中野みどりの紬きもの塾

染織家中野みどりの「紬きもの塾」。その記録を中心に紬織り、着物、工芸、自然を綴ります。

糸を灰汁で練る

2013年01月16日 | 自然環境・脱原発




昨日、今日とたくさんの糸の精錬をしました。
今日は柿の木で染にも入りました。

うすいピンクが柿を無媒染で2工程染めたものです。

寒中の染は寒くて大変なのですが、糸も人間も身が引き締まる感じです。

よく寒中水泳とかしてるのをテレビで見るとこの寒いのによくやるな~~と感心(なかば呆れて)してますが、気持ちが引き締まるのでしょう。

新春以降の光のせいか「色は黒いが味がある」とうたわれる赤城の節糸も、
灰汁で洗われ色白になってふっくらと輝いてとても美しいです。
 
糸を練るというのは絹糸の周りを覆っているセリシンという膠質の固いものを灰汁、またはアルカリ剤などで煮ながら柔らかくして取り除くのですが、私は主に灰汁を使ってきました。

樫などの木の灰をお湯で溶きその上澄みを漉して使います。

その灰も3.11以降は放射能の影響もあるわけで、出どころのわからないものは使うことはできません。
在庫がなくなり困っていたのですが、ネットで調べ、放射能の影響を受けていない鹿児島県枕崎市の灰を使うようにしました。
灰は濃縮されるので200倍のセシウムの量になるとのことです。

必要な方は検索してみてください。媒染剤としても使いますが、発色も悪くなさそうです。
単なるアルカリ剤とは違うふわっとした命ある発色に染めるには樫やクヌギなどの灰は欠かせないと思います。

日本人は木を燃やしたあとの灰も有効活用して暮らしに活かしてきました。
すべてが循環していた暮らしに戻ることは今となってはできませんが、自然が導いてくれることと向き合い恵みを享受したいです。

自然とともに生きることのなかにしか豊かさを私は見いだせません。
人に大事なのは原子力より原始力です。



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コンクリートから自然素材のものへ

2012年12月29日 | 自然環境・脱原発
 工房のニッチに置いている彫刻。
「祈ル手」岸野承作(材は春日大社の鳥居)

工房の大掃除をしてこのブログを書き今年の仕事納です。
お陰さまで日々染織の仕事に勤しむ事ができました。 

最近になって半分諦めていた腰痛が、腕を真っ直ぐに上に上げ、少し反るぐらいに手の指先までピンと伸ばし、そのあと脱力する体操(10月にたまたまあるギャラリーでお会いした野口整体の方に教えてもらいました)のせいか少し軽くなり、まだまだ頑張れそうな気がしてきました。

私にとって今年の大きな仕事として5月に上梓した作品集『樹の滴――染め織り着る』があります。

創作活動をされている方にも着物に関心をお持ちの方、そうでない方にも手にとって読んでいただけるよう個人の自己表現としての作品集に留まらないよう作ったものです。
大事なことと思われることは書きました。

ただ技法書のように説明的な書き方はしていませんので気付いていただけるかどうかは読み手によるとは思いますが…

染織をしている方から今までの自分の仕事は何だったのか‥、あるいは読むのが少し怖い…というような感想もいただきました。

紬という言葉にはいろいろな受け止め方があるようですが私が思っている紬は人に強さとやさしさを与えてくれる自立の証のようなものだと思って仕事をし、そして私も着ています。

お金持ちの方が着る着物とか贅沢品志向とは正反対の立ち位置で考えています。
いわゆる呉服商品の範疇の紬(過剰に細かい柄にして高額にしたり、ブランド名で売らんかな主義の)ではないのです。

着てくださっている多くの方々も着物自慢のために買い求めてくださったわけではなく大事に一生をかけ着ていこうとしてくださっています。
お金のある無しではないのです。また大事なことは単に価格の高い安いではないです。

手仕事系や着物関連の仕事も厳しさは続いていますが、今こそ大切にしなければならないと思います。
染織の仕事を「趣味」のように思われがちですが(そういう方も多いので仕方ないのですが)、世の中の流れに翻弄されないで人間がやるべき仕事をしていくしかないです。
私は手仕事を諦めないです。そのほうが私も楽しく幸せですし、周りの人にもそう感じてもらえるからです。

まだお読みでない方も『樹の滴』をお読みいただき、よろしければ感想をかたち21のメールをお使いいただきお送り頂けますとありがたく思います。
着る人の輪を広げて良い繋がりを持ちたいからです。


政治の方では「コンクリートから人へ――」は道半ばで交代となりました。
いきなり「人へ」というのが良くなかったと思います~。~-~;

先日の笹子トンネルでの大事故でアンカーボルトの34年の経年の劣化??と関係者が言ってましたが怒りを覚えました。
1トン以上もあるコンクリートパネルを13センチのボルトに接着剤を付け固定していたということですが小学生でもそんなものは危ないとわかります。頭の方が劣化しているのでは?と言いたくなります。
経年のせいではなく初めから設計、構造上のミスです。定期点検もずさんだったようです。他でもいつ起こるかわかりません。事故後天井板を外しましたがその廃棄物はどこへ捨てるのでしょう。

自然素材で作られた、経年によって美しさを増す建物や製品が増えて欲しいと思います。
自然エネルギー、再生可能エネルギーの開発、そういう公共工事を増やして景気を回復し、人が危険にさらされたり、大量の土に還らない廃棄物が出ないようにしてほしいです。

東日本大震災で生じたがれきがアメリカ、カナダの西海岸に大量に流れ着いてるそうですが、鳥が洗剤の容器などプラスチックを餌として食べてしまって死んでいるそうです。
魚も影響を受け、人間もそういった魚を摂取することにもなりかねません。
不要に、安易にプラスチック製品は使わないよう心がけたいです。

東日本大震災は大量消費社会の私たちに警鐘を鳴らしているとも言えます。

身近なところから少しでも変えていきたいです。
その一歩は私たち市民一人ひとりが自然素材のものを大切に手入れをしながら使い、暮らしをつつましくも豊かにすることを第一に考えることだと思います。
その最たるものとして着物があったのではないでしょうか?

自分の意思で自分に合う着物を一生をかけて着る人が増えて欲しいと思います。
来年も紬塾では環境のことも含め、着物を着る話をしていきたいと思います。

先日申し込んだ講演会のキャンセル待ちが出て、小出裕章さん、広瀬隆さんの話を聴きに行ってきました。
放射能の影響を受けやすい子供、30歳以下の若者たちを守らんとする悲痛な叫びを感じました。
その模様がYoutubeで視聴できます。4時間と長いのですが2時間ずつに分けてでも是非ご覧いただきたいです。
着物が捨てられていった時代と原発がどんどん作られていった時代は重なります。

また私は行けませんでしたが、24日にも日比谷で集会がありました。
脱原発宣言を即座に出した城南信金に私も口座を持ち昨年5月から着物貯金を始めましたが、理事長の吉原毅さんの話もわかりやすくてうなずいてしまいます。
こちらもお正月にゆっくりご覧ください。

今年も多くの方にいろいろとお世話になりました。
本当にありがとうございました。

少しでも日本の国、そして世界が良い方向に向かうことを心から祈ります。
みなさまもどうぞ良いお年をお迎えください。
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夏の着物と住環境

2012年08月23日 | 自然環境・脱原発
残暑が続きますが、8月も残すところ一週間あまりとなりました。
この夏も浴衣や麻の上布を何度か着ました。

夏の着物の美しさは、布地の美しさのみならず、光が透過された時にあらわれる、布と光のコラボレーションによる美しさがあります。つい暑さを忘れて着てみたくなるのです。

以前、夏の上布に合わせて半巾帯を注文してくださったお客様から先日、着姿の写真をメールで送ってくださいました。部分写真をご紹介いたします。



着物は知人からいただいたという越後上布です。
詳しいことはわからないのですが、最近買ったものというわけではなく何度か袖を通したもののようです。
良いものとのご縁があったのですね。画像で拝見する限りでも涼しげで美しい織物ですね。

ご本人に伺うと「ものすごく細い糸で繊細な柄がすみずみまで織りだされており、これを織ったかたの労力とか、集中力とか、どれだけのものだったろうか・・・、とか、素人眼には、もう執念とかないとここまで細かく織れないのではないかとか、、、
いろいろ想像してしまうような上布です。でもとても優しくて嫌みのない素朴さもあり、着ていても控えめな感じで、上布上布していないというか、”どうだ!!”みたいないばった感じはしなくて、そこがすごく好きな着物です。これが私の手元にきてくれたことに感謝、作ってくださった方に感謝、、、」だそうです。
本当にその通りで、人の手わざの素晴らしさと尊さを感じます。



締めている帯は私が織った赤城の節糸の半巾帯です。
この上布に合わせるために織ったわけではないのですが、こちらともよく合っていますね。
後ろ姿の写真がないのが残念ですが。。。
夏の半巾は初めてのようでしたが太鼓結びより、かなり涼しい着心地だったようです。
布のアップの画像もご覧ください。



帯は太い節糸を地糸に使い細い玉糸を絣部分の地糸にして変化をつけています。
上布の極細の糸とメリハリもつき質感の取合せとしても良いと思います。
違うものを合わせるところが着物の取合せの醍醐味だと思います。
帯芯には夏用の芯を使って仕立ててもらいましたが、もちろん一年を通してお使いいただけます。

「暑い真夏に着物なんて!!」と思っておられる方は多いかと思いますが、日本の上布をはじめとして夏用に織られた着物地はいろいろとあります。
色や柄で涼しさを演出しているものもありますから、来年は浴衣一枚からでも夏着物を始めませんか?

上質の半巾帯を締めれば街着としても十分です。気分も一新されます。
また、涼しげに着物を着てらっしゃる方を見るとこちらもハッ!とさせられます。

半巾帯は一般に柄付けが多くなり、名古屋帯よりも手間がかかる場合があり、価格も名古屋と変わりませんが、結び方も簡単ですし重宝なことは間違いありません。
是非一本用意されてはいかがでしょうか?

それにしてもこの夏の暑さも厳しいですが、世界的にも異常気象が言われています。

歌の仲間が教えてくれた、山本義隆著『福島の原発事故をめぐって』[みすず書房](この本はわかりやすくコンパクトに原発の問題が書かれていますのでおススメです!)の中の「原発稼働の実態」という節に、原発の定期検査のたびに何十トンもの放射能を含んだ水が流れてしまい、更には定検の時だけでなく原発を冷やすために使った海水が放射能を含んだ温排水として1分間に何十トンも流されていると、平井憲夫さんという原発の現場で20年働いたかたの証言として記されています。

原発の稼働は海水温を上昇させていることは間違いのないことでしょう。
大雨や干ばつで多くの人が亡くなったり家を流されたりしました。これは天災とだけは言えないのではないでしょうか?
原発はCO2を出さないから温暖化防止になるクリーンなエネルギーと謳いあげたわけですが、昨年の福島第一原発事故による放射能汚染、核の廃棄物も含めクリーンなエネルギーのはずはありません。


久隅守景という江戸時代初期の画家が描いた「納涼図屏風」(国宝)という絵があります。
瓢箪の棚の下で夫婦と子供が夕涼みをしているのですが、妻は腰巻一つで涼んでいます。
のどかなこの絵を見ても江戸時代も暑かったことがわかります。


先日、ご近所の数人が浴衣で集まり、宅配をしてもらっている有機栽培の夏野菜をたっぷり食べて暑気払いをしました。
東京といえども町田市のこの工房は高台にあり風通しが良く、この日も蒸し暑い一日でしたが冷房なしで夜遅くまでみんなで盃を重ねて過ごしました。
庭に緑が多いことやヨシズやスダレを使っていることの効果もかなりあると思います。
出来る限り無駄なエネルギーは使わないよう工夫しています。

アスファルトとコンクリートで囲まれた都心では無理でしょうが、エアコンなしでも暮らせる住環境に国を挙げて作り変えていく必要があると思います。

自然エネルギーだけでもやっていかれるよう研究、開発を進め、2030年代前半などといわず、一日も早い原発ゼロを望みます。

美しい手仕事による着物が楽しめ、子供たちも可愛い浴衣ではしゃいでいる光景が見られる日本の夏であってほしいです。


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浴衣で7.29 脱原発国会大包囲 

2012年08月01日 | 自然環境・脱原発



7月29日午後6時過ぎに首都圏反原発連合主催の「7,29脱原発国会大包囲」のために国会へ向かいました。
集会とデモは体調のこともあり無理と思いましたが、国会をキャンドルの鎖で取り囲むのには私も一灯をかざしたいと思い、ペンライト持参でいきました。

 
行進するわけではないので、国会正門前はスゴイ人の列が立ち止り、とても蒸し暑く気分が悪くなりそうでした。
すいた方へ戻りたかったのですが身動きが取れず我慢して立っていました。座る余地はありませんでした。
たまたま人をかき分け逆行していく何人かがいて、私もこの時とばかり後をついて少し楽な場所へ移動しました。

そこで一人で小さな太鼓を打ち鳴らす男の人に合わせ私も何人かに交じって「再稼働反対」のコールをしていました。

7時を過ぎ鎌田慧さんや政治家のスピーチ。そして民主党の国会議員のスピーチが始まるとざわついてきて、それまでおとなしくじっとしていた市民は歩道から車道へ出始め、そこで太鼓の音などに合わせ灯をかざし大コールになっていきました。


ここは歩道とされている柵の内側

私も写真を撮りたくて車道へ出て2~3枚撮ったところで警官にここは車道です。歩道へ戻ってくださいと注意され、おずおずと一旦戻ったのですが、、、人はどんどん車道を埋め尽くしていきました。主催者スタッフも「ルールを守ってください!」と始めは叫んでいましたが、もう止められない状態でした。


携帯電話のカメラで車道の人々を車道で写したもの。

私が立っていたのは国会正門に向かって左の列の真ん中よりやや後方でした。前方は見えなかったのですが、家へ帰ってパソコンで空撮の2便を見るとその状況がよくわかりました。時間が長いですが是非ご覧ください。

7.16の時もそうでしたが、広瀬隆さんの呼びかけで、市民の寄付などにより、正しい報道をするためにヘリを飛ばして公開している会が撮影したものです。

昨年の3.11以降、マスメディアの報道のありかたにも問題が大きいことを再認識しましたが、自分が現場に行くことが大切だと思います。でも空から事実をそのまま写し、ネット上で公開してもらえることは本当にありがたく、カンパなどを含め支援したい気持ちです。
国民の声を正確に報道しないメディアに対しての怒りが、こうして市民が自分で本当のことを見たい、聴きたい、変えたい、という動きになっていると思います。

昨日、毎週金曜日に官邸前で行われている原発再稼働への抗議行動を呼びかけた、首都圏反原発市民連合の関係者と管直人前首相らとの意見交換で、野田首相は「話を聞くことはやぶさかでない」と菅さんに電話で話したということです。是非実現して欲しいと思います。

時代の大きな大きな転換期だと、良識を持った市民がゆるやかにつながり大きな輪になっていることは確実なものだと実感しました。
熱心に先頭に立ち動いてくださる方たちに心から敬意と感謝の気持ちを表したいです。
私のできることはわずかですが、後方でやれることの支援をしていきます。

今回は初おろしの絞りの浴衣で行きました。他にも4名の浴衣姿をみかけました。
笹山さんの「モノ・語り」に詳細があります。
1枚の手仕事の浴衣を纏うこと、これも脱原発への力になってほしいと願っています。微々たるものですが。。。
浴衣の詳細は後日。。。


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着物でさようなら原発10万人集会のデモに参加して

2012年07月17日 | 自然環境・脱原発
赤字のところ7/21追記しました。You Tubeもご覧ください。笹山さんのブログもご覧ください。



グループの先頭を歩く着物の方は強い意志を感じます。



昨日の大変な暑さの中、前回お知らせした、さようなら原発10万人集会のデモに着物で参加しました。暑かったですが、風があったことで救われました。
腰の痛みもあり時間を遅らせ3時ごろ原宿駅近くの表参道の欅並木でまずパレードをする方々を見守りました。
すごい人でしたが、一般市民のみなさんは穏やかに手製のプラカードを掲げ、淡々とコールしながら歩いていました。
感動的でした。


この手拭いを首にかけた着姿は何かカッコいいと思いました。



信号待ちの間も団扇をかかげてアピールする若い女性。




この3枚の写真の方は靴を履き、一人で参加している様子でした。
しきりに沿道の人にアピールしていました。

「原発はいらない~」「福島返せ~」「農地を返せ~」「海を返せ~」「野菜が食べたい!」「魚が食べたい!」「牛乳がのみたい!」「電気は足りてる!」「子供を守れ~」「自然を守れ~」

私も道の際で写真を撮らせてもらいながら一人一人の表情を観ていました。
着物を着ていると目立つのでしょうか、ずいぶんたくさんの方が会釈をして手を振ってくださいました。
見ず知らずの方と手を振りあう――連帯の表明ですね。

30分ほどして木漏れ日が顔に当たってまぶしかったので沿道の少し陰になるところへ移動したとき、なんとわざわざ京都から集会に参加した知り合いが、行進の列の中から飛び出して握手を求めてきました。
びっくりしました。が、とても嬉しかったです。よくぞ気付いてくださいました!


沿道で30~40分見ているときに浴衣や夏着物で行進している人を6~7人見かけました。嬉しかったです。
女性が着物で声を上げてくれるのは特別嬉しいですね。一人での参加の方が多いように思いました。


現地へ着いてすぐに撮った写真でしたが、あとから気が付きました!着物の方は集会で司会役をされていた講談師の神田香織さんですね。奥は広瀬隆さん。僧衣の方は福井県小浜市の明通寺の住職中嶌哲演さんでした。集会の様子はYou Tubeでご覧ください。

下の写真の方はご高齢の方でしたが、毅然とした表情でした。


そしてその後には思いがけずに別の知り合いと合流でき行進に加わりコールをしながら歩きました。
途中離脱か?とも思いましたが、なんとか終着点の明治公園まで歩くことができました。



私は母の小千谷縮に自作の半巾帯です。
日傘は用意していたのですが、アスファルトの照り返しが強く、結局手拭いでほおかぶりの姿になりました。

千駄ヶ谷駅近くの緑に囲まれたカフェのデッキで美味しいビールの小瓶を1本だけ飲んで一休みして、みんなで帰りました。

それから昨日のデモでもらったチラシで知ったのですが、パブコメというのがひそやかに行われているのです。ご存知でしたか?
昨日も問題になっていた、仙台と名古屋の原発に関する一般市民からの聴取会に電力会社の人が入って発言したニュースはご存知の方も多いと思いますが、シナリオが3択になっていて真ん中を誘導して選ばせるための常とう手段とも。。
7月31日締切だったのが8月12日の締め切りに延びたということです。ぜひ参加したいと思います。
こちらもご参考まで。

私はもちろんパブコメ①0%を選びます。
心地よく暮らせる、省エネルギー、自然エネルギーに転換してほしいです。


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着物でさようなら原発

2012年07月12日 | 自然環境・脱原発
7月16日に東京・代々木公園でさようなら原発10万人集会とデモ行進が行われます。

私は人が人らしく生きられる世の中であってほしいと願っています。
経済という名のもとに、大量のエネルギーを使い、いつまで過剰にモノを作りつづけるのでしょうか?

原発は人々を本当に幸せにしたのでしょうか?
自然を汚し、ものを粗末にし、人を切り捨てる。消費の奴隷を作る――。
それが国民のためのはずはないです。
原発を推進して得をしたい人たちのために振り回されるのはもうたくさんです。

原発がなくてもやっていける社会に作りかえていくために、
今がラストチャンスととらえるべきだと思います。
私は手仕事がもう少し見直され、人間の速度に合わせた仕事が増えてほしいと思っています。
地に足をつけ幸せをかみしめて生きることができるからです。

いろいろな立場の専門家のかたがたもたくさん発信されていますので参考にしながら、
人として、一紬織の作家としても人任せにしないで考え、行動していきます。

16日はデモには参加したいと思っています。
ただ持病の腰痛が悪化していて長時間立っていたり歩いたりは出来ないのですが、
表参道から信濃町方向へのデモコースを沿道から見守るだけでもできたらと、
今養生しているところです。
できれば最後尾を少しでも歩きたいのですが。。。
2時ごろとにかく表参道へ行く予定です。

混雑状況や人の流れでどうなるかはわかりませんが、よかったら究極のエコな着物で参加しませんか?
私も夏着物でいきます(雨の場合は下駄はアスファルトの上では腰に負担がかかると思いますので無理かと思いますが。。)。
着物姿を見かけたら手を振りあいましょう!

着物は過去のものではありません。懐古趣味で着るわけではありません。
贅沢品と誤解をされている方も多いのですが、、、

今の時代こそ布を大切にする生き方をしなければならないと思います。
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2012年06月17日 | 自然環境・脱原発
中野みどりHP



雨の季節を迎えました。
真夏の日照りを前に大地や木々はたっぷりと水を蓄える時です。
そしてこの時期には青や紫の花が咲き私たちのこころを落ち着かせてくれます。
工房の庭には5種類の紫陽花があります。少し時期を違えて咲き始めますので仕事の合間に目を休め、ひと月以上楽しんでいます。



経継ぎを終えたところの写真。グレー地に藍や緑の細い縞が入ってます。

今、機にかけている着尺も雨というか水を感じさせるものを創りたいと織り始めました。
季節に合わせて仕事をするようにしています。
自然が教えてくれる、導いてくれるように思います。
繊細なたて縞によこはシンプルに草色と赤味の薄茶を配しました。
「早苗」をイメージしてます。

日本は瑞穂の国といわれますが、水をうまく利用した先人の知恵を守りたいです。
安心して食べられるお米を奪わないでほしいです。  

原発がなければ生きていかれないような、脅しとも思える先日の大飯原発再稼働に関する首相の記者会見の発言には唖然としました。
原発事故は限定された地域だけの問題ではなく、空気を汚し、水を汚し、生き物の命を奪うもの。避難訓練をしても始まらない話です。それこそ生きていかれないのです。

前からお伝えしている「さよなら原発1000万人署名」は750万筆を超え、その分は首相あてで衆議院議長に届けられたそうです。

その先頭に澤地久枝さんが単衣の着物姿で立っています。
まだ署名は続いています。オンライン署名もできます。


もう一つの雨は、実践知塾「ドレミから始めよう」でも『あめ』谷川俊太郎作詞、松下耕作曲の練習をしています。

あめがふると つちのにおいがする
 あめがふると あしのうらがくすぐったい
 あめがふると まちがしずかになる
 あめがふると むかしのことをかんがえる

始めは、私のアルトのパートはド、ド、ド、ド、ド、ド、ド、ド…ばかりが続いてヘンな曲だと思ったのですがなかなか奥が深い曲だと感じてきました。
4パートに分かれているのですが、うまくハモれたらすごくカッコいい曲です。
いつの日か、You Tubeに投稿できる日が来るといいのですが。。。。。。。。

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糸を紡ぐエナガ

2012年03月20日 | 自然環境・脱原発
中野みどりHP

糸のことを調べていて偶然見つけてしまったスゴイ!ブログです。
3.14の「糸を紡ぐエナガ」の最後の画像に
「こんなに太い糸が紡がれていきます」とコメントがありますが
力に満ちたいい糸の紡ぎ方ですね。いい織物が織れそうで感動しました!
繭糸の波状も写ってますね。いのちがけの仕事ですね。



ブログから拝借した画像


野鳥が住める環境が人も住める環境です。東京の庭木は消毒をされてますので餌が少ないと思います。私は冬場は庭にパン屑など餌をまきます。あと水は一年中用意しています。夏は水浴びをよくしています。7~8種類やってきます。眺めるのが本当に楽しいんです。みなさんもお試しを!でも野生なので餌は補う程度に、冬場だけのほうがよいと聞いたことがあります。

「自然からのたより――――四季の生き物たちの命の輝きを写真でお伝えします」
このブロガーさんに感謝!!です。



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<希・望>と長襦袢

2012年03月03日 | 自然環境・脱原発
中野みどりHP
 
はや一年を迎えます。忘れられない、忘れてはいけない3月11日。
今なお行方不明の方、病に倒れた方、不自由を余儀なくされている方、
さまざまな不安や苦しみが続いています。

塾のメンバーの方にもお兄様を亡くされた方もおられます。
昨年12月に身元が判明されたそうです。でも「春には着物で会いたいです」
とメッセージをいただきました。

人はどんなときも一筋の光を求めるようにできているのだと思います。

先日の香川の旅の折にたまたま立ち寄らせてもらった呉服屋さんが襦袢と帯の新作展
をされていました。
店主と少し話をさせてもらいました。
<希望>と銘打たれていたのですが、それはこの一年の苦しみの中で、
わずかでも望みをつないで生きていこう――という決意でもあったようです。
襦袢を変えると未来が開ける――と。

見えないところにひそかにおしゃれをして愉しむ余裕が日本人の感性にあったと思います。
着物は地味にしていても、あるいはボロを纏っていても、羽裏や襦袢は華やかにし、
見え隠れするところに凝ることで何かの拍子にハッとする、あるいはハッとさせる粋さ。

美しいものに出会える感性と、小さな感動をつなぎながら生きていくことが
未来を拓くことになる。この大切さを長襦袢を通して春の初めに思いました。


暮れにも書きましたが、さよなら原発1000万人署名は500万筆は超えるようですが、
5月末まで署名は続けられるそうです。
1000万人という数を考えられたのは作家の澤地久枝さんだということを
送られてきた「1000万人ニュース」で知りました。

数字の持つ意味は沖縄の問題に通じているそうです。
若いころから尊敬する方ですが、いつもテレビで拝見するときは着物をきちっとお召になり
その着姿からは厳しさと暖かさ優しさを感じます。
懐深い芭蕉布や琉球絣、藍型など沖縄の衣がお似合いになる方ですね。

96年に見たユージン・スミスの写真展で沖縄戦を納めた写真の中に、市民の暮らしを写したものがあり、
木に洗濯して干された琉球の衣の写真が美しかったことを覚えています。
こんなに美しい織物を生み出す地で繰りひろげられた惨事に胸が痛みました。

この度の福島原発事故と沖縄戦が澤地さんの中で重ねられているのでしょう。
美しい織物を纏える自然環境と平和はなんとしても守りたいです。
そして子供たちが外で安心して遊べる国土であってほしいです。
賛同いただける方は是非ご署名をお願いしたいです!

「紬塾'12」は来週10日(土)から受け付けます。


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愉しい非電化できもの貯金!

2011年08月27日 | 自然環境・脱原発


「コクリコ坂から」を8月初旬に近くの映画館で観てきました。
1963年の横浜を舞台にした高校生の物語です。「胸キュン!」となりました。*^。^*

さて、そのころ私は生まれてまして‥というか小学生だったと思います。^^;
手回しのローラーがついた電気洗濯機を主人公の女子高生海が使う場面があるのですが、
懐かしく思い出しました。
母の手伝いをして、洗濯物をいっぺんに沢山挟んで回せなかったりしました。
今は3,5kgの二槽式の洗濯機ですが、手洗い感覚で汚れと向き合って、時間をこまめに変えたり
天気によって脱水の時間も変えて(糸の糊付けのときも絞り具合を変えるのですが)、
職人技で使ってます。^^y
合成洗剤は使いません。以前のブログ(紬塾‘10 )にも少し書きましたが
石鹸か炭酸塩(炭酸ソーダ)のみで洗います。
藤村靖之さんの『愉しい非電化』という本に「洗剤を落とすために回る電気洗濯機」という章があります。
汚れを強力に落とす洗剤を使い、その洗剤を落とすために水をたくさん使っているとあります。
電気も水も洗剤も無駄ですし、環境にもよくないですね。

着物はその点、しょっちゅう洗うものではなく、裾が擦り切れたら洗い張りに出すと母は言ってました。
着物は合理的ですね。
麻の着物だけはシーズンの終わりに盥で炭酸塩を使いさっと洗ってます。
一旦外で乾かして(半乾きで取り込んでも構いません)、霧を少しかけ畳んで重しをのせ
2~3時間後にもう一度室内で完全に乾かしておしまいです。
アイロンもいりませんしこれも非電化のお手入れですね。

麻は洗うと縮みますので反物の時に湯通ししてから仕立てるとよいです。
それから今時の全自動洗濯機には乾燥機もついてるそうですが、麻には絶対やめたほうがよいです。
植物の茎を極限まで裂いて作る繊維ですから。それはあんまりです~。
夏場の衣類には特に炭酸塩(シルク、ウールには向きません)が活躍します。
是非お試しください。黄ばんだ肌着とかどんどん皮脂が溶け出て面白いです。

コクリコ坂に話を戻します。主人公の海は朝食の支度を毎日するのですが、
羽釜をガスコンロにかけマッチで火をつけご飯を炊いていました。
私は十数年前からご飯は土鍋か圧力鍋を使って炊いています。時間は火をつけてから消すまで
10分ほどです。あとは少し蒸らします。早くて美味しく炊けます。

マイコン制御で洗濯やご飯炊きをしてもらわなくともそれぐらいは人のやるべき仕事ではないかと
この夏はことさら強く感じます。自然の風や光や湿度を感じず、火加減も沸騰の音も気にかけず、
毎日少しの汚れに洗剤を使いたくさんの水を流し続け、天日があるのに1時間もかけ乾燥機を使う。

自然の恵の中で生かされていることを思うと、本来、人がもっている生きるための能力を使わず、
無駄にエネルギーに頼る生き方は楽しくないし、結局幸せではないと思うのです。
昔の人の言葉を借りれば「お天道様に申し訳ない」です。
もちろん人によっで事情も違いますから育ち盛りの子供が多いなど本当に必要な人もあると思います。
ただ過剰に電気を使わない暮らし方を考えるのも大事なことですね。

知り合いの着物好きの人が5人家族で各部屋にエアコンをつけ、多いときは月に5~6万円の
電気代を払ってきたと言ってました。
契約アンペアもすごくて、今回の原発事故もあり、子供も巣立ち、アンペアを下げるそうです。
浮いた電気代を貯めればきものや帯が買えますよね~。

私の工房兼住まいの電気代は夏のピーク時で5~6千円です。扇風機とエアコンの送風は使ってます。
織りの仕事のときは絹の綿ぼこりがたくさんでるのですが、掃除機もなるべく使わないよう
モップでホコリを集めてそれを吸い取るようにしていますし、夏はそんなにもう削れないのですが、
冬は電気の暖房器具に頼っていて月に1万5~6千円になります。
これをなんとかしたいと思っていたら前に紹介した藤村さんの本にハクキンカイロがよいというのがでていて
この冬はこれを使ってみようと思っています。
苦しい節電ではなく、なるべく非電化の暮らしでむしろ心地よく愉しく暮らしたいです。
浮いた電気代は究極のエコなきもの貯金にします!
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梅雨時の着物と暮らしの暑さ対策

2011年07月07日 | 自然環境・脱原発
梅雨明け前のこの季節、晴れた蒸し暑い日に着物を着るのははさすがに暑さがこたえます。
いろいろ工夫して着てますが、そのひとつが、帯は半巾帯を締めていることです。
帯枕や帯揚げを使わないぶん、ずうっと楽です。

帯締めをする場合でも、帯板を使わないことが多いです。帯締めを少しゆるめにします。
帯枕にヘチマを使うのがよいというのは聞いたことがありますが、
帯板もヘチマのがあるということです。
帯芯も自分で仕立てを頼むときは、季節を問わず絽にしています。

日本の夏の着物は美しく素晴らしいものがたくさんあります。
そして一旦着てしまうと気持ちをスッと立たせてくれるようで好きです。
夏でも着物を着ていられる環境を守りたいですね。





節電、節電と言わなくても、風の通る家のつくりや自然素材を使ったつくり(調湿効果)、
街路樹、庭の緑陰、照り返しの少ない道路舗装など、国や行政は考えて欲しいと思います。
というか私たちが何より考えることですが。
エアコンを28度に設定するということより、
使わなくても工夫すればもっと気持ちよい環境を作ることができると思うのです。

国の政策はエネルギーを使わせようとするやり方をとってきておいて、
今度は節電を強要しようとすることに疑問を感じます。
原発がないとこんなにタイヘンだぞ!と言わんばかりですね。
耐乏生活ではなく、ほんとうに心地よく暮らすということは、
自然を大切に守ることしかないと思うのですが。

私は染織の仕事中は、夏の盛りであっても34年間冷房を使ったことがありません。
風のない日にはエアコンの送風は使います。またよしずや庭木の緑陰ももちろん利用し、
あとは3時以降に再利用の水を撒きます。効果は絶大ですよ!

衣服は、超クールビズと世間で言われているTシャツ・ポロシャツなど、ニット類は着ません。
綿麻混や麻などの織りの生地のものを選びます。
衣服の形はトンネル効果のあるオーバーブラウスなどを身につけます。
パンツ類も薄手で通気性のあるゆったりしたものをはきます。
肌に密着するものは極力避けます。でも肌を剥き出しにすればよいというものではありません。
きものは帯のところはさすがに何枚もの布が重なり暑いですが、
それ以外は意外と涼しいですよね。布が1枚あるほうが汗取りになり、かえって涼しいです。

それにしても6月から暑い日が続き、過度の節電は身体を壊しますのでケースバイケースで
エアコンも使われるとよいと思います。

また放射能汚染を気にして窓を開けないようにしている方もいらっしゃるとか、
本当に過酷な夏になりそうですがこの教訓を無駄にしてはならないと思います。

着物の文化からも自然素材の力や布に込められた知恵が私たちに恩恵をもたらせてくれるように、
エネルギー分野も自然を生かし、叡智を結集したものにして、後世につけを回さないようにと
切に願います。

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