2017-0716-man2534
万葉短歌2534 相思はぬ2346
相思はぬ 人のゆゑにか あらたまの
年の緒長く 我が恋ひ居らむ ○
2346 万葉短歌2534 ShuF203 2017-0716-man2534
□あひおもはぬ ひとのゆゑにか あらたまの
としのをながく あがこひをらむ
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第18首。女。
【訓注】あらたまの(璞之)。我が恋ひ居らむ(あがこひをらむ=言恋将居)。
2017-0716-man2534
万葉短歌2534 相思はぬ2346
相思はぬ 人のゆゑにか あらたまの
年の緒長く 我が恋ひ居らむ ○
2346 万葉短歌2534 ShuF203 2017-0716-man2534
□あひおもはぬ ひとのゆゑにか あらたまの
としのをながく あがこひをらむ
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第18首。女。
【訓注】あらたまの(璞之)。我が恋ひ居らむ(あがこひをらむ=言恋将居)。
2017-0715-man2533
万葉短歌2533 面忘れ2345
面忘れ いかなる人の するものぞ
我れはしかねつ 継ぎてし思へば ○
2345 万葉短歌2533 ShuF203 2017-0715-man2533
□おもわすれ いかなるひとの するものぞ
われはしかねつ つぎてしおもへば
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第17首。女。
【訓注】面忘れ(おもわすれ=面忘)[11-2574面忘 太尓毛得為也登(おもわすれ だにもえすやと)、-2591終八子等 面忘南(つひにやこらが おもわすれなむ)、-2829著者也君之 面忘而有(きればやきみが おもわすれたる)、など]。我れは(われは=言者)[<「言」は「我」の意>]。
【原文】11-2533 面忘 何有人之 為物焉 言者為金津 継手志念者 作者未詳
2017-0714-man2532
万葉短歌2532 おほならば2344
おほならば 誰が見むとかも ぬばたまの
我が黒髪を 靡けて居らむ ○
2344 万葉短歌2532 ShuF203 2017-0714-man2532
□おほならば たがみむとかも ぬばたまの
わがくろかみを なびけてをらむ
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第16首。女。
【訓注】おほならば(凡者)[06-0965凡有者(おほならば)]。ぬばたまの(黒玉乃)。我が黒髪(わがくろかみ=我玄髪)[<「玄」は青黒い色>。07-1241黒玉之 玄髪山乎(ぬばたまの くろかみやまを)]。
2017-0713-man2531
万葉短歌2531 我が背子が2343
我が背子が その名告らじと たまきはる
命は捨てつ 忘れたまふな ○
2343 万葉短歌2531 ShuF203 2017-0713-man2531
□わがせこが そのなのらじと たまきはる
いのちはすてつ わすれたまふな
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第15首。女。
【原文】11-2531 吾背子我 其名不謂跡 玉切 命者棄 忘賜名 作者未詳
2017-0712-man2530
万葉短歌2530 あらたまの2342
あらたまの 寸戸が竹垣 編目ゆも
妹し見えなば 我れ恋ひめやも ○
2342 万葉短歌2530 ShuF199 2017-0712-man2530
□あらたまの きへがたけがき あみめゆも
いもしみえなば あれこひめやも
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第14首。男。
【訓注】あらたまの(璞之)[11-2460璞之 年者竟杼(あらたまの としははつれど)]。寸戸(きへ)[「特殊な形態をしてしっかと家を囲む…意か」]。我れ(あれ=吾)。
2017-0711-man2529
万葉短歌2529 家人は2341
家人は 道もしみみに 通へども
我が待つ妹が 使来ぬかも ○
2341 万葉短歌2529 ShuF199 2017-0711-man2529
□いへびとは みちもしみみに かよへども
あがまついもが つかひこぬかも
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第13首。男。
【訓注】家人(いへびと)。しみみに(四美三荷)[下記注]。我が待つ(あがまつ=吾待妹)。
【編者注-しみみに】「2016-0605-man2124 万葉短歌2124 見まく欲り1955」参照。
2017-0710-man2528
万葉短歌2528 さ寝ぬ夜は2340
さ寝ぬ夜は 千夜もありとも 我が背子が
思ひ悔ゆべき 心は持たじ ○
2340 万葉短歌2528 ShuF199 2017-0710-man2528
□さねぬよは ちよもありとも わがせこが
おもひくゆべき こころはもたじ
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第12首。女。
【訓注】さ寝ぬ夜(さねぬよ=左不宿夜)。千夜もありとも(ちよもありとも=千夜毛有十方)。我が背子(わがせこ=吾背子)。
2017-0709-man2527
万葉短歌2527 誰ぞこの2339
誰ぞこの 我がやど来呼ぶ たらちねの
母に嘖はえ 物思ふ我れを ○
2339 万葉短歌2527 ShuF199 2017-0709-man2527
□たれぞこの わがやどきよぶ たらちねの
ははにころはえ ものもふわれを
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第11首。女。
【訓注】我がやど(わがやど=吾屋戸)。たらちねの(足千根乃)。嘖はえ(ころはえ=所嘖)[<「嘖ふ」は、叱責するの意の「嘖(こ)る」(14-3519)の継続態。>(依拠本注) 14-3519奈我波伴尓 己良例安波由久(ながははに こられあはゆく)]。。物思ふ我れを(ものもふわれを=物思吾呼)。
2017-0708-man2526
万葉短歌2526 待つらむに2338
待つらむに 至らば妹が 嬉しみと
笑まむ姿を 行きて早見む ○
2338 万葉短歌2526 ShuF195 2017-0708-man2526
□まつらむに いたらばいもが うれしみと
ゑまむすがたを ゆきてはやみむ
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第10首。男。
【訓注】嬉しみ(うれしみ=懽)。笑まむ姿(ゑまむすがた=咲儀)。
2017-0707-man2525
万葉短歌2525 ねもころに2337
ねもころに 片思すれか このころの
我が心どの 生けるともなき ○
2337 万葉短歌2525 ShuF195 2017-0707-man2525
□ねもころに かたもひすれか このころの
あがこころどの いけるともなき
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第9首。女。
【訓注】ねもころに(懃)。片思すれか(かたもひすれか=片念為歟)。このころ(比者)。我が心ど(あがこころど=吾情利)。生けるともなき(いけるともなき=生戸裳名寸)。
2017-0706-man2524
万葉短歌2524 我が背子に2336
我が背子に 直に逢はばこそ 名は立ため
言の通ひに 何かそこゆゑ ○
2336 万葉短歌2524 ShuF195 2017-0706-man2524
□わがせこに ただにあはばこそ なはたため
ことのかよひに なにかそこゆゑ
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第8首。女。
【訓注】我が背子(わがせこ=吾背子)。何かそこゆゑ(なにかそこゆゑ=何其哉)。
2017-0705-man2523
万葉短歌2523 さ丹つらふ2335
さ丹つらふ 色には出でず すくなくも
心のうちに 我が思はなくに ○
2335 万葉短歌2523 ShuF195 2017-0705-man2523
□さにつらふ いろにはいでず すくなくも
こころのうちに わがおもはなくに
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第7首。女。
【訓注】さ丹つらふ(さにつらふ=散丹頬)。すくなくも(小文)。我が思はなくに(わがおもはなくに=吾念名君)。
2017-0704-man2522
万葉短歌2522 恨めしと2334
恨めしと 思ふさなはに ありしかば
外のみぞ見し 心は思へど ○
2334 万葉短歌2522 ShuF195 2017-0704-man2522
□うらめしと おもふさなはに ありしかば
よそのみぞみし こころはおもへど
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第6首。女。
【訓注】さなはに(狭名盤)[最中(さなか)。集中ここだけ]。
【原文】11-2522 恨登 思狭名盤 在之者 外耳見之 心者雖念 作者未詳
2017-0703-man2521
万葉短歌2521 かきつはた2333
かきつはた 丹つらふ君を いささめに
思ひ出でつつ 嘆きつるかも ○
2333 万葉短歌2521 ShuF194 2017-0703-man2521
□かきつはた につらふきみを いささめに
おもひいでつつ なげきつるかも
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第5首。女。
【訓注】かきつはた(垣幡)。丹つらふ(につらふ=丹頬経)。いささめに(率尓)[07-1335伊左佐目丹]。
2017-0702-man2520
万葉短歌2520 刈り薦の2332
刈り薦の 一重を敷きて さ寝れども
君とし寝れば 寒けくもなし ○
2332 万葉短歌2520 ShuF194 2017-0702-man2520
□かりこもの ひとへをしきて さぬれども
きみとしぬれば さむけくもなし
○=出典未詳。
【編者注】「正述心緒」(2517~2618、102首)の第4首。女。
【原文】11-2520 苅薦能 一重■敷而 紗眠友 君共宿者 冷雲梨 作者未詳
【編者注-■】(偏)口(旁)刂。依拠本注に、<「叫」に同じ。> 他の底本に「叨」。