第4回読書会を市立図書館ミーティングルーム4にて開催しました。
今回取り上げた本は、遠藤周作「深い河」です。
本作では、それぞれに業を抱えた世代も生き方も違う人々が、それぞれの事情・思惑を胸に印度仏跡旅行へ参加します。
インドを舞台に登場人物が数多く登場する群像劇ということで、各人物の人生観への共感やインド社会についての考察などを各自発表し、それぞれ作品への意見・感想を交換しました。
【印象に残った参加者の感想】
・登場人物ひとりひとりの人生が「重なり合う旅行」の中で個性として表れてくる、遠藤周作氏らしい深みの中で問いかける、人生、生き方でした。
・人それぞれに、他人には言えない深い人生があるのだなあとつくづく感じた。特に私は、大津の愚直なまでに神を信仰する生き方に、感動と驚きを感じた。
・いろんな人生を送ってきた人がインドという聖地に集い、自分の人生を振り返り、置き忘れた物を取り戻すため、探し求めた旅であったと思います。
・初めて読んだ作品だが、テーマ的には遠藤周作の根本的こだわりである宗教心の弱さが追及されていると感じた。宗教の多様さ、つまり人間の多様さを改めて感じることができた。
・読み応えのある本でした。遠藤周作は、宗教をどのように描こうと思っているのかよくわからないまま読み終わりました。この作品「深い河」といったら‘大津‘という印象です。
第5回は8月28日(金)庄野潤三「プールサイド小景」です。
資料は市立図書館で準備しております。
市立図書館ミーティングルーム4でお待ちしています。