八咫烏神社の当方にそびえるのは伊那佐山です。
昔からこの山は麓の村々の田畑にうるおす水をもたらしてきたことから
山頂に神社が祀られています。
それが都賀那岐神社です。
神社の由緒は詳らかではありませんが、
相当古くから水の神として祀られてきました。
ご祭神は高オカミ神と頬那芸神と伝えられています。
…が、神社名の「都賀那岐」とは何かということは不明とされてきました。
どうやら頬那芸神からきているらしいのですが所説あっても
コレ!という定説が過去の書物から発見できず、なんとももやもやしていました。
…が、つい先ほど(笑)有力な根拠となりうるに足る説を発見しました。
たぶんコレできまりでしょう。
それは古事記の中にありました。
イザナギとイザナミの神が国土を生成されたあと、
自然界を司る神々(石・土・海水・河水etc)も生成されたのですが、
その神の一柱に頬那芸神(ツラナギノカミ)がいらっしゃいました。
岩波文庫の『古事記』では
「水面が凪ぐことと波立つこととの神格化であろう」
と解説されています。
水流を司る神といったところでしょうか。
以下、神々の生成部分の現代語訳です。
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…この速秋津日子神、速秋津比売神の二柱の神が、
それぞれ河と海を分担して生んだ神の名は
沫那芸神(アワナギ)、つぎに沫那美神(アワナミ)、
つぎに頬那芸神(ツラナギ)、つぎに頬那美神(ツラナミ)、
つぎに天之分水神(アメノミクマリ)、つぎに国之水分神(クニノミクマリ)、
つぎに天之久比箸母智神(アメノクヒザモチ)、
つぎに国之久比箸母智神(クニノクヒザモチ)である。
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なお、これらの神々をざっくりと説明しますと…、
速秋津日子神と速秋津比売神は、河口を司る神。
沫那芸神と沫那美神、また頬那芸神と頬那美神は、水流を司る神。
天之分水神と国之水分神は、水の配分を司る神。
天之久比箸母智神と国之久比箸母智神は、水を汲む器(ヒサゴ)の神。
…です。
それにしても頬那芸神のことは古事記でとっくの昔に掲載済みだったのに、
今までどうして誰も指摘しなかったんでしょう?(僕もですがw)。
いえ、神社と神さまのことはそれだけ奥が深いんです。
…ということにしておきましょう(汗)。
いい勉強になりました。
追記(H31.2.15)
都賀那岐神社のホームページ(甚だ簡単ではございますが)できました!
どうぞご覧くださいませ。
https://tsuganakijinja.wixsite.com/tsuganaki-jinja