★弁天喜楽会囲碁★

     

切りとしのぎ

2006-07-16 15:45:28 | 切断
2006/7/16/(日) 浦安 曇り

切りとしのぎの関係は毎局のように現れることであって、心してその手法を会得し、棋力の向上を図らねばならない。
例題

黒、い、と継げば白、ろ、とノビてくる。これで黒はしのぎがあるだろうか?もしそのみとうしがたたぬとすれば、白、い、と2子を抜かせて打つよりないが本当にそう打たねばならないだろうか。


1図

答えは簡単。黒1、白2のとき、黒3と二子の頭につける手筋があって、シノギは容易である。


2図

ついで白1以下5と動けば黒6とカケてよく、白7には黒8まで大きくなってとられてしまう。
1図の黒3は天狗の鼻ズケと称する手で、この筋さえ知っていればここは安心して1とついで打てるわけである。



ツケノビのあと
第1題

一方はケイマ、一方は二間両カガリされた形。黒2,4のツケノビ以下6までは定石だが、ここで白7,9と出切ってきた。ここで黒の最もわかりやすい応法いかが?隅の打ち方に注意されたい。



1図

わかりやすいというのは兵を退けということではない。黒1,3と後退すると白4の後黒、い、白、ろ、黒、は、白、に、となって、中の石が浮いてくる。もっと強気でいきたいところだ。


2図

黒1のサガリをきかし、3,5とやっていくのもよく打たれる手だが、白10の切から14と打たれる。


3図

この形は白1,3が利いて白が厚く、黒やや不利と見られる。前図の打ち方疑問無しとしない。


4図

(切り) 白の切断は恐れるに足りない。きった形自体にダメヅマリの無理があるのだから、それを咎めるようなうち方をしなければならない。それが黒1のアテから3の切りである。3が俗に言う切り返しというやつでこの一子を白が外から抱えられぬところがミソ。これが最も強い、そして簡明な応法でもある。



5図

(正解) ついで白は1のアテから3,5、そして7と継ぐよりなく、ここまでは一本道である。このとき黒8のならびがよいてで、すみを完全にする。


6図

この後白1,3とする手筋には、黒4,6と応じていてよろしい。10とツガされる形が少々癪なところだが、そこはじっと我慢の子で、白11の活きの時黒12と展開すればこの方の構えで白の中央の厚みに対抗できるであろう.黒谷や有利の別れかと見られるものであり、オキ碁でこの形を得られるならまず負けはないであろう。


7図

白1の時黒2の切りは気丈な手段。以下10、白、い、黒、ろ、となってやや乱戦気味。しかし周囲に援兵が多いなら、この反発も十分考えられるところだ。
(黒8ツギ)


8図

ただし白1,3とするのはどうであろうか。黒4,6を利かして8のトビまで、一見して白苦戦である。1は無理と知られたい。


9図

さて5図の黒8の並びをよい手としたが、これを黒△にカケツグのは味が悪く後々白に狙いを与えるすなわち白1のきりから3とはハネル筋であり、これに対して黒、い、と一子を抜けば白、ろ、で隅に目がなくなる。


10図

白のハネに黒1と出て行くと、白2以下8と絞る筋があり、10と継がれて困るのである。白の石が、い、あるいは、ろ、あたりにあればこれはすぐに成立し、隅の黒は目がなく頓死と相成る。


11図

ところが黒△の位置に並んであれば、白1,3の手は成立しない。黒4と抜いていてよく上辺の白に黒、い、白、ろ、黒、は、がきいっている関係で二眼ある。こういう訳でここは並びでなければならないのである。


12図

なお黒1の切りに白2,4とハネツグのは、黒、いの手入れなら白、ろと切った石を取ってしまおうという魂胆である。これにはどうすればいいか、だ。


13図

答えは簡単。黒1のサガリでよく、白4にワタっても黒5のツギまで出、残念ながら白は攻めあいに勝てないのである。


14図

さらに言っておく。本題の手順を変えて、白1のハネから3,5と出切ってきたらどうするか?ここで黒、い、と一子をかんでいるようだと、しろ、と嫁がれて少々厄介のことになる。


15図

面倒なことは考える必要ない。黙って黒1のアテから3の切りである。ハネとオサエの打交が合っても、理屈は5図と同じことである、後をどう打っても同図以下とは違った結果にはならない。この形での白の出きり戦術には、切り替えして打てるものと心得られたい。



白1の出がこわいというので、黒2と伸びる。さらに白3と出られて、もうこれはどうにもならない姿である。黒4白5の後黒、い、白、ろ、と二段バネされて、形が崩れてしまう。黒2と延びていいのは白△の石が、は、にあるとき。


17図

白1に黒2とアラブなんぞは定石違い。白3で割り損であり、黒いけません。


18図

白も出切りを打たず1のコスミから9とする定石を選ぶなら無難。黒10のハネが隅を守る肝要な手である。