近くのスーパーに、よく出かける。レジを済ませ、買った物
を袋に詰め替えていると、時々カラのかごが無造作に台の上に
置かれていることがある。
混雑時には、そのかごのせいで、台の作業スペースが狭めら
れ、迷惑度がかなり上昇する存在となる。それでも、買い物客
は、自分の作業を終えると、その存在を全く無視するかのよう
に立ち去っていくのである。
自分のかごと重ねて、レジの横にある収納場所に置くのが、
そんなに面倒くさいことなのだろうか。ひょっとして、自分以
外の買い物かごに触れるのは、法を犯すとでも思っているのだ
ろうか。とにかく、だれも手を出そうとしない。
と、その時である。中年の女性が、さっと自分のかごと重ね
ると、さも当然のことのように、さっさと片づけてしまったの
である。その動作は、まるで10年も前から、毎日その動作を繰
り返しているかのように、本当に自然な感じだった。そのさり
げなさが、何とも言えず、さわやかな印象を残したのである。
もちろん、私も負けてはいない。その後、何回かチャレンジ
しているが、悔しいことに、なかなかその時の女性の境地にま
では達していない。二つのかごを重ねて運んでいる私の表情は、
少し得意気であり、まるで社会的に重大な貢献をしているかの
ように、正義感に満ちあふれたものになっているようなのであ
る。
これも、やはり経験の差なのだろう。地道に努力を積み重ね
るしかないのだ。ところが、そのチャンスは、なかなか訪れな
いのである。そこで、時々は、空の買い物かごを、台の上に置
いておくようにと、スーパーへの要望欄へ書き込もうかと思っ
ているところである。
昨日、健康診査を受けました。今年から始まった腹囲計測、
ちょっとショックな数字! よし、今日から、節食と運動に
頑張るぞ!