2006/7/12/(水) 浦安 曇り
切断 第10題 (強手)
白先

相ゴスミ。黒1,3とツケノビたところ、白4に押してきた。いきよい黒5と切ったのだが、この手の成否は如何?変化は多いが、どういうことになるか、とっくり検討していただきたい。
1図

本題のキリは強手である。それに対する最も強い応法が白1,3のオサエ。この後が問題である。
2図

ここで黒1とアテ、3,5にハネルのは大体において成功しない手。黒7のツギなら白8とハネられて、残念ながら攻めあいは黒勝てない姿である。
3図

(コスミ) 白のオサエには、第8題で学んだ黒1のコスミがよい手、白2なら黒3とハネる形である。白4のあと次図

(正解) 黒1に切り、外がどうなるかが課題。白2に引くよりなく、黒3,5とハネ、白8まで。ここで黒、い、のシチョウが成立するようなら、白つぶれということに相成る。残念ながら白にはシチョウをよけるうまい手がない。

そして黒1のアテに白2と逃げ、このシチョウが成立しなければ黒つぶれである。要はシチョウしだいであり、本題のキリはこの形を予測してシチョウ有利なほうをよしとするのが結論である。上方の黒4子と白3子の攻め合いは、黒に分がない。
6図

黒1のハネに対して、白が4図の如くシチョウがよくない場合は、2と飛ぶよりない。しかしこれだと黒3、白4となって手がノビ、5のコスミツケで責め合いは黒に有利になる。黒1のハネに白2と押さえる手のない限り、白はどうにもならないのである。
7図

それならば黒1のコスミに白2とここへサガレばどうなるか、これも研究しておかねばならない。ここで黒3とアテ、5と這うのがよい手順。白6,8には黒9とまだハイ、白10のハネのとき熟慮が必要である。(黒、い、のキリ)
8図

ついで黒1にきり、3にサガレばハハンとお気づきの方も多いはず、いわゆる2子にして捨てる筋であり黒5,7の打ち込みまで石塔絞りとなる。後の攻め合いは一見してお分かりであろう。捨てて絞った筋があ働いて、白は全然勝ち目がない。
9図 石塔絞りは是非とも覚えていただきたい。

10図

黒1に対して白2とアテ、4にオサるのは非常手段。4図のシチョウ不利の時などに考えられる白の態度である。これには黒5と抜いていてよく、ついで次図
11図

白1,3とワタられはするが、黒の姿が厚いので悪しからぬ結果と知られたい。い、の断点があって白薄く、すぐ黒、い、と切っていくのもあろうし、ろ、と2目の頭を叩いていくのもあろう。いずれにしても黒の不利は考えられない。
12図

10図黒5の抜きを、欲張って1と下がるととんでもないことになる。白2に継がれ、黒3,5のとき白6と備えられて、黒攻めあい負けである。大欲は無欲に通ず。欲張って我を通そうとすると、痛い目にあう。
13図

白1,3のオサエに黒4と下がる手はない。白5とオサエられてなす術がなく黒、いのツケは白、ろですべてがおじゃんとなる。これあるがゆえに前述のコスミが光るのであり、その筋を知らなくては本題のキリは打てない理屈である。
14図

もう一言、二言といっておくと、黒のキリに対して白1と下からアテ、3,5と這うようでは白△に押した価値がなくなる。黒6の気持ちのいい叩きから8とノビ、その優勢は言うを待たない。
15図

4図の如くシチョウが拙く、切られてよくないという場合はここを押すことはできない。黒1,3のツケノビに、白4とおとなしくカケツグよりなかろう。
16図

黒白1の押しに、5図のシチョウ不利とあればここを切らずに2とはハネるぐらいのもの。白3、黒4とカケツギあって、古来これはひとつの型とされてきた。
17図

ことの始まりは黒1のコスミに白2とする相ゴスミである。白、い、とかけるのが上辺の勢力拡大の好点なので黒はツケ伸びたわけである。
切断 第10題 (強手)
白先

相ゴスミ。黒1,3とツケノビたところ、白4に押してきた。いきよい黒5と切ったのだが、この手の成否は如何?変化は多いが、どういうことになるか、とっくり検討していただきたい。
1図

本題のキリは強手である。それに対する最も強い応法が白1,3のオサエ。この後が問題である。
2図

ここで黒1とアテ、3,5にハネルのは大体において成功しない手。黒7のツギなら白8とハネられて、残念ながら攻めあいは黒勝てない姿である。
3図

(コスミ) 白のオサエには、第8題で学んだ黒1のコスミがよい手、白2なら黒3とハネる形である。白4のあと次図

(正解) 黒1に切り、外がどうなるかが課題。白2に引くよりなく、黒3,5とハネ、白8まで。ここで黒、い、のシチョウが成立するようなら、白つぶれということに相成る。残念ながら白にはシチョウをよけるうまい手がない。

そして黒1のアテに白2と逃げ、このシチョウが成立しなければ黒つぶれである。要はシチョウしだいであり、本題のキリはこの形を予測してシチョウ有利なほうをよしとするのが結論である。上方の黒4子と白3子の攻め合いは、黒に分がない。
6図

黒1のハネに対して、白が4図の如くシチョウがよくない場合は、2と飛ぶよりない。しかしこれだと黒3、白4となって手がノビ、5のコスミツケで責め合いは黒に有利になる。黒1のハネに白2と押さえる手のない限り、白はどうにもならないのである。
7図

それならば黒1のコスミに白2とここへサガレばどうなるか、これも研究しておかねばならない。ここで黒3とアテ、5と這うのがよい手順。白6,8には黒9とまだハイ、白10のハネのとき熟慮が必要である。(黒、い、のキリ)
8図

ついで黒1にきり、3にサガレばハハンとお気づきの方も多いはず、いわゆる2子にして捨てる筋であり黒5,7の打ち込みまで石塔絞りとなる。後の攻め合いは一見してお分かりであろう。捨てて絞った筋があ働いて、白は全然勝ち目がない。
9図 石塔絞りは是非とも覚えていただきたい。

10図

黒1に対して白2とアテ、4にオサるのは非常手段。4図のシチョウ不利の時などに考えられる白の態度である。これには黒5と抜いていてよく、ついで次図
11図

白1,3とワタられはするが、黒の姿が厚いので悪しからぬ結果と知られたい。い、の断点があって白薄く、すぐ黒、い、と切っていくのもあろうし、ろ、と2目の頭を叩いていくのもあろう。いずれにしても黒の不利は考えられない。
12図

10図黒5の抜きを、欲張って1と下がるととんでもないことになる。白2に継がれ、黒3,5のとき白6と備えられて、黒攻めあい負けである。大欲は無欲に通ず。欲張って我を通そうとすると、痛い目にあう。
13図

白1,3のオサエに黒4と下がる手はない。白5とオサエられてなす術がなく黒、いのツケは白、ろですべてがおじゃんとなる。これあるがゆえに前述のコスミが光るのであり、その筋を知らなくては本題のキリは打てない理屈である。
14図

もう一言、二言といっておくと、黒のキリに対して白1と下からアテ、3,5と這うようでは白△に押した価値がなくなる。黒6の気持ちのいい叩きから8とノビ、その優勢は言うを待たない。
15図

4図の如くシチョウが拙く、切られてよくないという場合はここを押すことはできない。黒1,3のツケノビに、白4とおとなしくカケツグよりなかろう。
16図

黒白1の押しに、5図のシチョウ不利とあればここを切らずに2とはハネるぐらいのもの。白3、黒4とカケツギあって、古来これはひとつの型とされてきた。
17図

ことの始まりは黒1のコスミに白2とする相ゴスミである。白、い、とかけるのが上辺の勢力拡大の好点なので黒はツケ伸びたわけである。