想定超えの職域接種、政府板挟みに…企業は早期再開要請・自治体はしわ寄せ懸念 読売新聞 2021/07/03 21:07 https://t.co/sEJZYyGntq
— 佐野 直哉 (@pxbrqnaZJT1917W) July 4, 2021
政府は、新型コロナウイルスワクチンの職域接種にブレーキをかけている。想定を超える申請が殺到したためだ。企業や大学が受け付けの早期再開を求める一方、市区町村はワクチンの配分でしわ寄せを受けるとみて不満を強めており、政府は板挟みの状態だ。
「職域接種の申請受け付けを早急に再開することを検討すべきだ」。自民党の新型コロナワクチン対策プロジェクトチーム(PT)は2日にまとめた政府への提言で、そう主張した。PT事務局長の古川俊治参院議員は「職域でどんどん打ってもらえば、自治体で打つ分は減ってくる」と意義を強調する。
市区町村による接種は、高齢者を最優先としている。都内などでは新規感染者に占める若者の割合が高くなっており、現役世代をターゲットとする職域接種への期待は大きい。日本商工会議所も1日、承認待ちとなっている中小企業の職域接種を急ぐよう政府に要望した。
政府は先月8日、職域接種の申請受け付けを始めた。当初の見積もりは「1日数万回」(内閣官房幹部)どまりだった。米ファイザー製ワクチンを使う市区町村による接種を本命視し、米モデルナ製を使う職域接種は「脇役」扱いにすぎなかった。
しかし、従業員の感染を恐れる企業の関心は極めて高く、申請が殺到した。「1日100万回接種」という政府目標を受け、モデルナ製を使う独自接種会場を設ける自治体も相次いだ。9月末までに5000万回分を確保していたモデルナ製の上限をあっさり突破し、申請受け付けは約2週間で停止に追い込まれた。