11月27日、第6回目の読書会が行われました。
今回は村田喜代子『鍋の中』です。
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『鍋の中』は80歳の祖母宅でひと夏を過ごす4人の孫達の物語です。
初めにあらすじなどの内容確認と紹介をし、次に作者である村田喜代子さんの略歴についてお話しました。
その後みなさんに順番に感想をお話してもらいました。
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その後、さらにみなさんで新たに思ったことなど感想を出し合いました。
《アンケートの中から》
・ひと夏を過ごす、祖母と孫たちの何げない日常を描いている。
たんたんとした展開の中に生きることのはかなさやかなしみを読むことができた。
・エンドウ豆に表現される遺伝子の事を考えました。
いとこの中に、そしておばあちゃんの兄弟の中での子育ての中にみる血のつながりについて考えました。
・作者の人生を知ってゆきたいと思いました。体験や時代によって感ずること人生の中で味わったことが
心での感じ方になってゆくことを今回はしみじみ思いました。自らの40才頃と今の感じ方の違いも大きいです。
・自分では買って読まないであろうこの本を読む機会を与えてもらって、良かったです。
・おばあさんの兄弟は、何て劇的な人たちばかりなんだろう。いくら何でもこれだけ揃えたらやり過ぎだろうと思ったが、
最後はおばあさんの記憶違いである事が判明する。ユーモアたっぷりでしかも老いというペーソスも加わり、おもしろく読めた。
ただ、作者は一体何を読者に伝えたかったのかという意図が見えてこなかった。
・1つの作品を様々な観点からとらえ直すことができた(その中で、新しい視点を与えていただき)ことが、
その作品を読む意欲につながりました。とても素敵な経験ができました。ありがとうございました。
・「鍋」という言葉を聞いて、田舎で使っていた「かまど」を思い出しました。まきを燃やし家族9人が食べる物を作っていました。
「鍋の中」の作品は、おばあさんの人生を写している。つらいこと苦しいこと楽しいこといっぱいつまっていると思います。
「鍋の中」のおばあさんが「静」であるならば私のおばあさんは「動」であると思います。
祖父母とのふれ合いは私にとってとても貴重なものでした。
ご参加くださった皆さんありがとうございました。
次回は12月18日中脇君枝の『きみはいい子』です。資料は市立図書館で準備してありますので
初めての方もお気軽にお申し込みください。
スタッフ一同お待ちしております。