大学2年生だったか、大学から手伝いを命じられて行った、体操連盟の大きなイベント。(多分体操ガーラだったと思う。採点のない特別競技会)
直前にゲストとして彼女がいらっしゃることがわかり、以前から下敷きに挟んで持ち歩いていた、在りし日の彼女の平均台演技が写る雑誌の切り抜きを、会場に持っていった。
会が終了し手伝いが解散になり、関係者や先輩に怒られるかもしれないという心配もありがながら、階下の彼女の元に駆け寄り、その切り抜きにサインをもらい握手していただいた。
その時の穏やかな笑顔と、しっとりとした柔らかい手の感触が忘れられない。
私にとって、物心ついて記憶に残る最初のオリンピックは1968メキシコオリンピック。
その時にテレビで見た、彼女の美しい演技と美しい笑顔。
髪の大きなお団子結びが解けないか、子供なりにちょっと心配していたことも覚えている。
その時に初めて、人の身体が動く美しさを知ったように感じる。
私はその時からずっと彼女のファン。
だから、大学に入っても切り抜きを持ち歩いていた。
中高と体操競技部に入り、高校の図書館で彼女の自伝を見つけ読んだ。
そこに、メキシコオリンピック出場に際しての政治的なことも、書かれていたような気がするが、高校生の私にはピンと来ていなかったのではないかと思う。
東京オリンピックの時に、池田敬子さんとすき焼きを食べたことなどが書いてあって、日本を好きでいてくれるのがわかり嬉しかったように記憶している。
大学で彼女に会い、その本を思い出し、もう一度読みたいと出版社に問い合わせたが絶版になっていた。
そして12年前、2004年初版のこの本を本屋で見つけたが、書棚にしまったまま読んでいなかった。
華々しい活躍だけでない、政治や家族の事件など、幾多の困難を経験したであろうか。
これから、じっくり読んでみることにする。
私に、動く身体の美しさを教えてくれた人。
合掌。
杉並・武蔵野エリア
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