第7回読書会を開催しました📖
10月23日(金)10:00~12:00 おあしすミーティングルーム4
芥川龍之介『地獄変』
朝からあいにくの雨模様、当日のキャンセルもあり参加者は女性2名の静かな読書会となりました。
『地獄変』は1918年に新聞小説として発表された、芥川の代表作・傑作とされる短編小説です。説話集『宇治拾遺物語』に題材をとり、時は平安時代、権力者である堀河の大殿と、その権勢に屈しない絵師良秀の芸術への執念との凄惨な対立を描いたものです。わが娘とともに炎に包まれる牛車を「恍惚とした法悦の輝き」をもって見つめる良秀と青ざめる大殿。恐ろしくも美しい描写は、圧倒的な文体の美しさと力強さを感じさせます。
内容の怖さに気圧され、芥川の他の作品を読むのが怖くなりましたという参加者もいらっしゃいましたが、朗読で文体のリズム感を味わったり、資料や館長の解説を参考にしながら、物語の背景やテーマについて意見を交わしました。
地獄絵とは? 猿は良秀の分身? 語り手にも注目 宇治拾遺との違い 芸術至上主義とは? 生活者としての芥川が目指した芸術
今回初参加の私は、物語を読むときに作家の意図やテーマを考えながら読むことはありません。なので直観的な感想を持つだけで大抵は終わってしまいます。しかし今回は「文豪芥川」です。皆さんと一緒にその魅力を少しでも理解できたらと思っていました。期待どおり「そうだったのか~」と思うことがたくさんありました。参加者の皆さんも、「読書会の最初と最後で感想が変わっていきました」「もっと芥川作品を読みたい、ひとつひとつ描きたい内容を味わってみたい」「古典を題材に話を創作する力に感動した」等々の感想をいただきました。
最終的にたどり着いたのは、参加者全員一致で「芥川はすごい!」ということでした☺
予備知識など必要ありません。文学作品を通じて未知の世界を味わってみませんか?
次回は11月27日(金)宮本常一『忘れられた日本人』です。資料は市立図書館で準備しております。気軽にご参加ください。お待ちしています!