鎌倉・佐助の谷戸奥に、欝蒼とした木々に包まれて
幾重にも立ち並ぶ朱塗りの鳥居。
「佐助稲荷神社」
創建: 建久年間(1190~1199)
祭神: 宇迦御魂命(うかのみたまのみこと)
大己貴命(おおむなちのみこと)
佐田彦命 大宮女命 事代主命
源頼朝(佐殿)が伊豆に流されていたとき、夢で翁に化身した稲荷神が
挙兵を勧め 源氏再興を助けたことに感謝して建立されたと伝わります。
それとは別に、こんな伝説も・・
その昔 源十朗という魚売りがおりました。ある日 売り荷を担いで由比ガ浜を
歩いていると、犬に追われた一匹の狐が逃げてきて 源十朗が背負った荷籠に
飛び込みました。憐れに思った源十朗は 犬を追い払い狐を助けてやりました。
その晩 夢に狐が御礼に現われて言うには;
「源十朗 日来の所作を止め 左介谷に於て蘿葍を作り給わば、大なる幸あらん」。
そこで
源十朗はお告げ通り魚売りをやめ、左介谷で蘿葍(らふく)=大根を作り始めました。
その年の冬 鎌倉中に疫病が大流行して人が次々死んでいきましたが、ある人が
夢で「左介谷の源十朗が作る蘿葍を買って食べれば病が治る」と告げられました。
この話が鎌倉中に広まり、皆競って源十朗の蘿葍を買って食べ 病が治ったので、
次第に蘿葍の数が減り 値段が高騰したため 源十朗は忽ち大金持ちとなり、
お狐サマの教えのお蔭だと お社を建立して稲荷明神をお祀りしましたとさ。
( 佐助稲荷霊験譚 )
この話には まだ続きがあるようですが・・
境内の至る所に 奉納された白い狐の置物が置かれた独特の雰囲気から、
そんな事も もしかするとあったかも・・ふとそんな気にもなる神社です。
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