ひとりよがり。

日々のことや思い出などを書きます。
個人的な覚え書き、日記のようなブログです。

ごぼうの種をもらった日のこと。

2023-09-02 13:39:00 | 日記
車で
夫を病院へ送り、
彼が病院へ行っている間に
海に行こうと思った。
でも
やっぱり久しぶりにピアノを弾こうと
思いなおした。
いや
やっぱり1ヶ月ぶりに
彼女に会いに行くことにした。

私が行くと
彼女は物がたくさん積んである物置の入り口で
しゃがんでコーヒーを飲んでいた。

私が声をかけると
「あーその声が聞きたかったのよ」と言った。
私は泣きそうになる。

私は彼女に話してある。
「会いに行かなくても
忘れているわけじゃないから」と。

人に会うことは
エネルギーがいる。
気持ちの勢いが必要なので。


彼女は
ずれ落ちるズボンを上げながら、
ベルトにしているイヤホンのコードを指さして
「こういうコードがあったら
ちょうだい、ベルトにするから」と言った。

彼女の家には
相変わらず
ありとあらゆる物が積んである。
彼女がゴミステーションから拾ってきた物たち。

彼女にとってそれらの「ゴミ」は
大事な資源なのだと思う。

ゴミを「護美」と書くのは当て字だと思うけれど
どこかの「美」を「護る」ために
その場に入らない物は
ゴミとして捨てられる。

彼女の家は、地球の縮図みたいだと思う。
どこかの美を護るために
捨てられた物にあふれている。
一方では
彼女が植えた植物が勢いよく
育っている。
とてものびのびと。


彼女から
ごぼうの種をもらった。
私はごぼうの種を初めて見たけれど、
服や肌に
強烈にくっ付く。
痛いほどに。

彼女は
ごぼうの枝をおりながら
「100才まで
一緒に生きようよ」と
希望に満ちた表情で言う。

その言葉は
魔法の呪文みたい。




たくさんもらったごぼうの種。
上手く
育てることができるかな。