まだ介護経験がゼロのときのお話です
右も左もわからない福祉の世界へ飛び込んだのは十数年前のこと・・・・・。
「認知症」という言葉の意味もわからずに「人生の先輩」たちへの支援。
本当に「立たせ方」も「寝かせ方」も「着替えさせ方」も「脱がし方」も・・・あらゆる日常生活に、ごく当り前にある行動をしていただく為の支援が通用しない・・・・・・。
どうしたらいいか・・・・この仕事やっぱりやめようか・・・・・・・
そんな時に何も考えず「その人のために」という思いと「その人をどうしたら施設へ帰せるのか」という「無我夢中」の中で僕自身がホテルマンと飲食業(詳しくいうと水商売)と劇団員とギターで身につけていたものが・・・役立ちました。
「礼儀」 「笑顔」 「相手を褒める」 「相手を笑わす」 「相手の気持ちを先読みする」 「ありがとうございますの言葉」 「相手の喜ぶことを考え実践してみる」 「相手の世界感に入り込み同化する演技力」 「相手の好きな歌を歌う」
未経験の僕が毎日施設から外へ出て一日中施設へ帰ることを「拒否」していた入居者さんをほぼ毎回気分よく帰ってきてもらうことが出来た「未経験だからこそ出来た支援」・・・・・・・
そして・・・・その時に一番大事だったのが・・・その僕自身の支援や業務を何も言わず支えてくれた職員達と無茶な言動も怒りながらもきちんと理解してくれていた施設長(僕が一方的に思っている師匠)がいてくれたからこそ出来た支援です。
「施設に戻すことがとても大変」で職員が一番避けていた関わりを僕がほぼ毎回することでお互いが「支え合い」になり「信頼」に変わったのは・・・・・・・
「命をかけてさまざまな言動を見せてくれた入居者さん」のおかげであり・・・学ばせていただいたもの。
支援は・・・・・・一人ひとり違うのが「当り前」・・・・・「同じ支援」・・・「決められた支援」・・・なんてひとつも無いはずです・・。