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自民党 日本国憲法改正草案と新憲法草案を比較(その10)

2016年03月20日 | 改善したいね

注)題名が長かったので《自由民主党⇒自民党》に略す。

自民党の平成17年に発表した新憲法草案全文が自民党のホームページに記載されなくなった。
「作成の記録」があるが肝心の内容記録が無く資料としてみることができない。
『自由民主党の憲法改正についてどのような取り組みをして来たか』を見るために
いろいろ調べた結果「前文」を見つけた。
平成十七年発表の新憲法草案と平成二十四年の日本国憲法改正草案を比較してみたい。

  自民党 日本国憲法改正草案 
(平成二十四年四月二十七日(決定))
自民党 新憲法草案 
平成十七年十月二十八日発表
前文 日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国統合の象徴である天皇を戴いただく国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。
 日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
 日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。
 日本国民は、自らの意思と決意に基づき、主権者として、ここに新しい憲法を制定する。
 象徴天皇制は、これを維持する。また、国民主権と民主主義、自由主義と基本的人権の尊重及び平和主義と国際協調主義の基本原則は、不変の価値として継承する。
 日本国民は、帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有し、自由かつ公正で活力ある社会の発展と国民福祉の充実を図り、教育の振興と文化の創造及び地方自治の発展を重視する。
 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に願い、他国とともにその実現のため、協力し合う。国際社会において、価値観の多様性を認めつつ、圧政や人権侵害を根絶させるため、不断の努力を行う。
 日本国民は、自然との共生を信条に、自国のみならずかけがえのない地球の環境を守るため、力を尽くす。

以上のように自民党が平成二十四年の憲法改正草案の基本方針である前文を見ると
現行日本国憲法だけでなく平成十七年発表された新憲法草案に対しても
無視できないほど大きな変更が加えられている。
平成十七年に書かれた新憲法草案では 日本国民は下記の内容を基調としている。
 1.自らの意思と決意に基づき、主権者として、新しい憲法を制定する。
 2.象徴天皇制は、これを維持する。
 3.国民主権と民主主義、自由主義と基本的人権の尊重及び平和主義と国際協調主義の基本原則は、不変の価値として継承する。
 4.帰属する国や社会を愛情と責任感と気概をもって自ら支え守る責務を共有する。
 4-2.自由かつ公正で活力ある社会の発展と国民福祉の充実する。
 4-3.教育の振興と文化の創造及び地方自治の発展を重視する。
 5.正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に願い、他国とともにその実現のため、協力し合う。
 5-2.国際社会において、価値観の多様性を認めつつ、圧政や人権侵害を根絶させるため、不断の努力を行う。
 6.自然との共生を信条に、自国のみならずかけがえのない地球の環境を守るため、力を尽くす。
簡潔で格調高い前文である。平和主義と国際協調主義、国民の福祉や圧政や人権侵害を根絶、自然との共生を信条掲げ自然科学技術偏重の見直しなど新しいことを盛り込んでいる。
 この時は草案は憲法第一条、第二条も改正を行わないとしていた。
(平成二十四年の憲法改正草案をみると自民党は変貌したのかそれとも角隠しを外したとみるか・・・)

 自民党は長く政権を取ったがため、歴史を改ざんすることがますます長けてきたのではと懸念するやじさん

【番外】小選挙区制に変更してから1人区が増え、党の指名を争うようになり、
このため党幹部の力が強くなる。 これまで数回の選挙を経て穏健派が排除されて、
復古派が台頭してきたとみるべきかもしれない。 穏健派、リベラル派の力がなくなったとみるべきだ。
また、森元首相の「憲法改正のためにはナチスが用いた手法を使えばよい」との発言に見られるように
ひそかに大日本帝国憲法の復古を進めてきたとみるべきかもしれない。

コメント
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