入母屋

2012-04-18 | WOOD WORK

今日は入母屋建築のそり元と破風を挽きました。

隅木は既に挽き終り、今頃大工さんが仕上ているところです。

 

下の写真は「そり元」

屋根の四方に突き出る隅木の上に、カネ方向両側から組まれる部材です。

2012418a

最近は、二段構えが多いですが、

ちょっと前までは、当然のように三段でした。

そこが職人の見せ所といった感じです。

 

お次の写真は、入母屋の破風を木取る為に挽いた太鼓板です。

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型の寸法に合わせて丸太の径が決まりますが、

化粧なので当然元木で、節のない側取りになります。ということは、

側でそれなりの寸法を取らなければいけないので、

芯通りの直径はかなり大きくなってしまいます。

 

この歩留まりが、製材屋の「腕」と「目利き」の見せ所です。

 

下の写真は、国宝犬山城です。

20124183

少しはイメージできると思います。

一般住宅では少なくなってしまいましたが、神社・仏閣では

当たり前の作りです。しかもそれらはこの世からなくなることはまずありえません。

 

しかしこの技術は少しずつ廃れていく傾向にあるのは事実です。

京都などの文化財が沢山点在する地域では、文化遺産専門の職人がおりますが、

他の地域では、どうでしょう。

 

現実的に、本当に少なくなってしまい、また現代の方々にはマッチしにくい点もあるかと思います。

でも、このような建築物が、本当に田舎のおばあちゃんの家まで行かないと

見ることができなくなるのは、職業柄、ちょっと寂しいです。

 

しかし、数少ないものでも特注対応に応えられる用に

我が社も技術を伝承し、伝えていくことも大事だと思っています。

 

皆が大好きなお祭りも、神社や神輿の造りもたまには見て下さいね。