け出され終戦。戦後の厳しい生活の中で気力を失う父。そういったものに直面しながら肇少年は自立の道をめざす。最後の場面で不死鳥を描きながら、生きる希望を見出すというストーリーである。あまりどぎつくはないが、反戦平和へのメッセージがしっかりと描かれた良い作品だと思う。監督は、『鉄道員(ぼっぽや)』などを撮った降旗康男監督。当時の神戸の街並みを再現したオープンセットも見事だった。