★弁天喜楽会囲碁★

     

切りとしのぎ

2006-07-19 07:57:52 | 切断
2006/7/19/(水)浦安 雨

牢破り 黒先
黒はがんじがらめに周囲を閉ざされ、出口がないかに見える。

打ちようによっては何とかなりそうである。白の欠陥をさぐり,牢から這い出していただきた。


1図

黒1と単純に出、白2とかわってはもうだめ。これ以上手出しできず、本当に還らぬ人になってしまう。


2図

黒1、白2の打交はいい。しかし黒3とノビるのでは一歩も二歩も及ばない。白4と備えられて、、やはりこのまま大石が白のふところへと相成る。


3図

(アテコミ) 黒1のキリから3のアテコミがうまい手筋。ここから白の形を突き崩さねば道は開けない。


4図

黒1に対して白2と一子を抱えるなら、黒3と当ててよい。白4、黒5と頭を出し、ともかく獄舎から解き放たれた形だ。黒5では早活きを図るために、い、の一子抜きも当然考えられる。


5図

黒1が白の形の急所である。白2と打つなら黒3と伸びていてよい。白4の時黒5,7と絞り、9の抜きまで、ともあれ中央に頭を出してもうつかまらない姿である。白2で3に打てば、黒2と伸びて白二子は助からない。形の急所をつくことにより、真正面からいっていけないものが、いとも簡単にしのげてしまう。手筋の効果であり、この筋を知ると知らぬとでは天地の差がある。


6図

黒1のキリに対して白2とこの部分の欠陥を補うなら、黒3と下から切り、5にハネて、隅の白がいけなくなる。


7図

ついで白6なら、黒7,9とアテついでよろしい。白10、黒11まで、この攻め合いは白に分がない。


8図

黒1のハネには白2と切るよりないが、黒3以下絞って7まで、隅の二子がおちるので活きるに苦労はしない。というわけで中央の傷と隅の具合を組み合わせたのが黒△の切り。このキリからシノギの糸口をみつけるのである。