【 保護犬:ハッチ日記 】

成犬の保護犬、里親日記

AIが挑む『ブラック.ジャック』by 週刊少年チャンピオン

2023-11-27 | 本・映画
手塚治虫先生の
『ブラック・ジャック』が、

連載50周年の特別記念企画として
週刊少年チャンピオンから
新作発表されました。
(新作読みきりです)

えっ?でも、
手塚治虫先生は他界されているのに
新作発表ってどういうこと?!と
驚かれると思います。

実は、
今回の新作は
AI(エーアイ)が人間と一緒に
漫画を創る、という画期的な企画漫画。

時代はここまできたか……

で、
夫が仕事帰りに週刊少年チャンピオンを
購入してきてくれました。

雑誌を前に
ハッチが興味津々(きょうみしんしん)↓

それ、なんですか? ↓


こわくないよね?の、ハッチ ↓

週刊少年チャンピオンの
表紙には、手術用のメスを持つブラックジャックが!

だいじょうぶだよね?の、ハッチ ↓

ハッチの入念な確認作業と
興奮が治まるのを待ってから
『ブラック・ジャック』の新作を読み始めます。

特別記念企画とあって
巻頭カラー!

知らない読者のために
『ブラック・ジャック』の解説や名シーンもあり、
懐かしい!

もちろん、今回のAI(エーアイ)の仕組みのことも。
(詳しくは週刊少年チャンピオンで)

そしていよいよ新作です。
タイトルは「機械の心臓 Heartbeat Mark Ⅱ」

読み始めるまでは正直、
手塚先生の作品をAI(エーアイ)が担うなんて……と
かなり猜疑的(さいぎてき)だったのですが

いや、良く出来ているものだな、と。
もちろん賛否両論あると思いますが…。

只、“ ピノコファン ”としては見過ごせないことが
ありました。
【ピノコ語】です!
新作に登場したピノコのセリフを
私が思うピノコ語に変換してみます。

「なんでピノコを連れてきたの?」
→「なんれピノコを連えてきたの?」

「ピノコ、古くないわよ!」
→「ピノコ、古くないわのよ!」

「お嬢様やないピノコはオクタンよ!」
→「お嬢様らない、ピノコはおくたんなのさ!」

解ってもらえる人がいるかは謎ですが(笑)
ピノコ語って奥が深いのです。

それにしても手塚先生の手から描き出された
数々の漫画というのは
改めて凄い作品だったのだ、ということを
思い知らされました。
やっぱり、漫画の神様ですね。

霜月二十日は《 モチモチの日 》

2023-11-19 | 本・映画
霜月(しもつき)二十日(はつか)は
《 モチモチの日 》

これは、絵本『 モチモチの木 』
斎藤隆介 作
滝平二郎 絵
   (岩崎書店)

に出てくるお話です。



霜月二十日の
丑三つ時(うしみつどき)に
モチモチの木に灯がともる。
山の神様のお祭りで

それを見ることができるのは
勇気のある子ども1人だけ……。


じさま(お爺さん)と二人暮らしの豆太(まめた)は
5歳の男の子。
とっても怖がりで
夜中に1人で便所にも行けない。


ある日、じさまから
「霜月二十日にモチモチの木に灯がともる 」
と、聞くのだけれど

真夜中だと知ると
自分は怖くて、見るのは無理だな……と。


その晩
夜中に呻く(うめく)声で目覚める豆太。
じさまが、お腹を痛がり苦しむ声。

お医者さまを呼んでこなければ!
豆太は夜中に1人、
走って医者を呼びに行く。


果たして
豆太は無事にお医者さまを呼ぶことが出来たのか?
そして、
モチモチの木に灯がともるのを見ることは
出来たのか?

ぜひ、この続きは
絵本『モチモチの木』を読んでみて下さい。


ラジオ【メロディアス・ライブラリー】では、
2017年2月26日に
『モチモチの木』が紹介されています。
(滝平二郎 氏と合作の絵本ではないバージョン)

で、
気になった方も多いと思うのですが
『モチモチの木』アクリルキーホルダーの話を。

これ、ガチャガチャ(ガシャポンとも言う)で
見つけたのですが
その衝撃たるや、本当にビックリでした!

なんと言っても
滝平二郎(たきだいら じろう)氏の
この切り絵!懐かしい!

もう、目が釘付けになりました。
これは、素通り出来ない……

試しに1回、お金を入れて回してみました。
出てきたのは
正座して真剣に話を聞く豆太のキーホルダー。

か、
可愛い……!

見ると全5種類、とあります。

これはもう、引き下がれない、ってやつです。

で、
5種類揃えました。
(夫にも手伝ってもらう、という……)

まずは、絵本の表紙にもなっている
お馴染みの
じさまと豆太 ↓


モチモチの木 ↓


じさまの話を正座して聞く豆太 ↓


泣きながら走る豆太 ↓


じさまと豆太、カラーバージョン ↓

これで全5種類です。

絵本『モチモチの木』は
トラウマ絵本、とも言われているそうですが

豆太の勇気
じさまの優しさ
そして、この切り絵との絶妙なコラボ!
私は
名作絵本殿堂入り!だと
思っています。

『モチモチの木』アクリルキーホルダー ↓

明日、11月20日
霜月二十日は《 モチモチの日 》です。

【 マイ・ベスト・ブック2023 】

2023-11-16 | 本・映画
毎年、この時期になると恒例だったのが

東京FMラジオ
『メロディアス・ライブラリー』の番組内で
( ↑ クリックすると番組ホームページに移動します)
今年の【マイ・ベスト・ブック】を選ぶ、
ということでした。

年末の番組内で発表があり
「皆さま、良いお年を~!」で年越しをしていたのですが

残念ながら番組は
今年の3月で終了してしまいました。

長寿番組だっただけに(15年9ヶ月続いた)
その終了には、「残念……」の一言。

コロナ過でも
リモートで番組は継続して
ラジオを通しての読書会は放送が続いたのですが、3月末、
まさか、の番組終了……

しかも、2023年の【マイ・ベスト・ブック】が
ないままで終わってしまいました。
これは寂しい、そして、やっぱり悔しい!

そういうわけで
ここで、
1人【マイ・ベスト・ブック2023】を。

2023年に放送されたのは、
1月1日『漱石 俳句集』から始まり
3月26日『こころ』夏目漱石 まで

(奇(く)しくも漱石で始まり、漱石で終わるという)

13冊の本が紹介されました。

そんな13冊の中から私が選んだのは…
(3冊あげるのが番組の定番)
・ラウラ・今井・メッシーナ『天国への電話』
・ディケンズ『オリバー・ツイスト』

そして第1位、
・夏目漱石『こころ』です。

そして、いつも予想していたのは
小川洋子先生と藤丸さんはどの本を選択するだろうか?

私の予想ですが、
小川洋子先生が選ぶとすると…

・エヴァ・シュロス
『エヴァの震える朝 15歳の少女が生き抜いたアウシュヴィッツ』
・ラウラ・今井・メッシーナ『天国への電話』

そして第1位は
・川端康成『禽獣(きんじゅう)』と、予想。

藤丸さんが選ぶとすると…

・なかがわりえこ、おおむらゆりこ
『そらいろのたね』
・シェイクスピア『ヴェニスの商人』

そして第1位が
・ディケンズ『オリバー・ツイスト』と、予想。

当たっているかは確かめられませんが……。

皆さんの【マイ・ベスト・ブック】は何だったでしょうか?

(おまけ)
番組が好きすぎて、創って贈りました。

藤丸さんに贈ったのがこちら ↓

番組のエンディングでは
藤丸さんの決めゼリフがありました。
《 本のページをめくると心にメロディーが響いてくる 》

クロスステッチで作製し、額に入れました。

小川洋子先生へ贈ったのは、こちら ↓

気持ちとしては番組ホームページを
イメージして、
字体を変えてクロスステッチをしました。

小川洋子先生、藤丸由華さん、ジャネさま(藤丸さんが産休中に代理)の
名前をイニシャルで刺繍しています。

番組愛、半端ないですから!(笑)
今でいうと、推し番組ですね♪

ちなみに、2022年の【マイ・ベスト・ブック】発表では
小川洋子先生の第1位、
内田洋子『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』を
私も選んでいて、

藤丸さんに
「保護犬ハッチのお母さん」と、ラジオネームで紹介して
頂きました!感激!!

全国38局ネットで、ハッチの名前が呼ばれました!

↑ ぼくが、ハッチだよ!

で、最後に……
全然関係ないですが、
小川洋子先生は阪神タイガースの大ファン。
今年は、阪神がアレ(優勝)したので
小川洋子先生はウキウキでしょうね!

吉村 昭『昭和の戦争』全6巻, 読了の感想

2023-11-02 | 本・映画
吉村 昭 『昭和の戦争』全6巻を読了しました。

読み終えるまでに
かなり時間がかかりましたが
「昭和の戦争」で何があったのか、
本を読むことによって
様々な角度から知ることが出来ました。

この本は2015年、戦後70周年記念として
新潮社から出版され、

吉村昭氏がそれまで
文芸誌や新聞、地方雑誌などで発表してきた
様々な戦史小説を
大きく6つのテーマで分類し、まとめた本となっています。

第1巻は「開戦前夜に」というタイトルで、
零式戦闘機が製造される過程から始まります。

“ゼロ・ファイター”と恐れられた戦闘機が、
名古屋から岐阜県の各務原飛行場まで
48㎞の距離を24時間かけて、牛車に乗せて
運んでいたことが書かれ、
そのギャップに驚くとともに

多くの中学生が勤労動員として工場などで
働いていたこと、
アメリカ機の空襲で惨死した、ということに
戦争の悲惨さを思い知らされました。

第2巻は「武蔵と陸奥と」
戦艦武蔵の造船過程が細かく描写され、
その過程で起きた“ 図面の紛失事件 ”や
造船作業を隠すために徹底した工作がなされたという
ことが書かれた『戦艦武蔵』。
この小説は読んでいて身が縮む思いが
何度もしました。

第3巻は「秘められた史実へ」
ここに収められた小説『深海の使者』では、
私が疑問に思っていたことが解決しました。

その疑問というのは
井伏鱒二『徴用中のこと』に書かれていたことで、

井伏鱒二が
陸軍徴用でマレー軍宣伝班にいた時の
昭和17年10月、シーサイドホテルの広間で一服していると
大きな突発事故が目の前で起り、
ドイツから日本へ帰る船が沈没した、と。
しかも
沈没は、シンガポールにいる信号兵が大失態を
犯したことが原因だ、とされていました。

私はこれを読んだ時、本当にゾッとして
その大失態を犯した信号兵はどうなったのだろうか……
と、恐怖に慄(おのの)きました。
でも同時に、
信号兵1人の判断ミスで沈没してしまうなんて
そんなことがあるのだろうか?と疑問にも思ったのです。

そして今回、吉村昭『深海の使者』を読んで
その事故原因が分かりました。

信号兵の失態ではなく、

“ 暗号表の変更 ”による連絡ミスと、
軍令部からの指示と海軍省兵備局からの指示が違った、
ということから起きた事故だったのです。

井伏鱒二本人も『深海への使者』を見て辟易させられた。
と書いていました。(注:深海への使者でなく、深海の使者ですが)

そして、少し話が逸れますが…
井伏鱒二といえば
「芥川賞」選考委員を務めていた時、
吉村昭の作品が4度目の芥川賞候補として挙がっていました。
最終選考に際し
最後、欠席していた井伏鱒二が電話回答で別の人を推薦した為
吉村昭は落選してしまった、という
経緯があったそうです。

吉村昭本人にしてみれば落選は辛い結果ですが
もし、井伏鱒二が推薦し吉村昭が芥川賞を受賞していたならば、
作品は純文学の世界にとどまり
戦史小説を書く
ということには繋がらなかったかもしれません。

そうすると、この『昭和の戦争』も読むことは出来なかった…
ということになります。

となると、これは井伏鱒二の判断が正しかったのか……と
思わざるを得なくなります。
太宰治が慕(した)い、
短編の名手と言われた三浦哲郎(みうらてつお)が師と仰いだ
井伏鱒二のすごさは
もしかしたらこういう所にあるのかもしれないですね。

……と、話が逸れましたが

この戦史小説は読み進めるごとに
これは“ 吉村昭にしか書くことができない ”、と
強く感じさせられます。

徹底した当事者への取材は全国各地へと及び
話を聞いた人の数は数百人にも達し、
史実と照らし合わせて作品は綿密に構成され
しかも、それがただの歴史記録ではなく
人間の感情が随所に表現されているのです。

第4巻「彼らだけの戦場が」
『逃亡』という小説では、戦場ではない戦争が書かれています。

外出先で終電に乗り遅れ、
所属部隊に帰ることが出来なくなった若い兵士が
偶然出会った男に車で送ってもらったことが
きっかけで親しくなり、
そこから男に頼まれ、パラシュートを持ち出し
さらには男にそそのかされて練習用の飛行機を爆破。
その後に続く逃亡では、姓名を変えて身分を隠し
世間から逃れる生活を余儀なくされる…

他にも『動物園』では、
東京上野動物園での猛獣たちの処分について
戦時下での様子とともに書かれており
これはページをめくるのが辛い小説でした。

第5巻「沖縄そして北海道で」
『殉国 陸軍二等兵比嘉真一』この小説では
戦時下に漂っていたであろう緊張感や
切迫した空気が小説を通して伝わってきました。
戦場の怖さだけでなく、住民が犠牲になった
沖縄戦のむごさ、
集団自決、玉砕、と命が軽んじられる戦場での
痛ましさに呆然とさせられました。

第6巻「終戦の後も」では、
『遠い日の戦争』が特に印象に残りました。
戦争裁判を巡って
終戦になってから逃げ回ることになった中尉の
逃亡の様子が綴られています。
戦時中には当然、やむを得ないとされた事が
敗戦と同時に犯罪人とされ
追われる立場になる、という実話に基づく小説です。

全巻を読み、全てにおいて共通して感じたことは
戦争は理不尽だ、ということでした。

そして
吉村昭氏が何度も書いているように
戦争は決して、軍と政府だけで推し進められたものではなく
国民が後押しをしていた、ということを
やっぱり忘れてはならないと、
そう思いました。

まだまだ書き足りないのですが
収拾がつかなくなりそうなのでこれで終わります。

戦争のない世の中でありますように…

『 作家と戦争  城山三郎と吉村昭 』

2023-09-19 | 本・映画
『 作家と戦争 城山三郎と吉村 昭 』
         森 史郎(もりしろう)著
                 新潮社
先日、読了しました。

昭和二年生まれの二人の作家、
城山三郎(しろやまさぶろう)と、吉村 昭(よしむらあきら)。

この本は、
二人の作家の生い立ちや作品を解説しながら
戦争とは何だったのか、
作家たちは何を伝えたかったのか、を
一冊にまとめている本です。

著者である森 史郎氏は一時期
城山三郎、吉村 昭の担当編集者でもありました。

作家たちの苦悩する姿も目の当たりにしています。

読み進めると
軍国少年だった城山三郎が、敗戦後に180度
教えられることが変わった当時を振り返り
根強い人間不信になったことや

4度にわたって芥川賞受賞候補に選ばれながら
あと一歩というところで受賞を逃した吉村昭の
『戦艦武蔵』というノンフィクションに挑んでいく
姿などが書かれています。

と同時に、二人の作家がどちらも
現場に足を運ぶ、直接当事者から話を聞く、
という徹底した取材を通して
作品を書いている、ということにも触れています。

特に、私が印象に残った作品は

・ 城山三郎 『指揮官たちの特攻 幸福は花びらのごとく』

・ 吉村 昭 『総員起(おこ)シ』

どちらの作品にも森 史郎氏は自身の資料や情報を渡し
協力しています。作家にとって心強い編集者だった
のではないか、と思います。

あとがきで著者は
昭和二年生まれの作家、藤沢周平氏も合わせて
3人が集まればどんな話題が展開されただろうか。
と書いています。

実現することはありませんでしたが
昭和二年生まれというのは、
一年上の学年は出征兵士の世代で
一年下の学年は学童疎開という世代だったそうで
常に死を意識していた、と。

激動の時代を生きた二人の作家の小説を
これからも読んでいきたいと思います。

『トムは真夜中の庭で』

2023-04-26 | 本・映画
先日、再読をした。
『トムは真夜中の庭で』 フィリパ・ピアス


イギリスの児童文学で
カーネギー賞を受賞している、傑作といわれる本だ。

この本を推薦する著名人は多い。
心理学者・教育学者だった、河合隼雄(かわい はやお)氏、
芥川賞作家の小川洋子先生もそうだ。

何がそんなに魅力的なのか。

私がはじめてこの本を手に取ったのは、小学生高学年の時。
が、実は、その時は読了することが出来なかった。

何と言っても、本のはじまり部分で
主人公トムによる不平不満の嵐…
“夏休みが台無しになった、弟と一緒にはしかになっていればよかった、
おじさんの家には庭がない、おじさんはきらいだ” 等々…
これに、うんざりしてしまった…(苦笑)

次に再トライしたのは随分経ってから。
子ども図書館の館長さんに勧められて読んでみた。
でも、残念ながら、その時も読了することが出来なかった。

“時間”という、この本最大の魅力の部分が理解できず、
スケート靴が時空を超えて移動している意味に納得できず
なんでそうなるの???

で、以後、この本は私には無理なんだ…と、勝手に決めつけていた。

再読のチャンスは、ラジオ番組【メロディアス・ライブラリー】だった。
その時、ようやく読了することができた。

そして先日、もう一度再読してみた。
その感想が……
なに、これ!ムッチャ良いやん!だった。
特にラスト。
トムとハティに涙がこぼれた。

この本は
児童文学といわず、大人におすすめの本だと私は思う。
(でも、小川洋子先生は子どもの頃から愛読されているそうだ。さすが!)
メロディアス・ライブラリー】では、
2012年6月10日、この本の紹介が放送されている。
今日は、ラジオ番組終了から1ヶ月。
読書の楽しさ、再読の大切さ、本と音楽の繋がる楽しさを教えてくれた。
素敵な番組をありがとう!

(おまけ)
【メロディアス・ライブラリー】
ラジオ番組が終了したので、もう公表しても良いかなと思い、紹介することに。
それは…
私がかぎ針編みで編んだ円座を贈り、
小川洋子先生と藤丸さんが使ってくれた!!ということ(歓喜)

小川洋子先生には《メジロ》 ↓


藤丸さんには《メリーポピンズ》↓


藤丸さんのブログでは、小川洋子先生が円座に座って下さった写真が載っていて、
それを見た時は、飛び上がるほどの驚きと嬉しさの震えと、感謝しかなかったのです。

映画『ロストケア』

2023-03-31 | 本・映画
先日、
「『ロストケア』っていう、この映画、
観た方が良いよ」と勧められた。

どんな映画?と尋ねると……

介護の映画で、
映画を観終わった後、疲れてぐったりしてしまい、
内容が、誰にでも関わってくる問題、と。

そう聞くと、何だか観てみないといけない感じに思え、
(どんなふうに、疲れてぐったりするのだろうか…とか)
その情報だけを頼りに、
事前にその映画情報やホームページを見ることもせずに
映画を観てきた。

『ロストケア』


聞いたとおりだった…
観終った後、疲れてぐったり…。
映画館からの帰りの車の運転が危ないほどだった。

ネタバレになるので内容については書かないけれど、
とにかく、
強烈だった……。


関心のある方は、ホームページを確認してください。
( ↓ ここをクリックすると移動します)
ロストケア

 ※もし、映画に関心をもって観に行かれるのなら、
映画の後、精神状態が落ち着いてから帰宅されることを
おすすめします。


(おまけ)日向ぼっこハッチ ↓


疲れていても、ハッチがいると
癒される。

“いてくれるだけで良い。”そう思わせてくれる
ハッチは、すごい存在だね。

『PLAN75』(プラン75)

2022-07-07 | 本・映画
『PLAN75』という映画を観に行ってきた。
監督・脚本は、早川千絵さん。
主演は、倍賞千恵子さんだ。

日本の超高齢社会を解決する方法として、
“75歳から自らの生死を選択できる制度”
通称【プラン75】が発足され、
その制度の中で人々が翻弄されていく、というストーリーだ。

この作品、リアル過ぎるほど、リアル。
自己責任、自助が求められる日本社会において
深く、深く考えさせられる映画だ。

自分はどういう選択をするのだろうか…。

映画鑑賞後は気持ちが重くなり、ぐったりしたけれど、
救いは、
監督である早川千絵さんが
「倍賞千恵子さん演じるミチという女性の姿を通して、
人が生きることを全肯定する。そんな映画にしたいと思っています。」
と語っていること。

きっと、『男はつらいよ』の
寅さんだって、プラン75の制度を知ったら
「馬鹿をいっちゃいけねぇよ、人の命を何だと思っていやがるんだいっ!」
と、さくらに食って掛かると思う。
(倍賞千恵子さんといえば、さくら役。綺麗ですよね)

この映画は説明するより観てもらった方が良い。
もし、お時間があれば劇場へぜひ。

『PLAN75』
↑ ここをクリックすると『プラン75』のオフィシャルサイトが見られます。

あと、余談。
今日、7日はティップの月命日。
ティップが旅立ってから、4年7ヶ月が過ぎた。
目の前からいなくなってしまっても、ティップを忘れたことはない。

『 鳥 』

2021-07-05 | 本・映画
本と映画についての話。

【メロディアス・ライブラリー】にて、
2020年8月30日に紹介された本、

『 鳥 』 ダフネ・デュ・モーリア ↓


突如、“鳥が人間を襲う”という話。
それが、またリアル。
こんな事は絶対にあり得ないぞ、と言い切れないのが
この本の凄いところ。

この本を読んでからというもの、私は散歩中に
カラスやムクドリ、モズやスズメにいたるまで
飛んでいる鳥を見かけては、
用心するようならざるをえなくなってしまった…、という一冊だ。

詳しい紹介は、番組のホームページをどうぞ。↓
メロディアス・ライブラリー 今週の一冊
( ↑ クリックすると、この本が紹介されたページに移動します)

で、この短編小説を原作とした映画が、ヒッチコック監督により
映画化されており、

先日、映画を観てみた。

さすがは、ヒッチコック監督。
原作とは違う設定ではあったけれど、
様々な場面で恐怖感が散りばめられており、
いやはや、トラウマになりそうな映画だった。
鳥に対する警戒感がさらに増してしまった……。

あと、余談だが、ヒッチコック監督は自ら映画に出演するという
ことで有名だそうで、
この『鳥』では
主人公の女性がペットショップに入る際、
2匹の小型犬(テリア)を連れてペットショップから出ていく、と
いう男性役で監督が出演している。
時間があれば、映画鑑賞をしてみるのも良いかもしれない。

祝:Mライブラリー14周年!

2021-07-03 | 本・映画
毎週日曜日の午前10時から
FMラジオで放送されている

メロディアスライブラリー

今年の7月で、
放送開始から14年に!!

小川洋子先生による本の解説は分かりやすく、
アシスタントの藤丸さんの、時に鋭いツッコミも楽しい。

あっという間の30分。

14周年の記念放送では
“再読の楽しみ”と題して、
以前に取り上げた本を改めて読み直す、という企画になっている。

明日の放送で再読される本は、
『 星の王子さま』サン・テグジュペリ

何となく知ってはいるけど…
キャラクターは知っているけどなぁ…
あれ? で、結局、どんな話なんだっけ…??
という方、
ぜひ、明日の午前10時からラジオを聴いてみると良いかもです。

この番組のホームページを見るだけでも面白い。

『猫を抱いて象と泳ぐ』

2020-10-09 | 本・映画
台風14号が近づいており、その進路と雨量が心配される。
大きな被害なく、無事に過ぎていってくれることを祈るばかりだ…。

さて、下の写真は、
かぎ針編みで編んだ作品、【ブックカバー 】↓


方眼編みで編んだこのブックカバー、大きさは文庫本サイズ。
せっかく編んだ作品だから使ってみよう!と、本を選んだ。
方眼編み模様に合う本を探した。
カバーを掛けると、うん、なかなか良い!(自画自賛…(笑))

で、方眼編み模様に合った内容の本というのが……
ずばり、
『猫を抱いて象と泳ぐ』 小川洋子 ↓

あぁ、なるほどね~!と思った方は、察しの良い方だ。

方眼編みの模様が、なんとなくチェス盤に似ているぞ、という訳だ。
(かなり無理やりの理屈だけど…(笑))

この本は、本のタイトルからは想像がつかないけれど、
チェスの話だ。(本を読むと、このタイトルの意味が分かるのだけれど)
でも、単純な勝ち負けのチェスの話でもない。
身体が大きくなることを恐れた少年とチェスの話だ。
しかも、からくり人形を操りチェスを指す、
その名も“リトル・アリョーヒン”。

小川洋子先生の代表作といえば、
『博士の愛した数式』が挙げられることが多いけれど、
久しぶりに、『猫を抱いて象と泳ぐ』を読み返してみると、
とても、とても、良かった!のだ。

チェスのルールを知らなくても、駒の進め方や駒の性格についても
説明があり、なるほどなぁ……!と理解するとともに、愛着が持てる。

読書の秋、ぜひ気になった方は一読を。

ちなみに、チェス盤は8×8だ。

うん?……8?……八……、ハチ……、
ハッチ! ↓

ぼくは、ハッチだよ!の、ハッチ。

ハッチをチェスの駒に例えると、クイーン(Q)。
縦、横、斜め、どこへでも。最強の自由の象徴だ (笑)!

『犬物語』 ジャック・ロンドン

2020-05-29 | 本・映画
ラジオ番組
【メロディアス・ライブラリー】で以前、紹介された

『犬物語』 ジャック・ロンドン
      翻訳:柴田元幸


本を購入して、読了した。

番組で紹介された「野生の呼び声」の他、
4作の短編小説が入っていて、題名の通り
“犬”の物語である。(「火を熾す」だけは違うが)

しかし、ただの犬好きな話じゃない。
そりゃもう愛玩犬のレベルを遥かに超え、
予想を上回ってくる犬物語だ。

動物愛護関係者が「バタール」なんかを読めば、
度肝を抜かれて卒倒してしまうかもしれない。

ただ、読み始めると止められない。

しかも、この本の帯を書いているのが……
小川洋子先生に、岸本佐知子さん!
この二人が推薦して、面白くないはずがないっ!!

興味を持った方は、ぜひご一読を。

発行所のスイッチ・パブリッシングへ直接注文したら
こんなカッコイイ封筒で届いた ↓

シンプル・イズ・ベスト!

【ブッカー国際賞】 最終ノミネート作品

2020-04-25 | 本・映画
私が楽しみにしているラジオ番組、
毎週日曜日に放送される
【メロディアス・ライブラリー】

この番組のパーソナリティーを務めるのが
作家の小川洋子先生。

そう、
その、小川洋子先生の作品が、
な、なんと……!
本年度の
【ブッカー国際賞】最終ノミネート作品に選ばれているのだっ!!

 『密やかな結晶』 小川洋子


英語版では『The Memory Police』
翻訳者は、Stephen Snyderさん。

ブッカー国際賞の最終ノミネート作品に選ばれているのは6作品。
この中から受賞作が決定される。
今年度、アジア圏から選ばれた作家は小川洋子先生だけ。

アジアの代表として、ぜひ受賞されることを願っている。
発表は当初5月19日だったのだけれど、
新型コロナの影響で夏頃になるそうだ。
夏の発表に期待しよう!

ちなみに、明日の【メロディアス・ライブラリー】で紹介される一冊は、
宮沢賢治 『グスコーブドリの伝記』

番組も楽しみだ!

『思い出のアンネ・フランク』

2019-12-30 | 本・映画
『アンネの日記』、『アンネ・フランクの記憶』
この本を繰り返し読んでいると、
“ミープ・ヒース”さんのことが気になって、気になって…
ついに、本を購入した。↓

『思い出のアンネ・フランク』文藝春秋

アンネの家族たちが隠れ家での生活を余儀なくされた時、
生きていくための支援(買い物をはじめ精神的な支え)を
惜しみなくしていた、ミープ・ヒースさん。

そして、ミープ・ヒースさんが日記を保管していたからこそ
『アンネの日記』が世に出ることになった。
言い換えれば、彼女がいなかったら日記は処分され、
アンネ・フランクという存在自体、葬り去られていただろう。
そうしたことからも、彼女なしにアンネ・フランクは語れない。

4歳の頃からアンネを知っているミープ・ヒースさんに
とって、アンネが大事にしていた日記を守ることは
彼女だからこそ出来たことだ。

『アンネの日記』では、アンネ・フランクによって
隠れ家の中での生活が書かれているが、
この『思い出のアンネ・フランク』では、
隠れ家の外の様子や
オランダの社会情勢、物資の不足状況、地下活動のこと、
そして、他のユダヤ人の状況について…など、
当時の様子が詳しく書かれている。
 
『アンネの日記』を読んだら、次はこの本を
読んでみることを薦めたい。

『アンネの日記』の中で、私が好きな出来事として
“イチゴジャムを皆でつくる”、というのがあるが
これについても鮮明に書かれていて、
戦時中の一時、ほのぼのとした様子が伝わってくる。

この本を読んで、
あらためて彼女の意志の強さ、たくましさ、
信念を曲げない精神力のすごさに感心するとともに、
ミープ・ヒースさん以外にも
少なくない数の人々が、ユダヤ人をかくまったり
戦争に反対するレジスタンスを支援するために
命懸けで毎日を過ごしていたことが分かった。
忘れてはならない過去だと思う。

『ことり』

2019-12-05 | 本・映画
前回に続いて、小川洋子先生の本について。

『ことり』(朝日文庫)

この本も、手に取ってから一気に読んだという、
私の大好きな一冊だ。

小鳥の小父さんと、小父さんのお兄さんの物語。

突然、人間の言葉を話さなくなった、お兄さん。
でも、お兄さんは鳥の言葉を理解し、独自に言葉を編みだす。
例えば、棒付キャンディーは“ポーポー”、と。

周りは、お兄さんを理解できずに困惑するが、
そんなお兄さんのことを唯一、解ってあげられるのが
弟である、小鳥の小父さん。

ひっそりと、静かに、小鳥たちを愛し、
穏やかな暮らしを望む、兄弟。

物語の中には、絶えず“ことり”が出てくる。

世の中の隅に追いやられている人々を
そっと救い上げるようなお話だ。

鳥好きの人にはもちろんおすすめの一冊であるし、
そっと寄り添ってくれる物語である。

ちなみに、お兄さんの作る【ポーポーの小鳥ブローチ】というのが
文中に出てくるのだけれど、これがとっても素敵なのだ!
私も“ポーポーの小鳥ブローチ”が欲しい!笑
(詳しくは、本を読んでみて下さい!)


そして…
小川洋子先生といえば
毎週日曜、午前10時~10時30分放送のラジオ ↓ (リンク貼ってます)
メロディアス・ライブラリー

今なら、抽選で10名様に
クリスマスプレゼントがあるのだ!(12月16日締切)

なんと…!
サイン入り!で、小川洋子先生の新刊『小箱』が
もらえるかも…!
(詳しくは、番組ホームページをチェックしてみて下さい!)

次回の放送12月8日は、開高 健『裸の王様』。
どんな解説が聴けるのか、今から楽しみだ♪