寒来光一の日替わり笑話

お笑い作家・寒来光一(さむらいこういち)が、毎日(たぶん?)、笑いのネタをお送りします。

バードウォッチング(笑ートエッセイ)

2010-12-28 01:14:39 | 笑ートエッセイ
 妻に誘われて、バードウォッチングに出かけた時のことだ。
 風もなく、絶好の観察日和だったためか、何種類ものカモメや
サギ、シギ、カモ、バン、ヒバリなど、数多くの鳥たちが出迎え
てくれた。
 中でも、干潟に数百羽の白いユリカモメがくつろいでいるさま
は、なかなかの壮観である。

 こんな風景を見ていると、自分も鳥になってみたいという気持
ちになってくる。
 しかし、早まってはいけない。よく考えてみると、鳥になれば
当然のことながら、ミミズを食べたり、大空を飛び回ったりしな
ければならないのだ。
 偏食家であり、バンジージャンプ一つできない私には、とうて
い鳥は務まりそうにない。



   今年も残すところ、あと4日。
   年賀状を出し終わったので、ホッとしているところです。 
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電話のかけ方(笑ートエッセイ)

2010-12-24 00:11:01 | 笑ートエッセイ
 妻が毎日、ラジオで中国語講座を勉強している。
 それを聞くともなしに聞いていると、中国では、電話に出るとき
に、名乗らないのが習慣なのだそうである(企業では、最近、名乗
るところも増えてきたとか)。

 日本では、「○○ですが」と名乗るのが当然だと思っていたが、
最近では、事情が変わってきているようだ。
 2年ほど前の調査では、自宅への電話で、「名乗らない派」が何
と73%もいたとのこと。てっきり自分が普通だと思っていた常識
が、見事に打ち破られてしまった。

 その理由はと言えば、ほとんどが「防犯上の理由」だそうである。
確かに、これだけ「振り込め詐欺」が横行する現状では、無理もな
いことなのかもしれない。
「名乗った方が気持ちがいい」と思いながらも、やはり「名乗らな
い」という人も、随分いるようだ。マナーを取るか、安全を取るか
で、揺れ動いているのだろう。

 やがて、親が子どもにこんなことを言うような時代がやって来る
かもしれない。
「この子は、何べん言ったら分かるの! 電話に出る時に、自分の
名前をしゃべったらいけないって言ったでしょ!」
 何とも、世知辛い世の中になりそうである。

 ちなみに、我が家の電話番号は、ある郵便局と最初の番号が1字
違い(惜しい!……って、そういう話じゃないけれども)。
 よく、間違い電話がかかってくるのだ。
「はい、寒来です(注:実際には、本名を名乗る)」
「あのう、留守の間に、郵便物を配達してもらったんですけど」
「あ、こちらは、郵便局ではありませんよ。おかけ間違いだと思う
んですが」
「いえ、ちゃんと不在番号に書かれている番号に電話しましたよ」
「でも、こちらは郵便局じゃないんです」
「とにかくこっちは急いでるんだ。早く、担当者を出しなさい!」
「だから、こちらは郵便局じゃないんですって」
「もういい! ガチャッ!」
 とまあ、こんなにひどい例は、今のところないが、「すみません」
の一言もなく、切られることはよくある。
 電話のかけ方を、マナーモードに切り換えてほしいものである。


   今日はポカポカ陽気でしたが、明日からぐっと寒くなりそう
   です。
   今年は、ホワイトクリスマス? 
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注意書き(笑ートエッセイ)

2010-12-20 01:07:06 | 笑ートエッセイ
「○○はご遠慮ください」と書かれた注意書きを、よく見かける。
「○○」に入る文字と言えば、喫煙、飲食、携帯電話、写真撮影な
どいろいろである。

 その気持ちは、よく分かる。しかし、「遠慮」というのは、いっ
たいどういうことなのだろう。「遠慮するかどうかは、こちらの主
体的判断によって決めるべきものだ。あんたに言われる筋合いはな
い!」と、ツッコミの一つも入れたくなる。
 本当にやめてほしいのなら、もっとストレートに、「○○禁止」
と書いてくれた方が、よほど気持ちがすっきりする。それに、禁を
破ろうとしている者は、その断固とした姿勢におののき、おのれの
犯そうとした罪の深さに呆然としてしまうに違いない。

 とは言っても、これもたまにあればこその効果である。「○○禁
止」という2文字が、至る所に見受けられるとすれば、それはうっ
とうしいの一言に尽きる。
 美観の上からも、はなはだ問題があるだろう。人間という生き物
は、ひねくれた動物である。「禁止」と書かれてあると、かえって
反発を感じ、わざと禁を破ろうとする無法者が出てこないとも限ら
ない。
 それでは、もう少し表現をやわらげて、「○○はやめてください」
というのはどうだろうか? これも、一見なかなか良さそうに見え
るが、やはり命令口調がそこはかとなく漂う。
 かと言って、「もしよろしければ、○○はやめていただけないで
しょうか」では、あまりにも冗漫である。これでは、本当にやめて
ほしい意思があるのかどうかさえ、疑わしくなる。第一、あまりに
も文字数が多いので、看板だけが異様に大きくなって、目立ちすぎ
る嫌いがあるのだ。

 となると、どうだろう。結局のところ、「○○はご遠慮ください」
という表現は、案外ましな部類に入り、生き残っていく可能性が強
いのかもしれない。


  今年もいよいよあと12日ですね。
  そろそろ年賀状を書かなければと、思いながら毎日ずるずる延ばし
  ているところです。 
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再開します

2010-12-15 00:38:33 | 大震災に思う
パソコンが風邪を引いてしまい、更新できませんでした。
ご迷惑をおかけしました。  
全快しましたので、明日から更新を再開します。
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じゃんけん(笑ートエッセイ)

2010-12-02 00:38:10 | 笑ートエッセイ
 新聞に、じゃんけんのことが載っていた。ある学者が、1万1千回
の統計で調べてみたところ、グーを出す回数が一番多かったそうであ
る。
 なぜだろうか?

 日本人は、割に建前を気にする方だ。パーのようなあけっぴろげな
ポーズや、チョキのような人に向かってピストルを突きつけるような
仕草には、抵抗を覚えるのかもしれない。
 その点、グーの形は、バッチリ決まっている。そのこぶしの主が、
いかに強い意志の強さを持っているかを、物語っているようだ。これ
で負けたらあきらめもつくという潔さがにじみ出ている。ここ一番と
いう時にこそ、グーで勝負したくなるのも無理はない。
 この誘惑から逃れ、毅然としてチョキもしくはパーで勝負するのは、
よほどの勇気が必要となるのだ(特に、パーを出して勝ったりでもす
れば、いったいどんな非難を浴びせられるか分からない)。

 しかし、勝負は勝負である。ルールさえ守っていれば、後はどんな
せこい手を使ってもいいと考える輩も増えている。
 したがって、グーを出す確率が高いという報道に接すれば、当然の
ことながら、この連中はなりふり構わず、パーで勝負してくるに違い
ない。

 そうなると、ここである問題が生じてくる。冒頭に紹介した「じゃ
んけんでは、グーを出す確率が高い」という情報がかえって仇となり、
実際には「パーを出す確率が高い」結果をもたらす。
 すると、グーを出して負けた人から、新聞社に抗議が殺到する。こ
のような最悪のシナリオも、予想されるのである。

 その場合、新聞社は、「先日の報道により、グーを出す人の割合が
減り、パーを出す人の割合が増えてきました。結果的に、混乱をもた
らし、関係者に多大なるご迷惑をおかけしたことを、心よりお詫び申
し上げます」というお詫び記事を出さざるを得なくなるだろう。

 ところが、話はそれだけでは終わらない。この記事が掲載されるや
いなや、パーを出す人の割合が減り、勝ちにこだわる節操のない人が
こぞってチョキを出すようになるだろう。
 ここまでくれば、もうしめたものだ。グーを出す連中は、これまで
どおり、自らの意志の強さを示しながら、勝利の美酒に酔うことがで
きるのである。



   リバーウォーク内の北九州市立美術館分館で開かれている、「レ
   ンブラントと珠玉の王室コレクション」(12月5日まで)。
   日曜日に行ったのですが、あまりの人の多さに挫折。
   今日の11時ごろ再度出かけましたが、平日というのに大混雑で
   した。今までで最高の入場者かもしれません。
   なかなか見応えのある作品ばかりで、大満足です。 
           ↓
    http://kmma.jp/exhibition/now.html
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