先日、ミュージカルを観に行った際、ごっそりもらってきた
演劇のチラシに面白そうなお芝居があったので観に行ってきました。
「ホームレッスン」(新宿・紀伊国屋ホール)
物語は
「世の中には境界線が曖昧な事ってけっこうありませんか」
という話から始まります。
例えば、
朝は「おはよう」、昼は「こんにちは」、夜は「こんばんわ」
では夕方は「こんにちは?」「こんばんわ?」どっち?
いったい何時から「こんばんわ」になるの?
「自由な教育」「自分が好きなことをやりなさい」って言うけれど
それによって法を破ってはいけないわけで…
「自由」の境界線はどこ?
三上家には奇妙な100の家訓があり、それぞれ点数が決められています。
違反すると点数が加算されていき、ある点数に達すると懲罰として監禁されます。
お母さんは頑なに家訓を守ろうとさせ、
お父さんと子どもは疑問に思いながらもしぶしぶ従っています。
娘の結婚相手の大夢(ダイム)は施設育ち、自分を世の中に合わせながら
生きてきたため、三上家の家訓、価値観にも順応し家族になろうとします。
ある日、大夢は懲罰で長い間物置に閉じ込められている息子を見つけ
助けたい気持ちにかられますが
「懲罰中の人間に手を貸してはならない」
という家訓から葛藤に襲われ、家族や大夢自身のバランスもおかしくなっていきます。
お母さんが家訓に忠実な理由は物語の後半で明らかになるのですが、
公演プログラムに載っている100の家訓を読むと
納得できるもの、何で?と疑問に思うもの様々。
納得できるものでも「~しなければならない」という言葉が付くと
疑問に変わっていきます。
この世には様々なルールが存在しますが、
おかしな縛りは真実を隠蔽していくことにつながり
人間がその状況に順応してしまうことがあるのだと
物語が進むにつれて怖くなるような、
いろいろなことを考えさせられるお話でした。
面白かったです。
お芝居を観た後はゆっくりお茶をしながら余韻に浸る…
ハーブス ルミネエスト新宿店 でフルーツケーキをいただきました。
公演プログラムを読みながら
社会に順応するって何だろう、どこまでが自由なんだろう、
考えても答えは出ず。
観終わって劇場を後にしてからジワジワくる作品でした。
法に触れていなくても他者に迷惑がかかることはNGだし、
自由の境界線ってどこ…ですか。