★弁天喜楽会囲碁★

     

石をさばく

2006-07-29 03:55:14 | さばき
2006/7/29(土) 曇りのち晴れ


囲碁 石をさばく
さばきとは、物事のもつれをただすことをいうが、碁では重い石を軽く、危なそうな石を安全に、そして大きな意味で乱れそうな局面を手際よくまとめる行為をいう。

黒先 (実践型)

白の両ガカリに黒2,4とツケ伸びた方向はいい。白5の三々打ち込みに、黒は6と上辺を地にする方針をとり、以下白11までの形となった。さてここで黒はどう打つべきか?


1図

黒1と上辺白一子にかまけるような因循姑息な打ち方では、白に足元を見透かされるだけ。白、い、黒、ろ、ときかされて、は、と封じられる可能性大で、に、にハネツギも残って黒散々である。


2図

黒1とここを曲げて打たねばならぬが、すぐ打ったのでは白2、黒3をきかされて疑問である。


3図

前図の後黒1とハネてもこの手に威力がなく、白、い、と逆襲されてかえって白にチャンスを与えかねない。


4図(正解)

黒1と一本切りを入れ、白2とへこませてから黒3に曲がるのがうまい手順である。白2で、い、と抱えるのは黒2で隅が落ちるから、今黒1と切って様子をきくのを法とし、1の一子の働きを3の曲がりによって効果有らしめようというのが黒の意図である。ついでしろ、ろ、と飛べば黒、は、のノビがきいて、上辺が大きく模様化し、これは黒として歓迎すべき局勢である。


5図

前図のまま白が手抜きしていると、黒1のハネが厳しい。白2なら黒3と二段バネして勢いがいい。ついで白、い、黒、ろ、白、は、黒、二、とするのは外の黒を厚くして疑問があるし、白、い、の切りには黒、ほ、と下からシボッて打つ手も考えられないではなく、白よしからざるものである。黒1は、ろ、のノビできかすケースもなくはない。切った一子が働いてくる。


6図

黒1のハネには白、い、とコスむくらいのもの。い、を、ろ、に取ると、黒、い、のツケをくらってぴったり封鎖される。


7図

黒7,9に対しては白10のカケツギが形である。これは4図黒1,3の手段に対処したものだが、その代わり、黒11の押しは無条件にきく。白12と伸びてこれはひとつの型である。


8図

白1のワタりの時黒2と切るのは悪手。白3,5の後、い、の切りと、ろ、のカカエを見合いにされて黒失敗。