今日は入母屋建築のそり元と破風を挽きました。
隅木は既に挽き終り、今頃大工さんが仕上ているところです。
下の写真は「そり元」
屋根の四方に突き出る隅木の上に、カネ方向両側から組まれる部材です。
最近は、二段構えが多いですが、
ちょっと前までは、当然のように三段でした。
そこが職人の見せ所といった感じです。
お次の写真は、入母屋の破風を木取る為に挽いた太鼓板です。
型の寸法に合わせて丸太の径が決まりますが、
化粧なので当然元木で、節のない側取りになります。ということは、
側でそれなりの寸法を取らなければいけないので、
芯通りの直径はかなり大きくなってしまいます。
この歩留まりが、製材屋の「腕」と「目利き」の見せ所です。
下の写真は、国宝犬山城です。
少しはイメージできると思います。
一般住宅では少なくなってしまいましたが、神社・仏閣では
当たり前の作りです。しかもそれらはこの世からなくなることはまずありえません。
しかしこの技術は少しずつ廃れていく傾向にあるのは事実です。
京都などの文化財が沢山点在する地域では、文化遺産専門の職人がおりますが、
他の地域では、どうでしょう。
現実的に、本当に少なくなってしまい、また現代の方々にはマッチしにくい点もあるかと思います。
でも、このような建築物が、本当に田舎のおばあちゃんの家まで行かないと
見ることができなくなるのは、職業柄、ちょっと寂しいです。
しかし、数少ないものでも特注対応に応えられる用に
我が社も技術を伝承し、伝えていくことも大事だと思っています。
皆が大好きなお祭りも、神社や神輿の造りもたまには見て下さいね。