★弁天喜楽会囲碁★

     

キリの研究

2006-07-13 14:19:56 | 切断
2006/7/13/(木) 浦安 曇り

切断 第11題 (最善)
白先

黒のわたり方がなんとなく薄い。なんとなくというよりツボさえ押さえれば完全に手である。しかし早まってはいけない。白にもうまい応手があって、ただではすまない双方の最善の手を示し、結論を言ってもらおう。


1図

まず失敗例だが、白1と継ぐようでは黒2とわたられて、赤い血は出ない。白3,5なら黒6まで、攻め合いにも何にもなっていないのである。


2図

ではと、白1にハネる。これも黒2のオサエ以下6まで、ここを切断する目的は達しない。


3図

白1から3においてみる。これも手順が悪く、黒4のツギでどうにもならない。しかしこの失敗図にはあるヒントが隠されている。


4図

(オキ) そうである。白1のオキがよい。何も決めないでこの筋を突くのがうまい分断の方法である。


5図

(正解) 白1のオキに、以下の理由から黒は2と応ずるよりなく、ここで白3に当て込むのが急所。黒4に抜き、白5,7、黒8となってのコウが正解である。それぞれ一理、二理のある応酬であり、これを最善とする。3は5から打っても同じである。


6図

前図の変化を示すと、どう図白3を急所といった。その意味は、白1,3と出切ると黒4と継がれて失敗することをさす。ダメズマリのため、白はせっかく切断した二子が生還しない。黒4を、い、に抜いてくれば白、ろ、と渡れるのだが、そうは問屋がおろさない。4の点を決めるこんで打った前図の筋のよさにご注目いただきたいのである。


7図

白1の当て込みに対して、2と継ぐのは黒のしっぱである。白3のツギをきかされ、5と渡られて無条件に7子が取られてしまう。2は5図に示した如く、3の点の抜きでなければならないのである。


8図

さて白1のオキに、黒はほか応法はないのか。たとえば黒2とさえぎったとすると白3とそう手がよく、以下9までするすると4子が落ちてしまう。何もきめないからこそ、3が打てたのである。そこが白の自慢である。


9図

白1、黒2の時、白3とこの出からいくのもある。黒4とさえぎれば、白5と出て行く調子がよく、これでも白を切断できる。


10図

ついで黒6と二子を抱え、8,10と打てば上辺は生きるが、その代わり、白11のサガリが利いて、13まで隅のほうが死んでしまう。どっちを取るのがいいか、その状況に応じて3あるいは5の出のいずれかを先に打つのである。


11図

白1のオキが、黒の肺腑をつく一着である。どう応じても5図以上のことにはならない。黒2と真正直に継ぐならば白3にツギから5のキリである。7まで難なく渡られて7子を持っていかれてしまう。黒2を、い、とタケフに打っても利かなく、同じ手順で7子が落ちてしまう。


12図

白1に対して黒2のオサエは、まるで無防備を宣言しているようなもの。白3と打たれて、難なく5子は取られてしまう。これらの変化を読みきった上で5図の結論が出るわけであり、それを答えるにはかなりの気力を要するであろう。