ろくでなしどもの夜

2005-10-08 03:07:53 | 日記・エッセイ・コラム
駅からの帰路。それは夜9時頃だったと思う。
駅付近でも夜9時ごろになると、人の足音がきわだつぐらいには静かになる。昨晩、その静寂をやぶり、男の怒声が響きわたっていた。

駅周辺には焼き肉屋や居酒屋などがあるが、駐車場がないために車で来た人はみな路駐となる。怒声はその路駐した茶色のワゴン車付近からきこえていた。私はちょうどその横を通る。

怒声「なにやってんだよてめ~」
怒声「おまえが書いたって証拠あんのかよ」
怒声「あ?」
怒声「証拠だしたら考えてやるよ」
怒声「はらってるよだ?なんでためぐちなんだよ、ごぅら~」

などなど。怒声は複数人。見た目はそう悪たれではないが、ダボダボズボンの作業着をきていた。当然酒は入っているだろう。

近づいて驚いたが、怒声の向き先は警官であった。POLICEとロゴの入った白い弱々しいスクーターでやってきて、どうやらこの時間に駐禁の取り締まりをやっていたようだ。

警官の声は近づいても聞こえない。弱っちい警官かと思いきや見た目は背は180cmぐらい、太い感じなのでどの悪たれよりもがたいはいい。だたウエストからはみ出る贅肉が目立ち、贅肉の圧力で押し上げられたシャツの一部がズボンからでていた。さらにボーっとした顔が機敏性の低さを印象づける。

ちょうど私が通りすぎようとしたあたりで、警官は「わかりました」といいつつスクーターの後ろのかごに駐車禁止のオレンジ色の札をしまった。

!!?

信じられないが、悪たれに激しく責められた末に切符をきらないどころか、札を外したのだろか??一人を残して全員が満足げにワゴン車に乗った。運転席に座った悪たれの一人は白々しくもにやつきながらシートベルトをつけた。

怒声「何がわかりましただ!」
怒声「んじゃはじめからやってんじゃね~よ てめー」

一人はあいかわらずつっかかっていた。

夜、点数稼ぎに交通量もたかがしれてる道で駐禁の取り締まりをした警官がチョークで路上に書いた線と時間。ワゴン車が消えた後も、むなしく残り続けるのだろう。

おまえが書いた証拠があるのか!!と公然と国家権力に逆らう悪たれども。応援さえ呼ばず、その幼稚な理屈に屈し、「ごめんなさい」と言わんばかりの警官。

ああ、ろくでなし。

昨晩は憂うブルージーな夜であった。

コメント
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