【 保護犬:ハッチ日記 】

成犬の保護犬、里親日記

木曽川観光船 (船頭平閘門)

2017-07-24 | 雑記
先日、師匠と一緒に【木曽川観光船】に乗って、
木曽三川の“治水”の勉強をしてきた。
葛木港より出港する葛木丸
(定員12名の小さな観光船)


愛知県愛西市の観光協会が主催しているツアーで、
土・日曜日の午前中に、一便だけ船が出港する。

この観光船のコースは、
葛木港 → 木曽川 →【船頭平閘門】→ 長良川
→ 再び船頭平、木曽川文庫を見学、お弁当 →
木曽川 → 葛木港(12時頃に帰港)

葛木港を9時半に出発。
ボランティアガイドが同船し、説明を聞きながら
木曽川を下っていく。

前日、上流で降った雨の影響で川は増水。濁ってます…
本当はもっと澄んだ川です。

船から見る橋の下。
普段と違う景色が面白い!風も涼しくて気持ち良い!
遠くに見える白い塔は、木曽三川公園にあるタワーです。


ガイドの説明によると、昔の木曽三川流域は三川が網状に連なり、
雨で川が氾濫すると被害が甚大…
そこで、川を整備するために

江戸時代に「宝暦の治水工事」
明治時代に「明治改修」が行われ、

「明治改修」では、オランダから技師を招いて計画され、
その計画は…
“木曽三川を完全分流する!”ということからはじまり…
川の廃川や開削、導流堤を設けたり、
川の合流点を引き下げたり、
船頭平に閘門(こうもん)を設ける、等々
まあ、とにかく、盛りだくさんの工事…

この明治改修、明治20年から明治45年までの24年間、
総事業費974万円をかけて完成。

そして、↓ これが【船頭平閘門】(せんどひらこうもん)
(明治35年完成)

なぜ、こんな門が必要なのか…?というと、
木曽川と長良川の水位が違うため、この門の間で水位調整をして
船を安全に通す!ということだった。
“愛知の小パナマ運河”と言われているそうだ。

(船頭平公園にあったパネル)

青色の板が門。
門の外側は、木曽川と長良川。
真ん中が閘室といわれる場所で、ここで水位が安定するまで
船が待機する。という施設。

鐘を鳴らして合図をすると、門が開いて船が進む。
この門は、明治時代のものではないそうだが、
レンガの造りは明治時代の当時のまま!

閘室の中。待機中。水位の上下が分かる。
(この日は雨の影響で、水位の変化がわずかだった)

無事に水位調整が終わると、門が開いて船が通り

船が通ったあとは、また門が閉まる。

今でこそ橋ができて、陸路を使って移動をするけれど
昔は船を使って荷物を運んだので、こういう施設が必要に
なったということだ。

そして、長良川へ。

長良川も雨の影響で濁りまくり…
対岸に千本松原。
これが江戸時代の「宝暦治水」での
薩摩藩士による血と汗と涙の、松の木… 
(詳しくは「宝暦治水」で検索して下さい!)

そして、船は長良川から船頭平に戻り、船頭平公園にて休憩。
ここには、「明治改修」でオランダより招かれた治水の技師
ヨハニス・デ・レイケの像がある。

「治水の恩人」として讃えられている。
デ・レイケは、日本に30年間も滞在して、木曽三川だけでなく
日本各地の治水工事の計画に携わったそうです。

ちなみに、デ・レイケは、一緒に日本に連れてきた妻と子どもを
日本滞在中に亡くしているのだそうだ…
仕事とはいえ、家族を失っても治水工事を続け、完成させるとは
何とも言葉が出ない…。
ありがとう!デ・レイケ!!

船頭平公園内にある木曽川文庫には、
そんな治水にまつわる資料や本が展示・公開されている。


木曽川文庫の館内に展示されていた、閘門を開閉する時に使った
当時のハンドル(昔は手作業で開閉していた)

さらに、公園内には、当時の門も展示されていた。

看板の説明によると、この門は、明治35年から平成5年まで
使われていたそうだ。重さは9~10トン


時間の都合上、木曽川文庫でゆっくり見学はできなかったけれど
治水工事が大変な工事だったのだ…ということを知ることが出来た。

そして、これまた時間の都合上、急いで食べたお弁当
「レンコン弁当」1000円(ペットボトルのお茶付き)

コロッケ・煮物・サラダ・はさみ揚げ・蒲焼など、全てレンコンを
使っているという、まさにレンコンづくし!な、お弁当。
持ち帰って、ゆっくり食べても良いということだったけれど
「せっかくなら外で食べよう!」と、
公園のベンチに座って10分くらいで急いで食べた。
レンコン大好き!な人にはおススメ!美味しいです。


↑ 船頭平公園内から見た閘門。

休憩終了後、再び船に乗って、閘門を通過

このレンガに歴史を感じます…

閘門を船が通行する時には「門を開けて~!」という合図に
鐘を鳴らしたそうです。

観光船でも、乗客の1人が代表になって鐘を鳴らしていました。
行きと帰りの2回、鐘を鳴らすのですが、
行きの鐘は、「願いを叶える鐘」
帰りの鐘は、「長寿の鐘」だそうです。
効果のほどは…??

その後、閘門を通過して、木曽川を上り葛木港へ無事到着。
治水の勉強はもちろん、景色を楽しんだ船旅でした!

春の時期は、船頭平公園の桜が綺麗なので、お花見目的で
観光船に乗る人もいるのだとか。

※ちなみに、強風の時は船は欠航です。

【おまけ】
わたしは半日、お留守番だったわ…
ちょっとご機嫌ななめなティップ。

ティップ、ごめん!散歩に行こうね!